SF史に燦然と輝く金字塔『スタートレック』シリーズが誕生60周年を迎えるなか、『スタートレック:ストレンジ・ニュー・ワールド』で伝説的キャラクターのスポック役を演じるイーサン・ペックが、役に対する心境や自身のルーツについて語った。名優レナード・ニモイが築き上げたスポック像を尊重しつつ、独自のアプローチで役に新たな魅力を吹き込んでいるイーサンは、この大役について「人生の宝くじに当たったようなもの」と明かしている。
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映画界の伝説である祖父グレゴリー・ペックとの距離感
自身の家族が持つ偉大な歴史とも向き合っているイーサン。映画界の伝説的スターであるグレゴリー・ペックを祖父に持つ彼は、これまで観たことがなかった祖父の出演作『アラベスク』をTCMクラシック映画祭で初めて鑑賞した。
「ハリウッドで育ち、映画が大好きだったけれど、この映画祭の存在を知らなかった」と明かすイーサン。自ら登壇を申し出て映画の紹介を行い、観客とともに作品を楽しんだという。「映画好きとして、大好きな作品を初めて観る人と一緒に過ごす時間は素晴らしい。映画に出てくる男の孫としてその場に立ち、観客と体験を共有できたのは最高の機会だった」と振り返る。
名作『アラバマ物語』や『恐怖の岬』などで厳格かつ正義感あふれるヒーローを多く演じたグレゴリーだが、『アラベスク』ではコミカルな演技も見せている。イーサンは「祖父があまり見せないコメディ調の演技を観られたのは嬉しかった。重厚で威厳のある人物だからこそ、羽目を外そうと葛藤している姿が実に味わい深かった」と、新たな一面に感銘を受けたようだ。
一方で、同じ俳優という道を歩みながらも、祖父との間にはどこか距離を感じているとも明かす。グレゴリーが70歳のときに生まれたイーサンは、17歳のときに祖父を亡くした。「正直に言って、祖父との間にはまだ距離を感じている。幼い頃は特別に親しかったわけではなく、彼やその偉大な功績と自分がつながっていることに今でも畏怖の念を抱いている」と語る。生前に多くを語り合う機会がなかったからこそ、「映画や演技を通じて祖父を知っていくのは、まるでプレゼントの包みを開けるような感覚だ」と表現した。
『ストレンジ・ニュー・ワールド』で深まるスポックとカークの絆
『ストレンジ・ニュー・ワールド』でスポック役を確固たるものにしているイーサンは、シーズン4にかけて展開されるポール・ウェズレイ演じる若きジェームズ・T・カークとの関係性の深まりを特に楽しんでいるという。
「僕たちはとても気が合い、最高のケミストリーが生まれた」とイーサンは語る。「プレッシャーの大きい伝説的なキャラクターを互いに演じるなかで、自分たちの友情や相性の良さを役に反映させられたのは珍しく、素晴らしいことだ。セットでの良好な関係をそのまま作品に持ち込めている」
オリジナルシリーズ(TOS)でスポックとカークを演じたレナード・ニモイとウィリアム・シャトナーの演技について、イーサンは「真似のできない素晴らしい演技だからこそ、過度に意識や模倣をするのではなく、自分自身を役に投じようと心がけている」と明かした。
人生最高の冒険としてのスポック役
かつてのレナードのように、今後も長期にわたってスポック役を演じ続ける可能性について問われると、イーサンは「まだ夢の中にいるような気分だ」と期待を込めて答えた。
「この役は自分の人生を完全に変えてくれた。これまでの人生で最高の旅であり、冒険だ。以前では考えられなかったような素晴らしい機会と特権を与えてくれた。それはきっと、一生の財産になると思う」偉大な祖父の血を引きつつも、独自のキャリアを着実に築いているイーサン・ペック。彼が紡ぐ新しいスポックの物語は、これからも世界中のファンを魅了し続けるだろう。
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