全米CBSネットワークにて2016年にスタートすると、たちまち大ヒットした『BULL/ ブル 心を操る天才』のDVDが6月20日(水)にいよいよリリースされる。主演のマイケル・ウェザリー(『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』『ダーク・エンジェル』)が演じるのは、実在の人物をモデルとした心理学者ジェイソン・ブル。そのブルが創設したTAC(トライアル・アナリシス社)に集まるスペシャリストたちが、心理学と最新テクノロジーを駆使して、裁判だけでなく、事件そのものを解決していく新感覚の新作ドラマだ。
吹替を担当するジェイソン・ブル役の東地宏樹さん、元検察官の弁護士であるベニー・コロン役の古谷徹さん、ブルの右腕的存在のマリッサ・モーガン役の竹内順子さんに、本作の見どころや演じるキャラクターの魅力を語ってもらった。そのインタビューを2回に分けてお伝えしよう。
【関連記事】このインタビューの前編はこちら!
――ブルの右腕的存在であるマリッサはどんなキャラクターでしょう?
竹内:まず見た目が綺麗ですよね。スタイルがいいし、それにとても知的ですね。あまりにも自分とかけ離れていたので、最初に演じる際は、どうしようとずっと思っていたんですよ。知的で綺麗なお姉さんということにギャップを感じて。でも、いろいろな方から「そんなことないぞ!」とおっしゃっていただいて、「似合っているよ!」と励まされていました(笑)
東地:そうでしたね(笑)
古谷:ピッタリだよ。
東地:同感です。
竹内:とにかくマリッサの声を演じる際、「硬くならずに、サークルで楽しむような気持ちでやってくれた方が、そのまま気持ちが入りやすいので、お願いします」と指摘されていたんですよ。だとすると、頭をキリキリ回すよりも、それすらも余裕を持って、周りが見られる状況を楽しみつつ、真剣に楽しむということをする人なのかと思ったんですよね。マリッサは、ブルとは違う意味合いでお茶目なところがたくさんある方なんだろうなと、日に日に思い直すようになりました。
――キャラクター同士の関係で気になるところはありますか?
東地:ブルとベニーの関係性は細かく描かれていますね。ブルは元義理の兄だけど、ベニーのことを大切に思っているところがちゃんと描かれています。それに対してベニーも思いがあるというのが分かりますし、血はつながっていないのに良い兄弟だなというのは感じます。時々は揉めたりするんですけどね。でも、最後は打ち解けていくところが描かれていて良い関係だなと思います。
古谷:ブルもチーム全体も家族的ではあるんだけど、その中でも特にベニーにとってブルというのは、かつて本当の家族だったということもあるので、かなりプライベートな部分までお互いに知っていますよね。濃い付き合いがあったので、他のメンバーよりもブルは、ベニーからすると甘えられたりとか、何でも話せたりする存在という風には意識しています。
――ブルの元妻で、ベニーの姉であるイザベラが登場するエピソードでは特にそういう二人の関係性が描かれていますね。
古谷:ベニーとお姉さんの関係が実は良くなかったのというのは驚きましたけど(笑) ブルに間に入ってもらって和解できたし、そういうのはすごく家族的だなと思いました。
【関連記事】『メンタリスト』×『アイアンマン』=裁判のスペシャリスト!新感覚リーガルドラマ『BULL』
――ブルとマリッサの関係についてはどうでしょう?
東地:ブルはマリッサに対して、最初のエピソードではやたらと気を使っているんですよね。何かを決める時にいろいろとお伺いを立てたりして。それだけ気を使うというのは重要な存在で、一緒にいてもらわないと困るということを感じたんでしょうね。ブルが法廷からTACの本部にいるマリッサに通信で相談して、「どうだい?」というやり取りがなければ仕事が円滑に進まないですからね。あんまりマリッサの機嫌を損ねて辞められても困るから(笑) 「最高だよ」みたいなことをマリッサによく言っていた気がします。
竹内:それは心外です(笑) マリッサ的にはかなりスタートからブルのことを信頼してメンバーに入っていたと思うので、その「どうだい?」というのが信頼の証かと思ったのに、探っていたんですね。
東地:探りですね(笑)
竹内:男性はいつもそうなんですよ(笑)
――ブルとマリッサの関係は男女のそれとも言えないような、ちょっと特殊な形ですよね。二人はどういう関係になっていくのでしょう?
古谷:ブルとマリッサの関係は微妙ですよね。
竹内:エピソードが進むほど、私はブルのお母さんみたいな気持ちになってきました。
東地:確かに(笑) そんな感じになっていますね。
竹内:ブルがいろんな女性にアプローチするので、それに対してマリッサは「お母さんは、ここで待ってるね」みたいな感じになっている気がするんですよ(笑)
――吹替をされていて感じる本作の面白さはありますか?
