大切な人を失った悲しみを癒すグリーフセラピーで知り合った性格がまったく異なる二人の中年女性。意外にも、お互いの心の穴を埋めるように友情を育んでいく。しかし、秘密が次々と明らかになって...。Netflixオリジナル作品『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』は、展開が気になって次のエピソード、そのまた次、と見進めてしまうダークユーモア溢れるドラマだ。クリスティナ・アップルゲイトとリンダ・カーデリーニの美人女優二人から目が離せない。
神経質な未亡人と秘密を抱えた自由人
ジョギング中の夫がひき逃げに遭い、心に深い傷を負った未亡人ジェン(クリスティナ・アップルゲイト)。高級不動産を扱うバリバリのキャリアウーマンの彼女は、夫を失った悲しみとひき逃げ犯への強い憤りを、他人に対してシニカルで神経質な対応をすることでごまかそうとしている。
そんなジェンは、セラピーグループで婚約者を失くしたという自由人ジュディ(リンダ・カーデリーニ)と出会う。セラピーに来たものの心を開けずにいるジェンだが、ジュディは人懐っこく彼女に話しかけ、自分の電話番号を渡す。変な人と思いながらも次第にジュディとの距離を縮めるジェン。ところがある日、死んだはずの彼女の婚約者はピンピンしていることがわかる。確かに死んではいないけれど、失った存在があることに変わりはないと事情を説明し、嘘をついていたことを謝るジュディ。しかし、彼女にはもっと驚くべき秘密があった...。
女優二人の魅力が画面から伝わるドラマ
正反対の性格の二人に友情が生まれ、それぞれに、予想を裏切る背景がある...という展開はドラマではよくみられるが、『デッド・トゥ・ミー』の一番の魅力はプロットではないと米Los Angeles Times紙を始めとするいくつかのメディアが述べている。このシリーズを支えているのは、ずばり、メインキャラクター二人の女優と、二人を取り巻くキャストの魅力だと表する。
「映画やテレビ番組で視聴者の興味をひくのはストーリーではなく、それを演じる人たちであることがしばしばある」とLos Angeles Times紙はレビューの冒頭で触れている。同紙が書くように、ハリウッド映画では、出演者の名前が映画のセールスポイントであることは多い。そして、クリスティナ・アップルゲイトとリンダ・カーデリーニという主演女優二人の名前を聞いただけで「イエス!」の判定を下したと続ける。
その判定が間違いではないことは米Washington Post紙のレビューを見てもわかる。「クリスティナとリンダの演技は魅力的で足並みがそろっていて、ほかの出演者とともに、シリーズの最後まで緊張感を高く保っている」として高く評価。「シーズン2も必ず観る」とレビューを締めくくっている。
「デッド・トゥ・ミー」という英語のフレーズは本当に死んだ人には使わない。生きている人に向かって、「あなたは私にとって死んだも同然」と言うこと、つまり「絶交」という意味合いになる。ジェンとジュディの友情は破綻し、お互いに「デッド・トゥ・ミー」の状態になるのか、それとも二人の友情は大きな秘密をも乗り越えるのか?
ドラマの後半になると、少し頼りないキャラクターの男性陣に男性視聴者は居心地の悪い思いをするかもしれない。男性は強い女性たちの友情の顛末を楽しむつもりで、そして、女性はガールズナイトにみんなでワイワイと見るのにぴったりのドラマだ。
『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』はNetflixで独占配信中。作品見どころやレビューなどは海外ドラマNAVI作品データベースをチェック!(海外ドラマNAVI)
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Netflixオリジナルシリーズ『デッド・トゥ・ミー ~さようならの裏に~』