ヒッチコック映画『断崖』でアカデミー賞に輝いた往年の大女優ジョーン・フォンテインが、12月15日にカリフォルニア州カーメルの自宅で老衰のためこの世を去ったことがわかった。享年96才だった。
ジョーンはイギリス人の両親の元に東京で生まれ、カリフォルニアに移住するも、高校時代は日本に戻り聖心女学院で学ぶなど、日本にも縁の深い女優。その後ロサンゼルスに移ったジョーンは姉のオリヴィア・デ・ハヴィランドとともに女優を目指すことになった。
姉と混同されるのを嫌い、母親の再婚相手の姓、フォンテインを名乗っていたが、映画『風とともに去りぬ』のメラニー役をオリヴィアに取られるなど、悔しい思いをしたことも。その悔しさをバネに、アルフレッド・ヒッチコック監督の映画『レベッカ』でヒロイン役を獲得し、続く『断崖』ではアカデミー賞主演女優賞に輝き、スターの座に登りつめた。ちなみに、ヒッチコック映画では、このジョーンの主演女優賞が唯一のオスカー受賞となっている。
姉オリヴィアとの確執は生涯消えることがなく、また私生活では4回も離婚を繰り返すなど、清楚な美貌とはうらはらに波乱万丈な人生を送ったジョーン。しかし、1966年の映画『影なき裁き』を最後に銀幕の世界から引退、複数のTVドラマに出演した後は、穏やかな晩年を過ごしたようだ。ジョーンのご冥福をお祈りしたい。(海外ドラマNAVI)
Photo:ジョーン・フォンテイン 映画『レベッカ』より
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