Netflix共同経営者、「成功しているドラマを打ち切ったことはない」

先日NAVIでもお伝えしたNetflixによる更新と打ち切りの判断基準に関しての報道。傑作シリーズ『DARK ダーク』クリエイターによる渾身のミステリー『1899』が当初3シーズンで完結させる構想だったにもかかわらず、1シーズンで打ち切りとなり想定外の幕引きとなったことをはじめ、相次ぐ打ち切りに視聴者は困惑を隠せずにいる。その最中、NetflixのCEOテッド・サランドス氏が決め手について「70パーセントは直感、30パーセントはデータです」と発言。視聴者に衝撃が走ったが、新たに「成功を収めている作品を打ち切りにしたことは一度もない」と弁明したようだ。

信じがたいように聞こえるが、この場合の“成功”とは予算対視聴者数の比率に基づくもので、どれだけ予算を投じたとしても視聴者数の規模が小さければ成功とはみなされないということ。これはNetflixに限らずいかなる企業においても同じで、もし投資した分の利益が回収できないのならば、手を引く決断をするというのはいたって当然といえる。打ち切りになった作品に、不満の声が多く寄せられているのは事実だが、だからといってそれが大勢の視聴者がいるということを表すとは言えない。改めて“人気”と“成功”は別物であり、必ずしも人気だから成功と言えるわけではないことを思い出す必要がありそうだ。

しかし、この場合においてNetflixが考える十分な視聴者数の規模はどの程度のものなのか、我々外部の者が知ることは難しい。より巨額の予算が投じられれば、必然的に求められる視聴者の数も増えるわけだが、Netflixは視聴者数の結果を公表していないこともあり、作品が打ち切りを逃れて生き残るために何を達成する必要があるのか理解するのは不可能といえる。

唯一参考にできるのは、Netflixが毎週公開している視聴時間数に基づく週間ランキング。最近では『ウェンズデー』が人気を集め、数週間に渡って首位をキープしていたため、シーズン2への更新がほぼ確実といわれ、実際に更新された。Netflixが世界中に2億3000万人以上の加入者をもつことを考えると、作品に求められる視聴者数に対する期待は非常に高くなっていそうだ。

ほかのエンターテイメントとは異なる測定基準をもつサブスクリプション。映画のようにチケットを購入したり、TVのように広告を見たりといった方法ではなく、毎月のサブスクリプションの形ですでに視聴者からお金は費やされている。

大事なのは作品の新シーズンを十分な数の人が見るかどうかではなく、どれだけの人が作品を見始めるために新たに登録するか、もしシーズン2がなかったらどれだけの加入者を失うことになるのか。企業としての運営方針が私たちの娯楽にもたらす影響力の大きさを痛感せざるを得ない。(海外ドラマNAVI)