『ゲーム・オブ・スローンズ』をはじめ、数々の傑作ドラマを世に送り出している米HBO。同局の番組編成責任者を8年間務めてきたマイケル・ロンバルドが、退任することになった。
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1983年にHBOに入社して以来、33年間にわたりHBOの成長に貢献してきたロンバルド。2007年に番組編成責任者に着任してからは、『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』が完結した後のドラマ作りを率いてきた。米Varietyなどが報じたところによると、退任は本人の希望で、今後はプロデュース業を行う意向だという。
ロンバルドのもとでこれまで作り出されたドラマ/コメディは、『ゲーム・オブ・スローンズ』のほか、『トゥルーブラッド』『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』『ニュースルーム』『GIRLS/ガールズ』『TRUE DETECTIVE』『シリコンバレー』などで、エミー賞受賞作品も多い。製作陣に対する厚いサポートと信頼のおける作品選びで定評のあったロンバルドは、傑作ドラマがHBOで生まれる土壌を固めたキーマンだったと言える。
しかし最近では、製作総指揮としてトム・ハンクス、ブラッド・ピット、エドワード・ノートンがチームを組んだミニシリーズ『Lewis & Clark(原題)』や、ジョナサン・ノーラン製作総指揮のSFドラマ『Westworld(原題)』の制作が難航していることや、『LEFTOVERS/残された世界』の視聴率不振、『TRUE DETECTIVE』シーズン2の評価が芳しくないことなど、同局は問題に直面しているとVarietyは指摘している。
『ゲーム・オブ・スローンズ』が残り2シーズンで完結すると言われている中、今後ヒットを放ちそうな作品はまだ見えてこない。そして、Netflixなど動画配信サービスの台頭により、オリジナル番組の制作競争はいっそう激しくなっている。以前にお伝えしたように、米モーガン・スタンレーの調査では、有料ケーブル局/動画配信サービスの中で、ベストのオリジナル番組を見られるのはNetflixという回答が首位を占め、HBOは6年間にわたり君臨してきたオリジナル・ドラマの王者の座を奪われてしまった。
そんな中、新たな試練を迎えるHBO。ロンバルドの後任として、2004年から同局で働き始め、今年1月までコメディ部門のチーフを務めたケイシー・ブロイスが任命されている。(海外ドラマNAVI)
Photo:『ゲーム・オブ・スローンズ 第六章:冬の狂風』
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