今となっては当たり前の存在となっている動画配信サービス。その最大手であるNetflixがオリジナルコンテンツの製作開始から10周年を迎えた。米Peopleが伝えている。
2月6日(日)、Netflixは初めてのオリジナルコンテンツである『リリハマー』の配信開始から10周年を迎えた。2012年にリリースされたこのコメディ犯罪ドラマでは、『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』のシルヴィオ・ダンテ役のスティーヴン・ヴァン・ザントが主人公であるヒットマンのフランク・タグリアーノを演じている。元マフィア幹部のフランクは証人保護プログラムを利用してノルウェーに移住。そこでの暮らしが描かれる。
この機に、NetflixはスティーヴンとNetflixのCEOテッド・サランドスが当時の思い出を共有する動画をYouTubeにて共有。サランドスによれば、本作は北海のそばのベルゲンのスタジオからスタートしたそう。「ノルウェーの小さな町リレハンメルを舞台に、スティーヴンをイメージしたドラマの脚本を書いた」と彼に持ち掛け、そのあとオリジナルコンテンツを探していると知ったスティーヴンが、直接サランドスに連絡してきたのだという。
「"場違いな場所に放り込まれてしまう"という定番の物語で、スティーヴン演じるマフィアの中マフィアな殺し屋フランク・タグリアーノ、そしてこの愛すべき主人公と、彼を取り巻く優しい村人たちの関係性が生み出すコメディが素晴らしかった。イタリア系マフィアというお馴染みのキャラクターが、視聴者にとってもほとんど未知の文化の中で繰り広げる物語。最初に電話をもらったときは、どんな結果になるかなんて想像もつきませんでした。『ザ・ソプラノズ』での彼の演技が大好きだったので、ほんの数分彼と話せるだけでも嬉しく感じました」と当時を振り返る。
今でこそNetflixは1シーズン全話を一挙配信することで知られているが、当初、スティーヴンはその配信スタイルに躊躇し、「1年かけて苦労して作った作品をたった一晩で見せてしまうのですか? それはちょっとおかしくないでしょうか」とサランドスに伝えたそう。しかし、サランドスが「アルバムのようなものだ」と説得したことで、スティーヴンも納得したのだという。
また、『リリハマー』という作品については、「私たちが世界と共有できる非常にローカルな物語だったので、うまくいったと思います」と述べた。
2012年1月25日にノルウェーの放送局TV NRKで放映された後、2012年2月6日からアメリカ、カナダ、そして中南米のNetflixで全8エピソードがまとめて配信。Netflixが初めて複数の国に多言語で番組を配信した記念日となる。その後、英国、アイルランド、北欧などでも順次視聴可能になった。
この『リリハマー』の成功に続くように、Netflixは『ハウス・オブ・カード 野望の階段』(Netflixのために製作されたシリーズとしては本作が第一弾となる)、『オレンジ・イズ・ニュー・ブラック』、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『ザ・クラウン』など数々のオリジナルシリーズをヒットさせてきた。米Coliderによると、2021年8月の時点で、Netflix(アメリカ)で配信されているコンテンツの40パーセントがオリジナルコンテンツだという。
今後もNetflixで生まれる作品を楽しみにしたい。(海外ドラマNAVI)
Photo:
Pixabayより