画面を通して擬似体験できるのはドラマを見る楽しみのひとつ。今回おすすめするのは『ブラックリスト』。サスペンスでありアクションもある本作は、シーズンを増すごとに複雑さを増していき、その世界観に引き込まれると抜け出すのが難しいドラマだ。
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『ブラックリスト』とは
"ブラックリスト"と聞くと、あまりいいイメージを思い浮かべることはないだろう。主に借金やローンなど、お金にまつわる事故情報や延滞情報で名を加えられるそのリストは、一般的には目にしたり、ましてや手に取ることもない。
本作に登場する"ブラックリスト"も個人情報が載せられているという点では認識は一致しているが、異なるのはそれが「FBIもCIAもその存在すら知らない凶悪犯罪者リスト」であるということ。このリストを作った人物はレイモンド・レディントン、通称レッド。FBIが指定する重要な指名手配犯の一人であった彼が、リストを持ち出頭してきたことで物語が始まる。
レッドはリストにある凶悪犯罪者たちに関する情報を提供し、彼らの逮捕に協力すると申し出るが、その条件として新人捜査官エリザベス・"リズ"・キーン(メーガン・ブーン)が担当することを指定する。そして、この"ブラックリスト"を元に、物語が展開してゆく。
犯罪者と関わり事件を解決するという展開は映画『羊たちの沈黙』を彷彿とさせ、レッドとリズの関係をレクター博士とクラリスの関係に重ねて見る方もいるだろう。犯罪者であるレッド自身も事件に積極的に関わり、さらにアクションの要素も多く盛り込まれている。さらに事件だけではなく、リズやレッド、リズの夫であるトム(ライアン・エッゴールド)に関する謎を解き明かして行く展開からも目が離せない。
見どころ1:ジェームズ・スペイダー演じるレッドの魅力
映画『セックスと嘘とビデオテープ』や『ボストン・リーガル』などで知られるジェームズが演じるレッドは、ためらいもなく殺人を行うなど、非道面な部分こそ魅力的な人物。一見犯罪者とは思えない紳士的な出で立ちや話し方などがミステリアスさを生み、ストーリーにより深みを与えている。
キャスティング段階では別の俳優を起用するといった話もあったが、ジェームズ以上のレッドはいないと言えるほど、キャラクターにマッチ。また、犯罪コンシェルジュと呼ばれる彼が身につける洋服や小物などにも注目。どれも一流のメゾンが仕立てたものであり、彼という人物を知る上では欠かせない。
見どころ2:世界を舞台に繰り広げられる展開
ブラックリストは世界各国の犯罪者が登場するため、舞台も世界中に広がっている。映画のようなスケール感に圧倒するだろう。1話完結形であるため、サスペンスが初めての方でも観やすいドラマと言えるだろう。エピソードタイトルが人名であるというのも、本作の特徴だ。
見どころ3:キャラクターそれぞれの関係性が深く面白い
そして本作の一番の見どころは、登場人物同士の複雑な関係性といえるだろう。レッドとリズ、レッドに忠誠を誓うデンベ(ヒシャム・タウフィーク)にトムとの意外な関わりまで、複雑に絡み合いながら、物語が進行するにつれて関係性も変わっていく。それぞれの心情描写も細やかで、どのキャラクターも愛さずにはいられない。
本国アメリカでは、2019年1月にシーズン6が放送開始予定。日本での放送スケジュールは未定であるが、それまでに未見の方は視聴を、すでに観た方もおさらいをしておくと新シーズンをより楽しめるであろう。そして、視聴したら記録を付けよう。『ブラックリスト』のデータベースはこちら
(海外ドラマNAVI)
Photo:『ブラックリスト』
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