東地:もともとセリフ量が多いので、最初は台本がかなり詰め込まれていたんです。でも、ドラマの中でやっていることが少し特殊なので、その後は見ている人に分かりやすいようにディレクターの方と翻訳の方がちょっと文言を減らすなど工夫されていますね。最初は声の尺を合わせるのが少し難しかったんですけど、今は慣れてきました。実際、吹替版を見ると分かりやすいと感じますね。特殊なことをしている人たちなので、その人たちの言葉を日本語で聞く場合も分かりやすい方がいいんでしょうね。
――どのように台本が変化しているのでしょう?
東地:まず収録前に本の直しがあるんですけど、ガラッと変えるわけではないんです。声で聞いた時の伝わりやすさとか、分かりやすさを考慮しています。話が謎解きになっているので、それをできるだけ途中で飽きさせないように、ちょっと引っかかるようにするというのは、重要だと思うんですよ。そこはディレクターの方と翻訳の方がすごくいろいろと考えてくださっているんです。その考えを吹き替える際にうまく表現できればなと、台本を読みながら思っていますね。
――原音のチームワークの良さを日本語版でも感じますが、吹替陣のチームワークや現場の雰囲気はどうですか?
古谷:それはもう、主役の東地さんがみんなに気を使ってくれていますから(笑)
東地:いえいえ、そんなことはありませんよ(笑) それこそ、古谷さんと吹替でご一緒できるなんて夢にも思っていませんでしたから。古谷さんは本当に気さくな方で、本当に貴重な体験をさせてもらっています。
古谷:とんでもありません(笑)
東地:大御所ですから。
古谷:全くの小物ですよ(笑)
竹内:(笑)
東地:でも、ゲストでいらっしゃる声優の方も楽しんで帰ってもらっているので、そういうところは心掛けていますね。
古谷:演出の岩見純一さんも、この難しいテーマやエピソード、用語などを分かりやすいように調べてきて、毎回解説してくださるんですよね。どんなことを質問しても答えてくれる。そういうこともあって、現場の雰囲気を良くしてくださっていますね。
東地:よく調べてくださっていて、本当に信頼させていただいています。
竹内:私は何回か一緒に吹替ができず、一人で収録しなければいけなかったんです。その時は先にみなさんが吹き替えたものに自分だけ後から収録しまして、少し寂しさを感じることもありました(笑)
東地・古谷:(笑)
竹内:みなさんが収録した声を聞いて、「うわ! もうみんな仲間だ」と感じましたね(笑)
――そのチーム感が登場人物の会話にテンポやリズムを生んで、作品にスピーディな展開をもたらしていますね。
東地:そういうファミリー感を出すのも、吹き替えていて楽しいですね。でも声の長さを合わせたりするのが結構大変なので、失敗したくないという緊張感が本番ではあります(笑) ただ、それをうまくつなげていって、録り直しをしたくない、みんなと一緒に会話をしていきたいという良い緊張感もあるんですよ。吹き替えていて、それがうまくいけば楽しいという感じは毎回ありますね。基本的に、みなさん収録時にミスが少ないですね。
竹内:東地さんと古谷さんの間に入るとすごく話しやすいんですよね。お二人とも会話をしているだけなんでしょうけど。マイクの前に立つと、緊張で、それまでできていたことができなくなることがよくあるんですが、お二人が入ると一気に話しやすくなるんです。緊張して失敗したらどうしようということすら考えなくなるんです。だから、そういう人間に私もなりたいと思いました。
東地・古谷:なってるじゃん(笑)
竹内:いや、本当に違いますよ。私はそれで引っ張ってもらっているのを強く感じています。
――最後に、DVDで見られる方々へメッセージをお願いします。
竹内:私は女性目線ということで、マリッサ、ダニー、ケイブルというチームの女性3人の考え方の違いや衣装などに注目してほしいです。この作品の中では毛色が違うところですが、3人が話しているシーンはちょっと女子会みたいな、ホッとする素敵な場面になっています。そんなところも楽しんでいただけたらと思います。
古谷:まずは日本語版を見てもらいたいですね(笑)
東地:そこは強く言っておきたいです(笑)
古谷:DVDなら日本語版と字幕版の両方が見られるじゃないですか。それで、日本語版を楽しんだ後に、字幕版で原音を楽しんでもらうのがお薦めです。結構、用語とかも難しいですし、アメリカのドラマならではの引用やジョークもあるので、そういうのを調べながら見るとまた楽しめると思います。DVDなら何度も見ることができるので、作品の隅々まで楽しめるんじゃないでしょうか。
東地:数話にわたって続いている設定や話もあるんですけど、基本的には一話完結でどのエピソードから見ても楽しめる作品になっています。DVDなら見返すことができるのも良さの一つですね。「この関係ってどうだったかな?」というのを、過去のエピソードを振り返って、またその先に進んでいただけると、さらに楽しめる作品になっています。たくさんの人に見ていただけたらと思います。
『BULL/ブル 心を操る天才』は6月20日(水)よりDVDリリース!
公式サイトはこちら
Photo:『BULL/ブル 心を操る天才』
(c) 2018 CBS Studios Inc. BULL is a trademark of CBS Studios Inc. CBS and related logos are trademarks of CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved.