「ディアヴァルはマレフィセントへの愛に囚われている」『マレフィセント2』サム・ライリー(ディアヴァル役)直撃インタビュー

アンジェリーナ・ジョリーが主演し、『眠れる森の美女』を新しい解釈で描いて世界中で大ヒットしたディズニー映画『マレフィセント』。その5年ぶりの最新作『マレフィセント2』が10月18日(金)より全国公開となる。それに合わせて、アンジェリーナとともに来日したサム・ライリーを直撃! マレフィセントに仕え忠誠を尽くすカラス、ディアヴァルを前作に引き続いてチャーミングに演じる彼に、ディアヴァルの変化や、マレフィセントへの秘めた思いについて語ってもらった。

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――(サムが席に座った途端、眠ったフリをするのを見て)よく眠れましたか?

あんまり眠れなかったよ。ヨーロッパからロサンゼルス経由で日本へ来たので、まだ身体が慣れていないんだ。でも滞在を楽しんでいるよ。

――初来日だそうですが、日本のファンはいかがですか?

本当に温かく迎えてもらえてすごく感激しているよ。みんな、とてもフレンドリーで親切なんだ。この2作目も楽しんでほしいね。

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――前作はマレフィセントとオーロラ姫の結びつきを描いていましたが、この2作目はどんな展開になるのでしょう?

今回は、前作にも出てきたフィリップ王子がオーロラ姫にプロポーズするところから始まる。ちなみに、フィリップ王子とオーロラ姫の結婚にマレフィセントは反対するけど、ディアヴァルは祝福しているよ。フィリップ王子がオーロラ姫を愛していることを知っているしね。そして2作目には新しいキャラクターがたくさん登場するから、そこにも注目してほしいね。

――約5年ぶりにディアヴァルを演じてみていかがでした?

久々だったけど、カツラをつけて衣装を身に着けたらすぐディアヴァルに戻れたよ。まったくブランクを感じなかった。まるで昨日までこの役を演じていたみたいにね。再びディアヴァルを演じることができて嬉しいね。前作では自分にとって初の大作ということでナーバスになったこともあったんだけど、今回は楽しむことができたよ。

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――前作ではメイクアップに3時間半かかったそうですが、今回はどうでした?

3時間半かかったのは、前作でマレフィセントがディアヴァルを初めてカラスから人間へと変身させた時のメイクなんだよね。あの時は裸の身体にカラスの羽を部分的につけたりしたから大変だったんだ。今回は前作のように胸元を開けたりもしていないから、顔をメイクするだけで済んで楽だったよ。

――前作ではカラスについて知るためにエディというカラスとしばらく過ごしたそうですが、今回あらためてそうした役作りをされましたか?

前作は見直したよ。でもさっきも言った通り、現場に入ったらすぐディアヴァルに戻れたので、特に役作りの必要はなかったんだ。彼がどんな声でしゃべっていたのかも、どういう風に動いていたのかも、即座に思い出すことができたからね。

――あなたの言う、アイルランド系のカラスに即座に戻れたわけですね。

そうなんだ(笑)

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――ディアヴァルはマレフィセントに意見や忠告ができる稀有な存在です。カラスの相棒というとドイツの児童文学「小さい魔女」で主人公である魔女の相棒を務めるアブラクサスを連想しますが、今回ディアヴァルがマレフィセントにエチケットなども教えているところを見ると、ブルース・ウェインの執事アルフレッドが重なりました。この役を演じる上でモデルにした特定のキャラクターはいますか?

(インタビュアーが持参した「小さい魔女」のドイツ語版書籍を見て)この本、知ってるよ。僕自身は読んだことがないけど、妻が息子に読んであげているからね。でも、カラスが出ているなんて知らなかったな。(編集部注:サムの妻はルーマニア人女優のアレクサンドラ・マリア・ララで、彼らはドイツのベルリン在住)

――このアブラクサスは主人公である魔女の相棒で、言葉を話すことができるんです。

そうなんだね。ディアヴァルはカラスの姿のままだと口が利けない設定で良かったよ(笑) モデルにした特定のキャラクターはいないけど、ディアヴァルがアルフレッドと重なるというのはいいたとえだと思うよ。ディアヴァルもアルフレッドも、ヒーローが信頼できる存在だからね。

ディアヴァルについては脚本に細かい描写があったので、それを元に、アンジェリーナと一緒に役を掘り下げていったんだ。今回再び演じられたおかげで、ディアヴァルとマレフィセントのすごくスイートで風変わりな関係もさらに掘り下げることができて嬉しかったね。

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――あなたは1作目の時にマレフィセントとディアヴァルの関係を「長年連れ添った夫婦のようなもの」と話されていますが、1作目から2作目まで数年経つ間に彼らの関係は何かしら変化しているのでしょうか?

