■半場友恵さん(ブリジット役)
――『ミディアム』の中でも特に個性的でユーモアあふれるキャラクターだったブリジットですが、半場さんにとってブリジットはどんな子どもでしたか?演じる上での工夫なども教えてください。
手のかかる子でしたね、本当に(笑)。ブリジットは喋り方とか特にこうしようなど決めてやっていたわけではなくて、映像の中の彼女の表情、例えば常に眉をひそめている表情と、翻訳家さんの書いてくださった台詞とを見比べて、どこで二つがリンクするのかな...というところだけを一生懸命考えてやってたんです。
まぁ(ブリジットは)ひねくれ者で素直じゃないんですが、でもその実、心の中はすごくピュアで。ただそれをすべて表現しようとすると、画面の中のブリジットとかけ離れてしまうところがあったので、そのときそのときで出てくる彼女の様子に現れているものだけをピックアップして、それ以外はあまり深くいろんなことを表現しないようにしていましたね。
――でも、その結果、あの顔からはこの声しか出てこないという感じでしたよ!
最終的にそう思ってもらえるといいなと思って、口の動きなど細かい部分に気をつけてました。英語の口の動きで日本語をしゃべるって、絶対に違うはずなんだけど、それでもなんだか日本語を喋ってる風に見えるように、近づける努力は自分なりに最大限してました。
――そういえば、『ミディアム』では、ブリジットの友達関係があまり描かれてないんですけど、たまにそれが描かれたエピソードではどういう風に演じていましたか?
ブリジットの場合、男の子の同級生が出てくると、だいたい好きになっちゃうんですよね。逆に女の子の友達はいないんだろうなっていう感覚はすごくありますね(笑)。男の子相手だと、ブリジットのさっぱりした性格とか、割と男子に近い感覚があるので、特に気にせずにやっていました。女の子の友達が出てきたら、どんな対応をするんでしょうね、すごく気になります...結局ないまま終わってしまいましたけど(笑)。
■松久保いほさん(マリー役)
――幼児という大変な役を演じられました松久保さん。前半のシーズンで幼児語が多かったんですが、そういう赤ちゃんらしい言葉や発声で苦労したことを教えてください。
全部大変だったんですけど、幼児語でこれをやったら面白いかなと思ったことが一つあったんです。小さい子どもってちゃんとした言葉がきちんと話せないときがありますよね。たとえば"桜島"を"サクジラマ"って言っちゃうことがあるじゃないですか。シーズン5で、わざとこの単語を逆に言ってみましょうよみたいな話になって、1回言ってみたことがあったんです。そういうちょっと遊んでみたりしたこともありました。
あと、最終シーズンになるにつれマリーの自我が出てきて、お姉ちゃんについて歩くようになってきたので、お姉ちゃんの言った言葉をそのまま同じ調子で言ってみたり、お姉ちゃんの言い方をそっくりそのままモノマネしたりしてました。なるべく年上のお姉ちゃんについていくという感じで。苦労というか、これは自分の中で楽しみながら演じてましたね。
――マリーが(男女がホテルで...という)変な夢を見たとき、マリーが理解できていないときの表現は苦労しなかったのでしょうか?
その前までのシーンでは家族でバタバタしていて、突然そういうマリーの様子を見ると、向こうの役者さんも同じなんですが、一瞬でシリアスになりますよね。マリーも家族に自分の体験したことを、信じてもらうために必死に伝えようと顔つきが変わるので、こっちも一瞬で変わりますね。
――あのシーンは面白かったです。
私もこれはギャグにしていいのか、シリアスにした方がいいのか考えたんですけど、これはギャグにしたら物語的にコメディになっちゃうと思って。シリアスにやりました。
――シーズン後半で(マリーが)主役の回も増えましたが、特に印象に残ってるエピソードをお聞かせください。
基本的には事件のシーンと家族のシーンは、話が別々に進行していくんですが、たまに家族が事件に巻き込まれることがあって。そうなると演じている私自身もドキドキしていました。いくらアリソンの娘でも、マリーはまだ幼いんだし、今後の人生でトラウマになったりしないんだろうかって。勝手に心配したりしてましたね。シーズン6で、まさにそういうエピソードがありました。普段はふんわりかわいらしい雰囲気のマリーですが、その時の彼女は寡黙で冷静。あの小さなマリーが自分なりに理解して行動する姿をみて、さすがアリソンの娘だなと思いました。私自身マリーのことが今まで以上さらにいとおしく思えたエピソードです。
======
『ミディアム7 最終章』
2012年4月9日(月)23:00よりWOWOWプライムで放送スタート!
(c)CBS Broadcasting Inc.