Netflix『ザ・クラウン』劇中で扱う歴史的イベントをどう決めている?

Netflixで独占配信中の大人気ドラマ『ザ・クラウン』。クリエイターのピーター・モーガンが、劇中で扱う歴史的な出来事をどのように決めているのか、その慎重な製作過程について明かした。英Radio Timesが伝えている。

"英国史上最高齢君主"エリザベス2世の素顔に迫る、実話に基づいたドラマ『ザ・クラウン』。昨年11月に封切られたシーズン4では激動の11年間を10話にまとめて描き出している。これを実現するためには、どの出来事を物語に含めるのか精査する必要がある。もちろん、チャールズ皇太子とダイアナ妃の結婚式が重要であることは言うまでもないが、マイケル・フェイガンという男が宮殿に侵入した事件が描かれたことには驚いた視聴者も多いはず。

米Hollywood Reporterのインタビューでモーガンは、「脚本執筆のプロセスの中で一番時間がかかる部分だよ。何を残して、何を含めるか考えることがね。それこそが魔法の種で、『ザ・クラウン』たらしめているものだと僕は思っているんだ」と話し、膨大な数の魅力的な出来事をくまなく探すことの重要性を強調した。

「どんなシーズンの脚本を書く前にも最低9カ月はかかるよ。アウトラインを何度も考え直すのさ。歴史は、たとえそれが近年の歴史でも、とても単純化される。だから(物語の製作において)貴重な情報がブラックホールに消えてしまうんだ」と話すモーガン。さらに、「各年代の"グレイテスト・ヒット"を作っても誰にも喜ばれないだろう。我々は深く掘り下げて、サプライズや見落とされたストーリーを見つけなければならない。宮殿の侵入のようなね。そして月面着陸や結婚、選挙や暗殺といった象徴的な出来事と並べるんだ」と、ドラマで扱う史実の選び方に関するこだわりも明かしている。

すべてを描くことができない中、もどかしい決断がなされると、『ザ・クラウン』は調査員や脚本編集家、歴史家たちを総動員して、選ばれた出来事を描くのに注力してきた。そんなモーガンをはじめ優れたストーリーテラーたちの知られざる下調べや準備があるからこその『ザ・クラウン』。エミー賞常連というのも納得だ。

Netflixオリジナルシリーズ『ザ・クラウン』シーズン1~4はNetflixにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:Netflixオリジナルシリーズ『ザ・クラウン』シーズン5より