『ZOO-暴走地区-』動物が人間に逆襲!? 全米視聴率ナンバーワンの噂のドラマ上陸!

TVドラマが映画のレベルに追い付け追い越せの昨今、またもや"大作"ドラマがお目見えした。 人気作家ジェームズ・パターソンの同名ベストセラー小説を原作としたスリラー『ZOO-暴走地区-』がそれである。

初回エピソードの監督が映画『マシニスト』などの作品で知られたブラッド・アンダーソン。 オープニングテーマを、映画『ハロウィン』などの監督としてだけでなくサントラを手がけることでも有名な巨匠ジョン・カーペンターが手掛けたりと、話題盛り沢山の大型スリラーだ。

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本シリーズは、アメリカですでに第2シーズンが終了しており、来夏には第3シーズン開始が決定している。視聴率低迷だと容赦無く切られてしまう米国TV業界でこのように早いペースで新シーズンのGoサインが出るというのは番組の人気がかなり確固たるものであることを反映している。

ストーリーをご存知ない方のためにザッとご紹介すると、「ある日突然、人間と動物の立場が逆転して世界中の動物がいきなり人間を襲い始めたら...」という設定だ。

ロサンゼルスで動物園の飼育係を喰い殺したあと、園を脱走したライオンが路地で酔っ払い二人を喰い殺すという事件が起こる。かたやアフリカのサファリパークでは、旅行客たちがパーク内でライオンに襲われて殺されるという事件が勃発していた。記者のジェイミーは事件の連鎖性に目を付けてリサーチを始めると、動物園にエサを配給している大企業レイデン社の存在にたどり着く。動物病理学者ミッチの意見を聞きに行くが、少々偏屈なミッチは事件のことを「偶然のミステリーだ」と決めつけ取り合ってくれない。

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一方、アフリカのサファリでは、ツアー業を営むジャクソンとエイブラハムが連絡の途絶えた仲間を訪ねてキャンプ地へ向かっていた。だがそこで彼らを待っていたのは、仲間とツアー客を襲った凶暴なライオンの一団だった。自分の命も顧みず仲間を助けに行ったエイブラハムと離れ離れになってしまったジャクソンは、唯一生き残っていたツーリストのクロエと命がけの脱出を試みる。

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やがて世界中で飼い慣らされていたはずの動物たちが人間に牙を向き始める。いったい何が動物たちを駆り立てているのか? これは人間の仕組んだ陰謀か、それとも自然の摂理を乱した人間への罰なのか? 弱肉強食、人類の生き残りをかけた攻防戦が始まる。

ネタバレ防止のためあらすじはここまでにしておくが、ドラマが進行するに従って凶暴化する動物は、サファリのライオンなど野獣に限らず、オオカミ、猿、そしてクマやらカラスやらコウモリ、そしてまさかの飼い猫にイヌたち(え〜〜!?)、そしてどこにでも居そうなネズミ(これは書いてるだけでも身の毛がよだつ!)だったりするわけで、見ている側もTVドラマとはいえ、他人事とは思えなくなってくるから面白い。

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ちなみにこの筆者の住んでいるロサンゼルスの郊外には、たくさんの小動物が住んでいる。街路樹にはリスが、近くの野原には無数の野ウサギや土リス、コヨーテやハゲワシも見たことがある。たまに木の上から結構ガタイの良いリスが何やらキーキー言いながらこちらを見下ろしていることがあるのだが、そのとき漠然と「アイツが突然頭に飛びかかって来たらどうしよう」と思うことがある。もしこういった動物たちが、昔の住処を人間たちに盗られた腹いせに一揆を起こして襲いかかって来たらどうなるか。まぁ恐らくあの数で陸空両方から攻められたら我々人間などひとたまりもないだろう。

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とりあえず実際には『ZOO』のようなことは起こりえないにせよ、野生動物を私欲のために殺したり捕獲したりしている人間どもに対して、自然界は種の絶滅や自然調和の乱れという、スローだが確実な方法で人類に対してのリベンジを進めている。

このドラマは破天荒なアイデアではあるが、利益優先主義で自然をないがしろにし、動物たちを絶滅に追い込むような行いをして平気でいる人類への警鐘ともいえる。『ZOO-暴走地区-』は、見ている者をノンストップでハラハラドキドキ楽しませながらも、問題提示して考えさせてくれる器用な娯楽作品なのだ。

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■『ZOO-暴走地区-』シーズン1 商品情報
11月9日(水)DVDレンタル開始・DVD-BOX発売
DVD-BOX 9,300円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
公式サイト:http://paramount.nbcuni.co.jp/zoo/

(文・取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)

Photo:『ZOO-暴走地区-』
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