ガールズパワーに元気がもらえる!カナダ発犯罪ミステリードラマ『フランキー・ドレイク ミステリー』

1920年代のトロントを舞台に、私立探偵のフランキー・ドレイクと相棒トゥルーディ・クラークの活躍を描きカナダで大ヒットした犯罪ミステリードラマ『フランキー・ドレイク ミステリー』シーズン1が、無料放送のBS12トゥエルビの「金曜キラー通り」で日本初放送される。今回はこのドラマの魅力を紹介しよう。

『フランキー・ドレイク ミステリー』とは?

『フランキー・ドレイク ミステリー』は、カナダの刑事ドラマ『マードック・ミステリー 〜刑事マードックの捜査ファイル〜』を手がけた、キャロル・ヘイとミシェル・リッチの脚本によるもの。2018年にシーズン1がカナダの公共放送局CBCで放送されて人気を呼び、1年に1シリーズのペースで続編が製作され、2021年放送のシーズン4で最終回を迎えた。今回放送されるのはシリーズ1で、全11話の構成となる。

1920年代、カナダ中東部オンタリオ州の州都であるトロント。 街で唯一の女性私立探偵であるフランキー・ドレイク(ローレン・リー・スミス)は、パートナーのトゥルーディ・クラーク(シャンテル・ライリー)と探偵事務所に持ち込まれる事件の解決のために駆けずり回る日々を送っている。ふたりに協力するのは、上昇志向のある道徳警察官のメアリー・ショー(レベッカ・リディアード)と遺体安置所で働く姉御肌のフロー・チャコウィッツ(シャロン・マシューズ)。この4人のチームが、上流エリートの屋敷、ゴスペル聖歌隊が歌う教会、サイレント映画の撮影所など、さまざまな場所で起こる事件に挑んでいく様子が描かれている。

パワフルに人生を楽しむ女性たち

トロントで初めての女性私立探偵という設定のフランキーが実に魅力的だ。美人で頭の回転が早く、ボクシングをしたり、バイクを乗り回したりという男も顔負けの行動力があり、ボクシングのインストラクターであるモーゼスと恋の駆け引きを楽しむなど、この時代の進歩的な女性そのもので人生を楽しんでいる。実はMI6(英秘密情報部)の元諜報員で両親は詐欺師だったという隠れた過去を持っているのも面白い。
相棒のトゥルーディは、もともと下宿屋の使用人だったのが、フランキーと出会ったことにより、一緒に私立探偵事務所を立ち上げることになる。1920年代の黒人女性ながら、差別を物ともせず時代の最先端をいくパワーをもつ。
フランキー役を演じるローレン・リー・スミスはバンクーバー出身の女優。『Lの世界』『リスナー 心を読む青い瞳 』などに出演。トゥルーディ役のシャンテル・ライリーはジャマイカ系カナダ人女優で、『SUITS/スーツ』のスピンオフ『SUITS:ジェシカ・ピアソン』などに出演している。

フランキーとトゥルーディのふたりに捜査の協力をするメアリーとフローに加えて、フランキーたちの行きつけの中国カフェの経営者ウェンディ、フランキーの元詐欺師の母親ノラ、敬虔なクリスチャンで子供思いのトゥルーディの母親ミドレッドなど、女性キャストたちが大活躍するのにも注目だ。ガールズパワーに溢れ、ガールズエンパワーメントなドラマでもある。

1920年代のトロントを再現

ドラマの舞台になるのは、「狂騒の20年代」と呼ばれた1920年代のトロントである。多大な犠牲者を出した第一次世界大戦の終戦から数年が経過、依然として社会的・政治的な混乱があったなか、ジャズが流行り、アール・デコの建築やデザインが一斉を風靡。また、女性たちの間ではフラッパーと呼ばれるファッションやライフスタイルが流行した。フラッパーとは若い女性を指す言葉だが、女性たちはショートヘアのボブカットや膝丈のスカート、個性的なメイキャップという出立ちで、酒やタバコ 、車の運転を嗜み、ジャズを愛好し、恋愛も積極的に楽しんだという。良い男性と結婚し家庭を守ることが女性の一番の幸せという、これまでの伝統的な女性観が変化し、新しい価値観が生まれた時代だ。

ドラマのなかでは、当時のトロントの街や世相が見事に再現されており、ジャズ、白黒のサイレント映画、第一次世界大戦など、1920年代の社会や文化がストーリーの随所に取り入れられ、禁酒法(米国では1920年から1933年まで消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止されていた)がカナダの社会に与えた影響も描かれている。

王道のミステリードラマ

『フランキー・ドレイク ミステリー』の展開はいたってシンプルである。事件が起きる→フランキーたちが捜査を開始→解決という1話完結スタイルで、まさにミステリードラマの王道だ。1話が約45分の尺なので気軽に見られ、暴力や残虐なシーンもほとんどないので、家族みんなで楽しめる作品になっている。同じく1920年代が舞台の人気シリーズ『ダウントン・アビー』のファンや『名探偵ポワロ』などのミステリードラマ愛好者たちにもオススメだ。

また、アーネスト・ヘミングウェイ(シーズン1)、ココ・シャネル(シーズン2)、アガサ・クリスティ(シーズン3)など、実在の人物が登場してフランキーたちと共演するというのもこのドラマの面白さを引き立てている。

イギリスやアメリカを舞台にした作品とは一味違ったカナダ発のミステリードラマ。女性たちの大活躍に元気がもらえる作品なので、ぜひチェックしていただきたい。

放送情報

◆『フランキー・ドレイク ミステリー』シーズン1は、1月20日(金)より「BS12トゥエルビ」にて放送スタート【全国無料放送】
【放送時間】毎週金曜よる9:00~(英語・日本語字幕/全11話)

テレビ放送後、TVerにて期間限定で見逃し配信予定。https://tver.jp/「海外ドラマ」で検索!

◆番組HP
https://www.twellv.co.jp/program/drama/fridayskiller/fridayskiller-frankie-drake/
◆BS12 トゥエルビについて
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視聴方法は、BS+12ボタン、または3桁番号222チャンネルです。
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(名取由恵 / Yoshie Natori)

Photo:『フランキー・ドレイク ミステリー』© 2018 Shaftesbury Films Inc.