『スキャンダル』ケリー・ワシントン、役作りのために万引きしていた!

9月26日に出版した自伝で数々の逸話を明かしている『スキャンダル 託された秘密』のケリー・ワシントン。役作りのために万引きをした経験も語られていると、米Entertainment Weeklyが伝えた。

抜かりなく準備し、見事に実行

自伝「Thicker Than Water(原題)」で、今だから明かすことのできる衝撃の役作りについて暴露したケリー。キャリア初期に出演した2001年の犯罪サスペンス映画『リフト』で万引き癖のある主人公ニーシーを演じるにあたり、万引きをする際に感じるアドレナリンや興奮を体験できるよう、何か盗みを働くことを監督から課されたという。

リフト

ケリーは、ボストンの高級デパートで働く万引き癖のある女性を主人公にした『リフト』について「都会的な犯罪スリラーを装った、親密な家族ドラマ」と説明。ケリー自身はそれまで一度も盗みを働いたことはなかったが、課された役作りをこなすべく、ニューヨークのタイムズスクエア近くのデリに狙いを定め、仕事に取りかかった。マンハッタンの中心部ということもあり、防犯カメラなどのセキュリティ設備が厳重だったそう。「防犯カメラの位置や従業員、シフトのスケジュールなどを覚えるため、2日連続で監視した。良い客として覚えてもらえるよう、毎回ちょっとした商品を買っていた」と著書で述べている。

目的は、万引きの際に身体がどのように反応するのかを理解すること。そのための用意が整った彼女は、一個のリンゴを手に取ってカバンの中に滑り込ませたそう。「前もって逃げ道をシミュレーションしておいたから、ブロードウェイのどこに行けば従業員の視界から逃れられるかは分かってた。その地点に着いたらすぐに走って逃げた」と逃亡劇を告白。その後、監督に一部始終を報告して証拠のリンゴを見せた彼女は、撮影終了後には問題のデリに戻って、新たな商品を買った際に過去の万引きの償いとしてお釣りを受け取ってほしいと伝えたという。

今回の自伝の中でケリーは自身の人生について公私問わず振り返っており、母は精子提供を受けていたことや、育ての父とは血縁関係にないことなどを明かしている。さらにある時を境に“白人のいい友達”でいることを辞める決意をしたとも述べた。そのきっかけとなったのは、2004年の映画『ファイティング×ガール』。メグ・ライアンがボクシング界で成功した実在の女性マネージャーに扮した同作で、ケリーが演じたのはメグ演じる主人公の親友レネイだった。

ファイティング×ガール

「(メグの出世作である)『恋人たちの予感』は今でも大好きな映画のトップ3」と語るケリーは、そんな憧れのメグと共演した後、出演する作品に対してある基準をもうけるようになった。「別に映画の主演を飾りたいということではないの。私が演じるキャラクターには、自身の物語を持っていてほしい。白人女性の冒険のお飾りにはなりたくなかった」と綴っている。

犠牲を伴う覚悟を持って、信念とともにキャリアを歩んできた結果、『スキャンダル』で黒人女性としては38年ぶりにドラマの主演を務めるなど、より多様性に富んだ女性が活躍できる機会を切り開いたケリー。彼女がこれまで語ることのなかった逸話が詰まっている自伝をぜひとも日本でも手に取りたいものだ。(海外ドラマNAVI)

参考元:米Entertainment Weekly①米Entertainment Weekly②