Netflix『ジュピターズ・レガシー』、ヒットしたのに打ち切りになった理由とは?

マーク・ミラーとフランク・クワイトリーによるコミックスをドラマ化したNetflixのスーパーヒーロードラマ『ジュピターズ・レガシー』。視聴率の好調によりシーズン2への更新が期待されていたにもかかわらず、一カ月もしないうちに打ち切りが発表された。その理由について、米Comicbookが報じている。

『ジュピターズ・レガシー』は、100年近く世界の平和を守ってきたスーパーヒーロー第一世代の功績を引き継いだ二世たちを中心に、先代のレガシーを汚さぬ活躍を期待される彼らがプレッシャーと闘う姿が描かれる。

シーズン1の製作途中で、当初『Marvel デアデビル』のスティーヴン・デナイトがショーランナーを務めていたが、Netflixと製作費について衝突したことが原因で降板。情報筋によると1話につき1200万ドル(約13億円)の製作費を要求していたデナイトに対し、Netflixは予算を900万ドル(約10億円)に決定したが、最終的に1話の製作費が1500万ドル(約16億5000万円)まで膨れ上がったとのこと。

デナイトの後任にサン・ギュ・キム(『サバイバー:宿命の大統領』)が務め、さらにNetflixはルイ・ルテリエ(『トランスポーター』)をコンサルタントに迎えてポストプロダクションで修正を試みようと努めたが、すでに問題があった番組を救うには遅すぎたと判断され、打ち切りに至ったという。もともとシーズン1の予算は1億3000万ドル(約143億円)だったが、2億ドル(約220億円)まで達して大きくオーバー。結果的に経済的な問題により、シリーズがキャンセルへ追い込まれてしまったようだ。

苦渋の決断でシリーズを打ち切ったNetflixは、同じくマーク・ミラーが手掛けたコミックスシリーズ「スーパー・クルックス」を下敷きにしたスピンオフを製作すると発表。本作は『ジュピターズ・レガシー』の世界を舞台に、詐欺師やケチな泥棒など有象無象のヴィランが、これまでに前代未聞の最高に型破りな計画のために世紀の大泥棒と団結するという、一世一代の犯罪が中心に描かれる。

しかし、ミラーはTwitterの声明の中で、新作のコンセプトにより残念ながらスピンオフ版に『ジュピターズ・レガシー』のキャストは出演しないと明かしていた。

シリーズの終了は残念だが、スピンオフの仕上がりに期待したい。『ジュピターズ・レガシー』はNetflixで配信中。(海外ドラマNAVI)

Photo:

Netflix『ジュピターズ・レガシー』