『救命病棟24時』『医龍-Team Medical Dragon-』『海猿』『コード・ブルー』など、日本で圧倒的な人気を誇るドラマジャンルといえば、ズバリ「救命モノ」。極限状態に置かれた命の駆け引きや、迫りくる恐怖に立ち向かうさまが観る者を虜にするそんなドラマが、予算もスケールも圧倒的な海外ドラマだとしたら...? この秋、立て続けにリリースされる極上の救命海外ドラマ2本を紹介したい。
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1本目は、ライアン・マーフィー(『Glee/グリー』『アメリカン・クライム・ストーリー』)が贈る『9-1-1 LA救命最前線』。緊急通報ダイヤルのオペレーターが受ける電話を軸に、司令塔の連絡を頼りに最前線で奮闘する消防士や警察官のリアルを新しい視点で描くレスキュードラマだ。墜落事故や遊園地アトラクションの不具合による大事故など、予想外の展開と圧倒的なスケールで一瞬たりとも目が離せない。
2本目は、最先端医療を誇るセレブ病院を舞台にした『レジデント 型破りな天才研修医』。カネと欲にまみれ、医療ミスの隠蔽を繰り返す病院側の権力に真っ向から立ち向かう研修医たちの活躍を描く。製作総指揮は、『シカゴホープ』『グレイズ・アナトミー』といった人気医療ドラマを手掛けてきたロブ・コーンが担う。
なぜ「救命モノ」は鉄板コンテンツなのか? 両作に共通する見どころを紹介しつつ、その面白さに隠された黄金パターンを紐解いていこう。
面白い救命ドラマの鉄板設定は、シビアな「理想と現実」が描かれること。まるでヒーローのように命を助けたり、あと一歩のところで助けられなかった命を描くことで、物語に大きな緩急を生む。『9-1-1』では現場に駆けつける消防士がまさにヒーローとして描かれる。アメリカだと消防士は子どもの将来の夢ランキングで常に上位に入るほど憧れの職業だが、同作ではかつて助けられなかった人々を思い、苦悩する隊員の姿を真正面からとらえている。『レジデント』でも助けられなかった命に悩むのは日常茶飯事。さらに医療をビジネスとしてとらえ、命とカネを天秤にかける汚職にまみれた病院内でのジレンマにも苦しむこととなる。「理想と現実」に苦しむのはドラマの中だけではない。上記2作品は、我々が生きていく上で目を背けてはいけない大切な何かを教えてくれるからこそ、観る者を惹きつけるのだろう。
2つ目の黄金パターンは、主人公の目線と、それと対になるキャラクターの存在。『9-1-1』の主人公で新人消防士のバックは、常に自信にあふれており、甘いルックスを生かして女性たちを口説く。そこに登場するのがベテラン隊長のボビー。彼は新人のバックに、仕事の持つ厳しさと使命感を、父親のような優しさで教えるキーマンだ。対して『レジデント』で主人公コンラッドの前に立ちはだかるのは、彼とは全く逆の考えの持ち主で医療ミスの隠蔽を繰り返す金の亡者、外科部長のベル。こちらは新人ならではの意見と、ベテランならではの意見を真っ向からぶつけた対比構造が見どころだ。新人を導くベテラン、新人と対立するベテラン。構図は違えど、どちらも主人公の若い情熱を引き立たせる欠かせない存在だ。
そして、命の最前線で身を削るヒーローたちも共感する部分を兼ね備えていることも黄金パターンの一つ。家に帰った彼らを待つのは家庭の緊急事態。『9-1-1』は、恋人とのいざこざ、離婚、親の介護など、人間味あふれる私生活の問題をリアルに描写している。『レジデント』では、毎日繰り返される命の駆け引きに疲れ、何もかも投げ出してしまう医師の姿が描かれる。登場人物の人間性を深堀りし、「憧れる姿」と「共感できる姿」両方を描くことで、より感情移入しやすいキャラクターに仕上がっているのだ。
黄金パターンに則ったドラマに立て続けに出会えることは、めったにない。秋の夜長、命の最前線でもがきながらもたくましく生きるヒーロー&ヒロインの姿に酔いしれてみては?
■商品情報
・『9-1-1 LA救命最前線』
...11月2日(金)DVDリリース、10月3日(水)よりデジタル先行配信中
・『レジデント 型破りな天才研修医』
...11月16日(金)DVDリリース、11月2日(金)よりデジタル先行配信
(海外ドラマNAVI)
Photo:
『9-1-1 LA救命最前線』
©2018 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.
『レジデント 型破りな天才研修医』
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