米CWのDCドラマ『THE FLASH/フラッシュ』でシーズン4からラルフ・ディブニーことエロンゲイテッドマン役で出演しているハートリー・ソーヤーが、同作から解雇されたことが明らかになった。米TV Lineなど複数メディアが一斉に報じている。
今回メディアを震撼させた衝撃の解雇劇は、同作に出演する前のハートリーの過去のツイートに起因するもの。問題となった彼の発言は以下の通り。2011年5月の「女は皆、性奴隷の農場に入るべきだ」、2012年6月の「ちょっとした差別的発言なツイートを止める唯一は、(人権活動家の)アル・シャープトンが私に絶対文句を言うとわかっているから」、2014年11月の「外食しているところだけど、"また"私は差別主義者になったよ」、2014年11月の「ジングル・ベル、バットマン臭い(アメリカの子どもの間で歌われる替え歌)、女は投票するべきじゃない」ほか、同性愛者に対する批判的ツイートなど。
ハートリーはこれらの発言への批判を受けて、自身のInstagramで謝罪を述べた。「言い訳をしようとは思っていません。意図的かどうかは関係なく、私の言葉には影響力があるため、このような深刻な結果を引き起こすのです。そしてその言葉は、サポーターやファン、キャストの仲間、スタッフ、同僚、そして友人たちに、私には想像もできないような苦痛と辱めを味わわせました。みなさん全員にお詫び申し上げます。一人ひとりに謝罪します。そして、謝罪を読んでくださってありがとうございます。
ただこれははっきり申し上げておきたいのですが、これまでの発言は、今現在の私を反映しているものではありません。何年も前に視野を広げてくれた友人のおかげで、私は自分の言動やそのほかのことも含め、より責任ある大人になる道へと進み始めました。私はそのことを公にはしていませんでしたが、そのせいで多くの人を失望させたのです。まだこれからも自分を磨いていかなければなりません」
過去のツイートであり、今の自分は変わったと主張するハートリーだが、『THE FLASH』のショーランナーであるエリック・ウォレスとプロダクションは激怒。「ハートリー・ソーヤー氏のソーシャルメディアでの発言に関して、我々は人種、民族、国籍、性別、性的指向に対する差別的な発言は一切認めません。そのような発言は、我々が努力して推奨している、包括的で生産的で安心できる職場環境という価値観とポリシーに反するものです」との声明を発表した。
またウォレスは個別に自身のTwitterで「ショックを受けたし、激怒している」とも述べ、「(彼の発言のような内容は)この国の大きな問題です。現在、私たちの国は、無意識かそうでないか関係なく、絶え間なく差別があります。これは、黒人や褐色系の肌の人々に対する残忍かつ、時に死にも至らしめるような仕打ちです。ですから、今この国は再び立ち上がって、もう十分だ!と、外に出て国を変えようと叫んでいるのです」と投稿。
また、「『THE FLASH』は、家族向けの番組です。黒人や褐色の人たちを含んだどんな家族でも楽しめるためのものなのです。そのため、これからも黒人や褐色の人たちを脚本家やプロデューサーとして迎え入れ、アメリカのお茶の間の視聴者に彼らの作る物語をお見せしたいと思っています」と述べた。
主人公バリー・アレン/フラッシュ役のグラント・ガスティンは自身のInstagramで、「リーダーであるウォレスが雄弁かつ力強く述べてくれているから、これ以上僕から言うことはありません。ただ、これだけは言わせてください。あのツイートを見た時はショックだったし、悲しかったし、そしてとても憤慨しました。言葉は重要です」とだけ発している。
シーズン7が2021年に放送予定だが、そこにハートリーが演じるラルフの姿はない。どのように脚本が進むのか気になるところだ。過去のツイートとはいえ何度も同じような差別的発言をしていたハートリーの払った代償は大きいようだ。(海外ドラマNAVI)
Photo:『THE FLASH/フラッシュ』公式Instagramより