マーティン・フリーマンの演技が大絶賛! BBCの警察ドラマ『レスポンダー 夜に堕ちた警官』のココに注目!

マーティン・フリーマン主演により、夜勤巡査が直面する苦悩と激動の5日間を描いた警察ドラマ『レスポンダー 夜に堕ちた警官』が「スターチャンネルEX」で独占日本初配信される。イギリスで高い評価を受けたこのドラマの注目ポイントをまとめてみた。

イギリスメディアも絶賛の『レスポンダー 夜に堕ちた警官』とは

『レスポンダー 夜に堕ちた警官』は、『ソールズベリ 毒殺未遂事件』の製作陣が手がけた警察ドラマで、緊急対応警官=レスポンダーとして勤務する夜勤巡査が日々のストレスで崖っぷちに立たされていく様子を全6話で描いている。

イギリスでは2022年1月にBBC Oneで放送、オーストラリア奥地が舞台の犯罪サスペンス『ザ・ツーリスト 俺は誰だ?』に次いで、今年最も高い視聴者数を集めたドラマとなった。放送されるや否や、イギリスの主要メディアが揃って大絶賛。ガーディアン紙「マーティン・フリーマンはすべての賞を獲得するだろう」、インディペンド紙「警察ドラマのジャンルでは、この10年を代表する作品」、メトロ紙「フリーマンのキャリアのなかで最高の演技」、イヴニングスタンダード紙「今年最高の警察ドラマ」など褒め言葉がずらり並ぶ話題作だ。

ドラマの舞台はイングランド北部の町リヴァプール。クリス・カーソン(マーティン・フリーマン)は警察への通報に真っ先に対応する「レスポンダー」として勤務する。過酷な業務に加え、精神不安定や夫婦仲の危機など悩みを抱えるクリスは、新人警官のレイチェル(アデラヨ・アデダヨ)とパトロールのペアを組んだことでさらにストレスを感じる。そんなとき、コカインの盗難事件に巻き込まれ、更に底無し沼のような深みにはまっていく…。

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マーティン・フリーマンが新境地を開拓

『SHERLOCK/シャーロック』のジョン・ワトソン、『ホビット』シリーズのビルボ・バギンズなどで人気のマーティン・フリーマンが、これまでのイメージとは異なる役柄に挑戦する。マーティンが演じるのは、心に闇を抱える警察官クリス・カーソン。犯罪取締まりの最前線でルールに縛られずに犯罪者に対応する型破りなクリスだが、その裏では仕事と私生活のストレスでギリギリの精神状態にあり、任務中にも度々キレかける。壊れる寸前のクリスをマーティンが熱演する。

マーティン・フリーマンの完璧なリヴァプール訛り

リヴァプールの地域で話される英語は「スカウス(Scouse)」と呼ばれ、その独特のアクセント(訛り)は英語話者でも理解するのが難しいことがあるが、イングランド南部ハンプシャー出身のマーティン・フリーマンが、このスカウス訛りを完全に習得。イギリスではソーシャルメディアを中心にこの話題で盛り上がり、「マーティンのリヴァプール訛りは完璧!」と称賛された。

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働く人のメンタルヘルスを問う

本作では、現代のイギリス社会で大きな問題になっているメンタルヘルスについて取り上げている。クリスは12時間の夜勤シフトという激務、夫婦のすれ違い、病気の老母、金銭問題などの悩みを抱え、ストレスで精神不安定になり、カウンセリングにも通っているが、セラピストにも妻にも心を開くことができない。新人警官のレイチェルも理想と現実のあまりの違いに戸惑いを感じており、警官たちの過酷な勤務とメンタルヘルスの関係が浮き彫りになっている。

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『ライン・オブ・デューティ』の価値観に挑む

また、人間が抱える「善と悪」の葛藤にも焦点をあてている。クリスは「最後にいいことをしたのはいつだ?」と自身に問いかける。ドラマのキャラクターたちは“良い理由のために止むなく犯罪を行う”人々であり、本作では善と悪の中間にあるグレーゾーンが必ずしも非難されるべきではないことを示唆している。英週刊テレビ情報誌レディオタイムズは「これは警察官の不正を追求する大ヒット・シリーズ『ライン・オブ・デューティ』の対極にある。本作は新しい警察ドラマのスタイルを作り上げた」と評価した。

リヴァプールの犯罪シーン

脚本を手がけたトニー・シューマッハはこれがドラマ・デビュー作。彼は実際にリヴァプールで12年間、夜勤の“レスポンダー”をしており、自らの経験を基にこの物語を作り上げた。2021年に行われた調査によると、イングランドとウェールズ国内で人口に比較して犯罪数が高かった地域の第5位にリヴァプールがあるマージーサイドがランクインしたという。このことからも、ドラマの内容はかなり真実味があるといえる。リヴァプールといえば、ビートルズの出身地として知られるが、本作ではリヴァプールの荒んだ犯罪シーンをドキュメンタリー調に描き出している。

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イギリス格差社会の悲しい現実

シリアスな物語にコメディ要素を与えるキャラクターの存在が光っており、悲惨な状況なのにふと笑えてしまう妙なユーモアもある。ドラッグ依存症のケイシーは底辺から必死に這い上がろうとし、ちんぴらのマーコは現実を受け入れ底辺で幸せを見出そうとする。イギリスは格差社会であり、階級間の移動は難しいといわれるが、ケイシーとマーコのような英社会の下層にいる人々の厳しい現実が心に迫る。

英ベテラン俳優たちの渾身の演技

さらに、リタ・トゥシンハム(『ラストナイト・イン・ソーホー』)、デイビッド・ブラッドリー(『ゲーム・オブ・スローンズ』)、イアン・ハート(『ラスト・キングダム』)などイングランド北部出身のベテラン俳優も出演。それぞれ介護ホームにいる老母、ホームレス、麻薬売人を演じ、イギリス社会のシステムからこぼれ落ちた、見えない存在の人々にもスポットを当てている。

『レスポンダー 夜に堕ちた警官』は、わずか放送開始2ヵ月で、シーズン2の製作決定が発表されている。シーズン2は2023年に放送される予定。マーティン・フリーマン扮するクリスの運命がどうなるのか、さらに期待が高まる。

『レスポンダー 夜に堕ちた警官』は8月10日(水)より「スターチャンネルEX」にて配信開始。9月19日(祝・月)よりBS10 スターチャンネルで放送。第1話先行放送は9月10日(土)17:00より。

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(名取由恵 / Yoshie Natori)

Photo:『レスポンダー 夜に堕ちた警官』 For photography: Rekha Garton (c) 2021 Dancing Ledge Productions For key art: (c)2021 Dancing Ledge Productions, Photographer Rekha Garton. For program and EPK: (c) Dancing Ledge Productions Ltd MMXXII