現地12日にノミネートが発表された第75回エミー賞。様々な作品・キャスト・スタッフが候補に挙がったが、その選出をめぐっていくつかの予想外が起きている。
複数部門で候補入りした人もいる中、映画スターは苦戦…
近年活躍が目覚ましいペドロ・パスカルは、本年度のエミー賞で2番目に多くのノミネート数(24)を記録した『THE LAST OF US』で主演男優賞候補に。これまでに出演した『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ナルコス』『マンダロリアン』で同賞にノミネートされたことはなかったが、今回はさらにホストを務めた長寿コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でゲスト男優賞、自然を追ったドキュメンタリー『Patagonia: Life on the Edge of the World(原題)』でナレーション賞候補となり、通算ノミネート回数を0から3へと一気に伸ばした。
そんなペドロほどではないものの、メラニー・リンスキーとマーレイ・バートレットは2部門で候補に。しかも、そのうち1部門は同じ作品から選出された。メラニーは『イエロージャケッツ』で2年続けて主演女優賞部門に入ったほか、『THE LAST OF US』でゲスト女優賞にノミネート。昨年『ホワイト・ロータス/諸事情だらけのリゾートホテル』でエミー賞初受賞を果たしたマーレイは、今年『チッペンデールズへようこそ!』で助演男優賞、『THE LAST OF US』でゲスト男優賞候補となった。
現在『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』が日本でも公開中のハリソン・フォードは、新作コメディドラマ『シュリンキング 悩めるセラピスト』か西部劇『イエローストーン』のスピンオフ『1923』で80歳にしてエミー賞初ノミネートを果たすかと期待されるも対象外に。前者で共演したジェイソン・シーゲル、ジェシカ・ウィリアムズはそれぞれ主演男優賞、助演女優賞候補となっている。
ハリソン以外にも映画で主に活躍している印象の俳優たちがドラマに出演したが、『戦慄の絆』のレイチェル・ワイズも、『ラブ&デス』のエリザベス・オルセンも、『The English(原題)』のエミリー・ブラントもノミネートには含まれていない。
エミー賞常連だった『ゲーム・オブ・スローンズ』(以下『GOT』)のスピンオフ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』は、主要部門でノミネートされたのは残念ながら作品賞のみ。『GOT』の1年目は作品賞を含む4部門で候補となり、助演男優賞をピーター・ディンクレイジが手にしたことを考えると、今回はヴィセーリス・ターガリエンを原作に描かれていたよりも魅力的なキャラクターにしたパディ・コンシダインは選ばれても良かったのではないかと、米Entertainment Weeklyが論じている。
また、今は亡きレイ・リオッタが遺作『ブラック・バード』で助演男優賞にノミネートされたことにも言及しておきたい。これは、昨年急逝した彼にとって、2005年に受賞した『ER 緊急救命室』でのゲスト男優賞以来2度目のノミネートとなる。『ブラック・バード』からはほかにタロン・エジャトンが主演男優賞、ポール・ウォルター・ハウザーが助演男優賞部門に入った。
なお、レイのように死後にノミネートされた例は過去にも何度かあり、チャドウィック・ボーズマン、キャリー・フィッシャー、オードリー・ヘップバーン、ラウル・ジュリアらも亡くなる間際の演技を評価されていた。(海外ドラマNAVI)
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