アメリカのテレビドラマを再び私たちの日常に入り込ませ、さらには「続きが気になって仕方がない!明日会社休んででも観るぞコレ」という中毒症状までうえ付け、"エンターテイメント"という言葉のなんたるかを知らしめてきた大ヒットシリーズ『24』。
「海外ドラマといえば=『24』」と思い浮かべる方も多いのではないだろうか。
私が『24』のシーズン1に出会ったのは、深夜のテレビ放送だった。BGM的につけっぱなしにしていたテレビ。仕上げなければいけない仕事があるにも関わらず、いつのまにか目線は画面まっしぐら。気が付けば瞬く間にエピソードは終わり、「続きが気になってしょうがない! 全くどうしてくれるんだ!」という状態に...。
さっそく、翌日会社で同僚たちに問う。「誰か『24』観ている人います?」
「まだ観たことない」「オレ観てる!」「私も!」「え、なに、今まで観てなかったの?」
各々に差はあれど、どうやらみんな気になっているらしい。そして面白いらしい。
その次の週末、私たちは会社の50インチテレビで『24』視聴会を開催。「いっそ買っちまおうぜ!」といって当時の私のボスはシーズン1、2のDVDパッケージを丸っと大人買い。私たちは喜んだ!金曜日の残業後、そのまま会社で観始めるという凄まじい状態だ。今思えば若いって本当に何でもできるな。もうそれしか表現が見つからない...。
ジャックとともに24時間戦い続け、みんな真っ赤な目で衝撃のラストを見守る。誰一人として寝落ちすることなく、24話をノンストップで視聴。あれほどに続きが気になって気になって、DVDの入れ替え作業さえもどかしかったドラマがこれまでにあっただろうか。-否。この後もそんなドラマにはもう二度と出会えないかもしれない。
あれから十数年、隣の席のMが、「あ!PlayStation Videoでも観られるんですか?12話ですか?俺向きっす。」と言って、すいすいPC上で視聴する時代に。
もちろん私も最新シーズン『24リブ・アナザー・デイ』を視聴しないなんてことはあり得ない。さっそく観進めていく。するとあっという間に、あの頃の思い出と共にグイグイと画面に引き込まれていく。
「そう!そうだった!これこそが『24』だなあ」という最初からの刺激。ジャックをはじめて相手にするキャラクターたちは、ジャックを危険視し、止めようと躍起になる。だがそんなものが通用するわけも無く、ジャックは全てを振り切って自分の信念で作戦を遂行していく。そして、小山さんがインタビューでもおっしゃっていたが、今回のジャックは、明らかに自ら能動的に動いている!(小山さんインタビューはこちらからご覧ください) 今までよりも余裕があるのだ。だが決して悪に対して寛容になったわけではない。妥協もしなければ諦めることもしない。しぶとくしつこく、ひたすらに突き進むのだ。年季が入っている分、もうそんじょそこらの若造には止められない。
...そして、やはり今回もどんどん続きが気になって、結局眠れなくなる。
「Previously on 24...」これがすべての眠気を吹き飛ばすのだ。
だがそうこうしているうちに、あっという間に12話が終わってしまう...。なぜなら、まだ12話なのだ。
「えーーーッ!もう終わりですかッッ」
"もっとみせてくれよ、と思いつつも、いや、年をとった私にはこの位のほうがいいのか?"と、何やら複雑な心境に陥る。率直な感想を言えば、まさにこういうことなのだが、とにかく続きが出ることを祈るしかない。
今回もうひとつ、私が楽しかったこと、それは、海ドラスターたちの演技を存分に楽しめた!ということだ。CIAロンドン支部長役のベンジャミン・ブラッド(『LAW & ORDER』)、同じくCIAロンドン支局の敏腕捜査官ケイトを演じたイヴォンヌ・ストラホスキー(『CHUCK/チャック』)、そしておっかない母上でありテロリストを迫力満点に演じたミシェル・フェアリー(『ゲーム・オブ・スローンズ』)、彼らの活躍が素晴らしい。クロエの彼氏でハッカー集団のボス役のマイケル・ウィンコットや、英国首相役のスティーブン・フライについても出てくるたびに拍手したくなる。
まだ最新作『24 リブ・アナザー・デイ』をご覧になっていない方は、この週末でぜひ観賞してほしい。そしてこの先も、一緒にジャックを応援し続けよう。
Photo:『24』シーズン1、『24リブ・アナザー・デイ』
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