IMAGICA BSにて、3月19日(月)より日本独占初放送となる『PAN AM/パンナム』は、パンアメリカン航空(略称パンナム)で働く4人のスチュワーデスたちの恋や仕事、スパイ活動(?)と、栄光の1960年代のアメリカを描くドラマ。この日本版エンディングテーマ「Up, Up And Away(feat. May J.)」を歌うゴスペラーズの皆さんとMay J.さんにインタビューしてきました!
――そもそもパンナム自体はご存知でしたか?
酒井:大相撲の「ヒョー・ショー・ジョウ!(パンナム元広報デヴィッド・ジョーンズ氏による名フレーズ)をリアルタイムで観ていたことが年代的にギリギリな感じですね(笑)。
北山:ビルの看板がなくなったニュースが、僕らの中では記憶にギリギリ残っていますね。
安岡:それまで英語の化粧まわしを見たことがなかったので、会社名が書いてあることまではわかっていなかったけれど、子どもながらに英語の化粧まわしを不思議に感じていましたよね。僕はパンナムのビルの看板はニューヨークでギリギリ見たことがあると思いますが、パンナムは僕らが子どもの頃に全盛期だった、そういうイメージの航空会社ですね。
村上:パンナムって昔からとてもモードなイメージが強かったじゃないですか。なので、有名なミュージシャンたちの中には、アイテム的に扱っている人も多かったと思いますね。
安岡:実際にニューヨークに行って、セントラル・ステーションの横から見るパンナムビルの印象が強いですね。ニューヨークに来たなって思ったし、アメリカの象徴でしたよね。
――当時の多くの人々のあこがれ的な存在で、ミュージシャンなどのセレブも愛したパンナムですが、今回、海外ドラマ『PAN AM/パンナム』をご覧になった感想はいかがですか?
北山:とにかくキラキラしている時代の物語で、それが映像に表れていますよね。いまでも街を歩いていてたまにキラキラしている人たちに遭遇しますが、ちょっと嫉妬する瞬間もあります(笑)。このドラマもパッと観た瞬間に全員がすごく楽しそうに観えたけれど、それぞれの人生がいいことだけじゃなくて、それぞれが実は深い悩みを抱えていたりする。今までキラキラしている人たちの人生は順風満帆だと思ってしまいがちでしたが、『PAN AM/パンナム』には人間ドラマがしっかりと描かれているので、感情移入できました。"それ辛いよね"って共感できる(笑)。そこがリアリティーとして落ちてきましたね。
酒井:確かにパッと観た感じでは全員の人生が充実していて、"リア充"爆発ですからね(笑)。
May J.:わたしはパンナムを全然知らなかったので、ロゴも観たことがなかったほどです(笑)。時代背景も知らないまま観始めたので、1960年代のことを描いていることも後から知りました(笑)。でもファッションや色使いがとてもレトロだったので、4人のスチュワーデスたちの制服や私服のファッションを楽しみながらドラマの世界に入っていきました。
安岡:最初女性4人が主人公と聞いて、最近ありがちのガールズトーク系の恋愛ドラマだったら苦手だなと僕は思っていましたが(笑)、スパイ映画のようなハラハラ、ドキドキの展開もあったし、時代背景もしっかりと描いていてくれたので、すごく良かったですよね。
北山:4人の人間関係がすごく面白いですよね。『SEX AND THE CITY(以下、SATC)』とは違って、ちょっと距離がある。その距離感が男としては、すごくホッとする感じというかね(笑)。
黒沢:「まず仕事だろ!」って感じがすごくいいですね。仕事に熱意があるプロな感じが(笑)。
北山:一方で、スチュワーデスというだけで写真をお願いされて、スパイ活動までさせられてしまう女の子も出てきて、着色されているところもあるとは思うけど、史実に基づいて描かれていると思う。エンターテインメント的な要素がふんだんに盛り込まれていて、惹き込まれてしまいましたね。