そう思うよ。この数年間の間でディアヴァルがどのくらいの時間、人間の姿でいたのかは分からないけどね。アンジェリーナによれば、マレフィセントは暇潰しにしょっちゅう彼をいろんな生き物に変身させているようだし(笑) でも、二人の結びつきは強くなっていて、今のディアヴァルはたとえイモムシに姿を変えられようとも、マレフィセントに対して言うべきことは言えるという自信が芽生えていると思う。1作目を通して、彼はマレフィセントが本当は優しいことを知っているからね。この2作目では、彼は人間のお作法に詳しくないマレフィセントのガイド役になってあげるんだ。

――ディアヴァルの役割について教えてください。もともとの彼の役目は翼を失ったマレフィセントの新たな翼になることですが、マレフィセントが翼を取り戻した2作目でも相変わらず周囲の情報を集めています。その一方、前作ではオーロラ姫を育てたりもしていました。ただ、彼はマレフィセントに仕えている身なのでもっと他のこと、映画では描かれていなくても、実は日常の家事なりお祝い事の準備なりをしていたりするのでしょうか?

彼はもう召使いではないよ。とはいえ、ある種の囚われた状態にある。僕が考えるに、ディアヴァルはマレフィセントに愛情を抱いているからね。彼女はそんな彼の想いに全然気づいてないけど。だってそうでもなきゃ、しょっちゅう彼の身体をいろんな生き物に変えてしまうような相手とずっといたりしないよ。もちろんオーロラ姫を見守るというのも理由の一つだけど、ディアヴァルはその気になればマレフィセントの元から飛び去って二度と戻らないこともできるんだからね。それをせずにずっとそばにいるのは、マレフィセントに愛情を抱いているからだろう。そのあたりのことは、もしかしたら3作目で描かれるかもしれないね(笑)

――ジャパンプレミアで3作目もぜひやりたいとおっしゃっていましたが、実現した場合、どんな展開になってほしいですか? 例えば、マレフィセントにディアヴァルが真実の愛のキスをする展開はいかがでしょう?

2作目の続きがあるとして、一体どんな展開になるのか僕自身はまだ見当もつかないんだ。もう一度出演できたら嬉しいけどね。ただし、ディアヴァルとマレフィセントのラブストーリーというコンセプトで全編作るのは難しいだろうな(笑) ディアヴァル本人は気に入るかもしれないけど。

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――ディアヴァルが愛するマレフィセントを演じるアンジェリーナの魅力を教えてください。

アンジェリーナは僕が出会った中で最もチャーミングな人の一人だよ。才能があるだけじゃなく、温かい人柄で、さらに疲れ知らずのハードワーカーでもある。前回に続いて今回も共演して楽しかったので、ぜひまた組みたいね。

――そんなアンジェリーナやオーロラ姫役のエル・ファニングとの再共演はいかがでしたか?

すごく良かったよ。同じ役を2回演じたのは初めてだったんだ。過去の作品での僕は死ぬ役が多かったしね(笑) だからこれまではそもそも続編を作ることができなかったし、続編が作られるほどの商業的成功を収めたのもこれが初めてだった。まあ、半分ジョークだけど(笑) 新しい役だと撮影当初はまだ自分のものにできていなくて、役に入り込むのに数日かかってしまうものだけど、すでに演じたことがあって知り尽くしている役を再び演じる場合は、そういった苦労がないからね。

だから、アンジェリーナとの共演も前回以上に楽しめたんだ。もちろん最初の時も楽しかったけど、今回はすでに信頼関係を築いた状態で一緒に仕事ができたからね。

エルの変化には驚いたな。なにせ1作目を撮影した当時は14歳の女の子だったのに、再会したら21歳の素敵な女性になっていたんだから。とはいえ、1作目と同じく、現場でしょっちゅう話してたよ。撮影現場のゴシップなんかをね(笑) 本当に楽しかったな。

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――前作公開当時、『マレフィセント』は生まれたばかりの息子さんが18歳になる前に観られる最初の自分の出演作だとおっしゃっていましたが、息子さんは本シリーズをご覧になっているのですか?

実はまだなんだ。息子は今5歳なんだけど、マレフィセントが怖いらしくてね。でも、2作目の撮影現場に連れていったら、アンジェリーナやエルとも会って楽しく過ごしていたよ。やっと、父親が毎日どこへ行って何をしているのかが分かったらしい。とはいえ、目にしたのがVFX加工される前の撮影現場だったから、帰り道で「あれでうまくいくの?」って心配してたけどね(笑)

――じゃあ、もう少ししたらご覧になれるかもしれませんね。「小さい魔女」がお好きなら、気に入ってもらえると思います。

そうだね。楽しんでくれると思うよ。アリガトウ。

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『マレフィセント2』は日米同日10月18日(金)より全国ロードショー。
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サム・ライリー
『マレフィセント2』
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