数々の賞を受賞した大ヒット大河ファンタジー『ゲーム・オブ・スローンズ』。本シリーズの最初のスピンオフプロジェクトとして進められていた、『ツイン・ピークス The Return』や『ジプシー』で知られるナオミ・ワッツが出演するシリーズに、30億円以上もの額が費やされていたことがわかった。米Screenrantが報じている。
『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの成功をさらに拡大したいと考えている米HBOは、オリジナルシリーズが幕を閉じる前から、数え切れないほどのスピンオフを計画してきた。2022年の放送を予定しているターガリエン一族の物語を描いた『House of the Dragon(原題)』が『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズの最初のスピンオフ作品となるが、元々は『The Long Night(原題)』が第一弾になるはずだった。
『ゲーム・オブ・スローンズ』の原作小説「氷と炎の歌」の作者ジョージ・R・R・マーティンが監修した『The Long Night』は、ジェーン・ゴールドマン(『キングスマン』シリーズ)が脚本を担当。ナオミが主演を務め、ジョシュ・ホワイトハウス(『風の勇士 ポルダーク』)、ジェイミー・キャンベル・バウアー(『シャドウハンター』)、ナオミ・アッキー(『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』)らが共演、パイロット版まで製作された。
今回、ジャーナリストのジェームズ・アンドリュー・ミラーの新刊「Tinderbox: HBO"s Ruthless Pursuit of New Frontiers」により、『The Long Night』に関するHBOの決断について、いくつかの詳細が明らかになった。ワーナーメディアの前会長ボブ・グリーンブラットは本の中で次のように語っている。
「私が着任したときにはすでに、彼らは前日譚のパイロット版の製作に3,000万ドル(約34億円※12月13日時点)以上をすでに費やしていました。それから数カ月後にカットの一部を見たとき、私はケイシー(HBOのチーフ・コンテンツ・オフィサーであるケイシー・ブロイス)に"これはうまくいかないし、オリジナルシリーズの期待には応えられないと思う"と言いました。すると、彼は反対しなかったので、かえって安心しました」。さらに「正しいものにしなければならないという大きなプレッシャーがあり、あれではうまくいかなかったと思います」と結論づけている。
オリジナル版の最初のパイロット版がひどかったことは有名な話(実際に放送されたシーズン1第1話は撮影し直されたバージョン)。『The Long Night』はそのパイロット版よりはマシだったかもしれないが、本家シリーズの最終的なクオリティを考えると、やはり十分ではなかったのだろう。そして『House of the Dragon』はHBOの期待を一身に背負っているが、オリジナル版と同等の感動レベルに達することができるかどうか気になるところだ。(海外ドラマNAVI)
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ナオミ・ワッツ ©NYKC/『ゲーム・オブ・スローンズ』©2013 Home Box Office, Inc. All rights reserved.HBO (R) and related service marks are the property of Home Box Office,Inc.Distributed by Warner Home Video Inc.