昨今では、ドラマシリーズに映画の大物俳優が出演している。だがそのような状況下で、俳優の経済格差も広がる一方だと米Varietyが伝えている。
かつては、『フレンズ』や『ビッグバン★セオリー』のような長寿コメディに出演する俳優が巨額の報酬を得ていたが、1話あたり100万ドル(約1億3500万円)以上の出演料は、トップクラスのテレビタレントでは依然として魔法の数字だ。
Varietyに語った複数のTVタレントエージェントによると、トップから第二層あたりの俳優は、数年前のような法外な報酬は要求しなくなったという。「キャストの1、2番と3、4、5番との間がより深く、より急になっています。これは、ギャラの過度な飽和状態と大いに関係があると思います。1人の大スターにはお金を払えても、7人には払えないということに、多くのところが気づいているのだと思います」
ドラマ界のお金事情
今や米Netflixや米ワーナー・ブラザーズのような大企業が経費削減を目指し、ストリーミング番組への支出が無制限に見える時代は過ぎ去り、多くの企業がこの数字で給料の上限を決めようとしている。タレント担当者によると、テレビのギャラのトップレンジは主人公クラスのキーパーソンで、1話あたり75万ドルから100万ドルで横ばい、次の層は60万ドルから80万ドルの間だとのこと。
しかし、映画俳優がテレビ界に参入するなか、今でも映画スターの必要性を感じない作品もある。スタート時の『ストレンジャー・シングス 未知の世界』や『ブリジャートン家』などがそうだ。また、映画『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚となるドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』のキャストはほとんどが無名だ。米HBOの大ヒットドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフドラマ『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』も、俳優たちには破格の報酬を払ってはいないという。「破格の報酬でのスターは必要ではないのです。作品そのものがスターなのですから」と話す関係者もいる。
1話あたり100万ドル以上の額を得ている俳優は以下の通り。
■ケヴィン・コスナー(『イエローストーン』)130万ドル
■マハーシャラ・アリ(『The Pilot(原題)』130万ドル
■エリザベス・モス(『シャイニング・ガール』)110万ドル
■マイケル・キートン(『DOPESICK アメリカを蝕むオピオイド危機』)100万ドル
■ハリソン・フォード(『1923』)100万ドル
■ヘレン・ミレン(『1923』)100万ドル
■ウィル・フェレル(『となりの精神科医』)100万ドル
■ポール・ラッド(『となりの精神科医』)100万ドル
■ジェイソン・サダイキス(『テッド・ラッソ:破天荒コーチが行く』)100万ドル
■シルヴェスター・スタローン(『Tulsa King(原題)』)100万ドル
(海外ドラマNAVI)
Photo:『イエローストーン』©2019 Viacom International,Inc.