『BONES』デヴィッド・ボレアナズ主演の最新ドラマ『SEAL Team』はそのリアリティ溢れる描写に刮目せよ!

2005年から12シーズンにわたり放送された法医学サスペンスドラマ『BONES-骨は語る-』で、シーリー・ブース役を好演したデヴィッド・ボレアナズが再び最新ドラマで主演を務めている。それは全米では2017年にスタートした『SEAL Team/シール・チーム』だ。昨今、日本でも有名になったアメリカ海軍特殊部隊"ネイビー・シールズ"の精鋭たちを描いた本作は、その圧倒的リアリティ溢れる描写が目を惹く。ここでは、ネイビー・シールズの簡単な解説と共に、ドラマの見どころに迫る!

ネイビー・シールズとは?

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アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズは、1962年ベトナム戦争時に創設された。第二次大戦中に活躍した水中破壊部隊(UDT)を前身としており、米軍の近代特殊部隊の中では最も古い歴史を誇る。SEALs(シールズ)は、SE(Sea)、A(Air)、L(Land)とそれぞれ陸・海・空の頭文字から名づけられており、どこでも活動可能であることを意味している。また同時に、英語でアザラシ(Seal)という意味も持っている。主に偵察、監視、ゲリラ戦を得意としており、2011年のオサマ・ビンラディン殺害作戦を遂行したことでも有名である。

その入隊資格については、アメリカ合衆国の市民権を有していることを必須に、米海軍、米沿岸警備隊のいずれかに属していることも条件となっている。現在は女性でも入隊可能。しかしながら、入隊するには米軍の中で最も過酷とされる訓練に参加しなければならない。実に2年6カ月にも及ぶ訓練期間を経て、ようやくネイビー・シールズの一員として任務に参加することができるのだ。だからこそ、ネイビー・シールズの門は狭く、しばし精鋭チームと呼ばれるのだろう。

『SEAL Team/シール・チーム』はエリートチームが主人公

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『SEAL Team/シール・チーム』は、世界各地を飛び回り、命がけで任務を遂行してきた"ブラボー・チーム"を描く。リーダーを務めるジェイソン・ヘイズ(デヴィッド・ボレアナズ)は、ある任務で大切な仲間を失ったことにより、大きなトラウマを抱え、海軍からPTSD(心的外傷後ストレス障害)の症状を疑われてしまう。それでもジェイソンはチームをまとめ上げ、祖国と国民を守るために、命がいくつあっても足りないような危険極まりない任務に挑んでいく。

"ブラボー・チーム"とは、ネイビー・シールズの中でも精鋭と言われるエリートたち、通称"チーム6"と呼ばれる実在の対テロ特殊部隊をモデルにしている。ネイビー・シールズは、2つの特殊戦グループ、8つのチームに分かれて編成されており、"チーム6"こそがオサマ・ビンラディン殺害作戦を遂行し、数々の映画でも描かれている精鋭チームなのだ。

そんな彼らの活躍をリアルに描くために、本作の軍事顧問にはネイビー・シールズの元隊員が参加。さらに撮影には、暗視カメラや隊員が実際に胸に装着しているカメラなどを使用しており、これまで観たことがないようなカメラワークと臨場感を醸し出す。リアルな映像表現を追求した作品であり、まさにネイビー・シールズという不屈のチームが日々戦い続けている姿が映し出された作品になっている。

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また、本作は日本でも大きく取り上げられるようになった近年のアメリカが相対している軍事情勢にも鋭く切り込んでいる。イラクとシリアにまたがる地域で活動する過激派組織ISILなどとネイビー・シールズが対峙するのだ。アメリカと過激派組織の激戦の様子も克明に映し出す。

『BONES』デヴィッド・ボレアナズが頼れるチームリーダーに!

デヴィッドは1997年から2003年まで放送されたファンタジードラマ『バフィー ~恋する十字架~』で演じたヴァンパイアのエンジェル役で人気を博し、その後同作のスピンオフドラマ『エンジェル』に主演。そして、2005年から2017年まで放送された米FOXの『BONES-骨は語る-』のシーリー・ブース役で日本でも高い人気を得る。

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クールでタフなキャラクターながら、時折見せる茶目っ気たっぷりの表情が何とも魅力的だったブース役とは少々異なり、『SEAL Team/シール・チーム』でのデヴィッドはまさに屈強な戦士といった表情を魅せる。チームリーダーとしての責任や祖国を守ることへの重圧などを体現し、あまり心の底から笑うようなキャラクターではないような印象さえ受ける。

しかし、任務を終え無事に帰国し、家族の前に姿を現した際には、優しげな表情も浮かべる。"役に生きる"という言葉があるが、米軍の兵士たちが日々経験している人生をデヴィッドは"生きている"のだろう。

戦場のリアルと臨場感を追求した本作。一話完結のため、大変見やすい内容になっているのも、また魅力的だ。同じようにアメリカの特殊部隊の活躍を描いたシェマー・ムーア主演『S.W.A.T.』もまたリアルを追求した作品になっており、アメリカの抱える社会問題などを映し出している部分も多いが、『SEAL Team/シール・チーム』は戦場に潜む混沌とした空気感をより一層描いているような印象を受ける。

第1話のゲストには『24-TWENTY FOUR-』のミシェル・デスラー役でおなじみのレイコ・エイルスワース、『ウォーキング・デッド』のメルル役や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズのヨンドゥ役のマイケル・ルーカーなども登場しているため、見逃さないように注意深く視聴してもらいたい。

(文/zash)

Photo:『SEAL Team/シール・チーム』(c) 2017 CBS Broadcasting Inc. All Rights Reserved./『BONES』(c)2014-2015 Fox and its related entities. All rights reserved.