英人気SF長寿ドラマ『ドクター・フー』で10代目ドクターを演じ、『グッド・オーメンズ』や『DES/デス』などに出演しているデヴィッド・テナントが、英ITVの新作ドラマ『Litvinenko(原題)』に出演することが明らかとなった。米Deadlineが報じている。
『Litvinenko』は実録ドラマで、デヴィッド・テナントは毒殺されたロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコを演じる。
アレクサンドル・リトビネンコは1980年代にソ連国家保安委員会(KGB)に属し、1990年代にはロシア連邦保安局(FSB)に勤務したが、2000年にプーチン大統領とロシア政府を批判してイギリスへ亡命。その後、リトビネンコは著書やTV番組で、ロシアで起きた高層アパート連続爆破事件の陰謀説やモスクワ劇場占拠事件の疑問点について指摘し、内部事情を暴露していた。
そして、2006年、リトビネンコはロンドンにあるレストランで会食した後に体調が悪化、病院へ搬送されたがその後死亡した。彼の体からは猛毒の放射性物質ポロニウム210が検出されたと報じられ、プーチン大統領の命令による毒殺が疑われた。この事件はニュース番組や新聞でも大きく取り上げられたため、覚えている人は多いのではないだろうか。
デヴィッドが主演する『Litvinenko』では、リトビネンコの毒殺事件を捜査したロンドン警視庁の捜査官と、夫の殺害にロシア政府が関わっていることを訴え、犯人の名前を公表するよう英国政府に働きかけたリトビネンコの妻マリーナの物語が描かれる。
マリーナを演じるのは、『DEUCE/ポルノストリート in NY』のアビー役や『リベンジ』のエミリー・ソーン役で知られるマルガリータ・レヴィエヴァ。その他、ロンドン警視庁の捜査官クライヴ・ティモンズ役でマーク・ボナー(『シェトランド』)、ブレント・ワイアット捜査官でニール・マスケル(『ヒューマンズ』)が出演。Netflixの人気ドラマ『Lupin/ルパン』を生み出し、脚本も手掛けるジョージ・ケイがクリエイターを務める。
最近、デヴィッドは英リミテッドシリーズ『Des』で、1970年代後半から1980年代前半にかけてロンドンで少年や若い男性たち十数人を殺害し、"Des(デス)"と呼ばれたスコットランド人の連続殺人鬼デニス・ニルセン役で主演。実在した人物の役が続いている。
(海外ドラマNAVI)
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デヴィッド・テナント ©James Warren/Famous