7月22日から25日まで、カリフォルニア州サンディエゴで、コミコン・インターナショナルが開催された。このイベントは、毎年夏にサンディエゴのコンベンションセンターで開催されている、今年で41回目を迎えたコミックとSFのコンベンションだ。
このコミコン、当初は「Comic Book Convention(コミックブック・コンベンション)」というその名の通り、スーパーマンなどでお馴染みのアメコミや『スタートレック』などのSFものの漫画や映画のグッズ販売やパネルディスカッション(以下パネル)、上映会などが行われていた。やがて家庭用ゲーム機器の発展により、ゲーム業界からも参加。そして近年、各映画会社が新作映画のPRの場として活用し出すと、その流れを受けTVドラマも進出するようになった。秋から始まる新シリーズ&新シーズンのパイロット版の上映会やパネル、サイン会なども行われ、ファン垂涎のPRグッズのバッグや小物などを配っている。しかも、映画・TVともに、イベントを行う作品ジャンルもバラエティーに富むようになり、SF、オタクのイメージが強いコミコンにあって、「え、そんな作品もやるの?」というようなものさえ出てきた。今年のその最たるモノがミュージカル・コメディドラマ『Glee』だった。
アメコミジャンルのファン層の拡大に合わせ、映画やTVドラマのPRの場と化したことにより、入場者数も激増したコミコン。今年は、12万5000人の人出になっていると報じられた。会場内は日曜の竹下通りか武道館コンサート後の九段下駅よろしく、歩くのもかなり大変。しかも、パネルが見たいなら、早朝から並ばなければいけない。場合によっては、前日から泊まり込みをするファンもいるほどだ 。例えば、午前中は大ホールでのパネルを見て、午後は中ホールでのパネルを見たい場合、早朝から並んで大ホールに入り、中ホールの見たいイベントが始まる2~3時間前に入場者用の列に並ばないとホール内に入れない!な状態。
基本はファンの集いなので、プレス用に特別アクセスはなく、「これ、記事に書いたら面白そう」なパネルも、2~3時間待ちとなると並ぶことができなければ完全にムリ!なのである。
そんなプレスとしての愚痴はさておき、今年もTVドラマのPRの場と化したコミコン。昨年は、『24-TWENTY FOUR-』や『LOST』で盛り上がったが、今年は、大ヒット映画&ドラマのリメイク『Nikita』のパイロット版のプレミア上映とパネル、今やアメリカNo.1人気ドラマ『True Blood』のパネル、そして、勢いを増すケーブル局Showtimeの人気4作品(『デクスター~警察官は殺人鬼』『Weeds~ママの秘密』『Californication』『Nurse Jackie』)の出演者とクリエイターが一堂に会した「アンチヒーローたちとのおしゃべり」と題したパネルなどが注目を集めた。
弁当持参で強硬時間割の取材をこなさなければいけないコミコンは、我々ジャーナリストにとっては地獄の日々だが、出演者とファンは違うようだ。ファンと直接交流でき、彼らの熱い気持ちを直に感じることができる出演者は、仕事への意欲をさらに高めるようだし、お気に入りの俳優の素顔がのぞけるファンは、作品への愛をさらに募らせる。きっと来年も、さまざまなTVドラマのイベントが行われるだろう。日本からも繰り出してみる?