『GOT』スピンオフ『ブリジャートン家』など、イギリス映画&ドラマ製作費用、過去最高を記録

何年も前から脚光を浴びていたイギリスの映画・テレビシリーズ製作ブームだが、2020年半ばにロックダウンが解除されてから更なるブームとなり、異常なまでの成長率の記録していることが明らかになった。米Hollywood Reporterが報じている。

米HBO『ゲーム・オブ・スローンズ』のスピンオフである『House of the Dragon(原題)』やNetflixオリジナルシリーズ『ブリジャートン家』などの作品に代表されるハイエンドのドラマ製作は、2020年にロックダウンが解除されてからの第1四半期で54億7,000万ドルに達し、2019年全体の支出額の2倍を大きく上回っているという。

英国映画協会によると、ロケ再開後の最初の四半期にあたる2020年10月~2021年9月の1年間では、ハイエンドのテレビ&映画への支出が合わせて59億4,000万ポンド(78億6,000万ドル)に達し、過去最高だった2019年の47億ポンドを25パーセント以上も上回っているという。トップに立ったのはハイエンド作品で、それだけで41億4,000万ポンド(54億7,000万ドル)という驚異的な数字を記録し、2019年の16億6,000万ポンドの2倍以上となった。

『House of the Dragon』、『Star Wars: Andor(原題)』、『ブリジャートン家』『セックス・エデュケーション』『ギャング・オブ・ロンドン』『ダーク・マテリアルズ』などの高額予算のドラマや映画が、この数字をここまでに押し上げた要因の一つ。そして第2四半期だけで22億5,000万ポンド(29億8,000万ドル)となり、ハイエンドテレビとしては過去最大の四半期となった。

これらの数字は、BFIが「Screen Business」と題した新しいレポートで明らかにされたもので、2017年から19年にかけての英国の減税奨励制度の影響を調べたものだ。この報告書によると、映画、ハイエンドテレビ、ビデオゲーム、子ども向けテレビ番組、アニメーションなどの英国の税制優遇制度は、英国における記録的なレベルのエンターテイメント作品の製作を奨励し、2019年には134億8,000万ポンド(178億2,000万ドル)をもたらした。これは3年間で23.7パーセント増、2016年からは56パーセント増という数字だ。

さらに、インセンティブに端を発したブームにより、高まってきているイギリスでの撮影の需要に応えるため、撮影スタジオの建設が殺到している。Screen Business社のレポートでは、2017年から2019年の間に英国のスタジオの建設または拡張に費やされた推定1,316億ポンド(1億7,450万ドル)と記載されており、2020年末までに建設計画の許可を得た開発については、さらに7億8,540万ポンド(10億4,000万ドル)分あるという。

BFIの最高責任者であるベン・ロバーツ氏は「このことは、減税措置がいかにこのことに影響を与えているかを示す証拠であり、減税措置が驚異的なレベルでの映画やドラマ制作とその雇用を支え、英国の国や地域全体でビジネスを構築してきたかを示しています」と述べている。さらに、「英国の映画産業がパンデミック後に他のどの産業よりも早く立ち直ったのは、この減税措置の影響力の証しです。今後も、このようなレベルの作品制作に不可欠な優秀な人材を獲得し、英国内で成長と革新の機会がある地域への投資を増やすことで、常にトップレベルを維持していく必要があります」とも語った。(海外ドラマNAVI)

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(2021年12月時点での情報です)

Photo:

『ギャング・オブ・ロンドン』
『House of the Dragon』©Ollie Upton/HBO
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