May J.:わたしにとってはすごく憧れの職業でもあったので、スチュワーデスの恋愛事情に驚きました(笑)。機内で起こっている出来事にも衝撃を受けました(笑)。でも出ている女性たちがすごくきれいでかわいくて、ドラマを観ていて華やかな印象が全体的に強かったです。
安岡:あと、男の骨董心をくすぐるようなアイテムもたくさん出てきて、夢中で観ていました。
酒井:男性には飛行機マニア、車マニアがいると思いますが、そういう側面も抜かりない。おしゃれな小物もたくさん出てきて、カルチャー雑誌で特集が組めるほどじゃないですか。
北山:CGとはいえボーイング707のエンジンを観ることができるのは魅力ですよね。消音管が無数に出ているカットはレトロフューチャーな感じだと思うので、実機を観たことがないマニアにとってはいいですよね。エンジンや内燃系が大好きな人にはおすすめしたいです(笑)。
安岡:特にクラシックカーやバイクがカッコいいです。全部当時の本物なので、それが最高! 街中をそれで埋めているわけで、街角の交差点のシーンはすべて当時の車なので、それは観ていて圧巻でしたね。普通だったら"触っちゃダメ!"レベルの貴重なものがバンバン走っているわけなので、どこまでも手を抜かず本物を追求しているなと思いました。
May J.:わたしはもともとクリスティーナ・リッチ(マギー役)がすごく大好きだったので感激しました。『キャスパー』("95)という映画で彼女を観て、それ以来すごく大好きな女優さんでした。久々に海外ドラマで観たような気もしたので、それもうれしかったですね。ほかの3人もきれいでかわいいので、とてもファッショナブルなドラマだと思いましたね。
――4人の女性が登場しますが、同じ女性としてはどのキャラクターに感情移入しましたか?
May J.:実はまだ、誰に自分がはまるか決めかねていて、探している途中です(笑)。『SATC』を観ていた時に"わたしはキャリーかな?"ってあてはめたくなって...女の子って決めたがり屋ですよね(笑)。でも連続ドラマなので、まだ模索中ですね。
――また、綿密な時代考証で再現された1960年代のレトロなファッションも楽しいですよね。
May J.:そう! 最近のファッションで言うと、一回り時代が回っていてブリジット・バルドーなどが普通の女性誌、ギャル雑誌でも流行っているくらいなので、すごく興味がありますね。スチュワーデスたちの制服も一色で、デザインもシンプルじゃないですか。現代は形なども凝っていますが、そういうことを一度捨てて、もう一度シンプルに戻るという意味で1960年代のファッションが流行っているのかなって。丈も長めで、新鮮ですよね。
黒沢:それと、スーツの襟が細い時代なわけですよ。ネクタイも細い(笑)。今はありますが、あのファッションは、僕らが学生時代にしたくてもできなかったファッションで、1960年代のファッションって当時は全然なかった。僕は大学生の頃からけっこう好きでしたが、当時は肩パットが凄まじかった時代だったので(笑)。男性にもカッコよく観えるファッションが登場してくると思います。女性は体のラインがバッチリ見える服が多いですよね。ファッション目線だけでも面白いので、参考にもなると思います。
酒井:そういう考証をしているスタッフがいると思います(笑)。
北山:確かプロデューサ的な立場でパンナムのスチュワーデスだった人が参加していますよね? それがすごいですよね。どういう経緯で参加したか気になるな(笑)。
安岡:ちょっと暴露ドラマみたいな感じもあるしね。
村上:まずその人のキャリアが気になるよね(笑)。
北山:4人の中にどれだけその人の経験が入っているのか(笑)
酒井:ちょっとずつ入っていると思うよ。うん、面白い!
