ここ近年、NetflixやAmazonをはじめとする配信サービスが数多くのオリジナルドラマをリリースするようになり、米HBOやディズニーなども独自の配信サービスをローンチし、ストリーミング業界の競争は激化の一途をたどっている。そんな状況に伴い誕生する作品の数も激増し、2021年には2000本近いドラマシリーズがリリースされていたことが明らかとなった。
米VarietyのIntelligence Platformが作成した特別レポート「Fading Ratings」によると、2021年には地上波局、ケーブル局、配信サービスを合わせて1923本ものオリジナルドラマシリーズがリリースされたとのこと。2019年は1628本で、2020年は新型コロナウイルスの感染拡大により、作品の製作・撮影が一時停止状態となっていたため、1577本と前年よりも減少。しかし、2021年には業界が勢いを取り戻し、2020年よりも22パーセント増の1923本の新作ドラマを生み出すに至っている。
しかも、2021年は配信サービスの新作リリースが地上波とケーブル局を初めて上回る記念すべき年となり、ますますTVの衰退と配信サービスの台頭というコントラストが色濃くなっているようだ。
この配信サービスの勢いは、HBOや米CBSといった地上波・ケーブル局が、TV用の予算を独自の配信媒体へ移行したことも大きな要因になっているという。また、ドラマ以外の脚本がない番組は2021年に最大の成長を遂げており、その数は前年比で26パーセント増加し、全オリジナル番組の61パーセントを占めている。
この流れを受け、2022年にはさらにオリジナル番組の増加が予想されており、無料配信サービスとなるRoku ChannelやTubi、IMDb TVなども本格的にオリジナル番組の製作に乗り出すものと見られ、ますます配信サービス間で新コンテンツが激しく凌ぎを削ることになりそうだ。
2022年は、オリジナルドラマのリリース数が軽く2000本を超えるのではないだろうか。競争が激しくなれば、それだけクオリティの向上が求められるのは必須で、来年にどんな傑作がデビューするのか心待ちにしたい。
(海外ドラマNAVI)
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『ワンダヴィジョン』© 2021 Marvel/Netflixシリーズ『カウボーイビバップ』/『And Just Like That...』Photograph by Courtesy of HBO Max