安岡:スチュワーデスに限らず、パイロットなども制服は限りなく本物に近づけて再現しているわけじゃないですか。これほど素敵な制服を着ていた時代かと確かに思いましたね。
――さて、本作の日本版エンディングテーマ「Up, Up And Away(feat. May J.)」は、当時のパンナムのCMソングのカバーですが、本格的なコラボレーションは初めてだそうですね。
村上:作品としては初コラボですが、僕らが中心となって開催している「SOUL POWER」という音楽イベントで2回ほどご一緒したことがあるので、そういう意味では初対面ではないですが。
――オリジナル曲は1968年にグラミー賞を受賞したコーラスグループ、フィフス・ディメンションの大ヒット曲ですが、どういうコンセプトで臨まれますか?
村上:頭の中で描いているイメージとしては、フィフス・ディメンションには比較的女性が複数いたので、複数の女性がユニゾンするという、男性だけが合唱のようにユニゾンすることとは異なる独特の良さがありました。女性の声の重なりみたいなものですよね。それがフィフス・ディメンションの特徴だったので、そこであえて男性ボーカルグループのゴスペラーズがソロの女性シンガーを迎えるという、そこに意味が出るような作りにしようとは思っています。デュエットみたいな曲ではまったくないけれども、普通の意味での1対1ではなくて、1対5のデュエットになるような、そういうイメージは持っていますよね。
北山:言い方が難しいけれどゴスペラーズはハーモニーのお風呂というか、そこに男の声に囲まれながらどっぷりと浸かってもらうという言い方をよくしていますが、今まで暑苦しい感じの声に埋まったことがないと思うので、そういう感覚を楽しめればいいですよね。
村上:この曲はどこか涼しくないといけないので、涼しくしてくれる人が絶対条件です(笑)。
May J.:わたしの中ではエモーショナルに歌おうかなっていう考えもありましたけれど(笑)。
村上:「Up, Up And Away」にはいろいろなバージョンがあって、今回カバーも含めて初めていろいろなバージョンを聴いてみました。実はものすごく暑苦しいバージョン、ありましたよ(笑)。「この内容の歌詞で?」みたいな(笑)。ただ、僕らが想像しているままのMay J.では面白くないですからね。そこはお迎えするということもあるので独自性を出していく必要がある。
May J.:これだけ豪華なコーラスの中に一人だけ女性がいるということを考えた時に、普通に歌うと埋もれちゃうような気もしていて、それでエモーショナルに、と。ここは「Mayはできるぞ! やるぞ!」っていう意気込みを見せたい、気合いの表れですね。(笑)
安岡:もともとゴスペラーズは女性の中にお邪魔することはよくありますが、自分たちの中にお招きしてレコーディング・セッションをすることは初めてのことです(笑)。また、混声には独特の良さがあって混声になるだけでまったく違う音が生まれてくるものなので、僕らも今から本当に楽しみにしています。ゴスペラーズを応援してくれているファンの方にとっても初めて聴く音を届けられることになると思うので楽しみにしてほしいですね。
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■ゴスペラーズ
北山陽一、黒沢 薫、酒井雄二、村上てつや、安岡 優からなるヴォーカル・グループ。 1994年12月、キューンレコードよりシングル「Promise」でメジャーデビュー。 以降、「永遠に」「ひとり」「星屑の街」「ミモザ」など、多数のヒット曲を送り出す。 日本を代表するヴォーカル・グループとしてアジア各国でも作品がリリースされている。 最新アルバム「ハモリズム」が発売中。
●May J.
88年生まれの23歳。6か国のバックグラウンドを持ち多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。 2006年デビュー。2009年5月2ndアルバム「FAMILY」、3rdアルバム「for you」が2作連続オリコンチャートTOP10入り。現在、NHK総合テレビと世界の180以上の国と地域に放送されているNHK WORLDの音楽番組「J-MELO」のメイン司会を務める。 現在、待望のニュー・アルバム「SECRET DIARY」が発売中。
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『PAN AM/パンナム』は、IMAGICA BSにて、3月19日(月)23時から吹替版が、3月27(火)深夜0時から字幕版の放送がスタートします!