米CBSの『FBI:特別捜査班』で政治色を排している理由についてクリエイターのディック・ウルフが明かした。
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『FBI:特別捜査班』シーズン8、あの人が死亡!衝撃の展開をショーランナーが語る
米CBSの人気ドラマ『FBI:特別捜査班』がついにシーズン8 …
「政治的に踏み込めば、視聴者の50%が怒る」
2018年に放送開始された当時、実際のFBIはドナルド・トランプ大統領と国家安全保障やさまざまなスキャンダルをめぐって対立し、世間の注目を浴びていた。時事ネタを扱うには良いタイミングに見えるが、本作が描いたFBI捜査官たちは「徹底して非政治的」だった。
このことについて「過去の作品を振り返れば分かるけれど、私が手がけたドラマで政治色の強いエピソードなんてほとんど存在しないよ。政治的に踏み込めば、視聴者の50%が怒るだけだ」とウルフは語る。
『FBI』については、「エンターテインメント企業の作品であり、政治団体ではない」と強調するも、作品には単なる娯楽以上の目的があるという。彼は、1950~60年代に実際にFBIに所属していた叔父のような本物の捜査官たちの努力が軽視されるべきではないと考えており、『FBI』という作品を通じて彼らの仕事を称えたいと語る。
「FBIの前向きなイメージは彼らを喜ばせるんだ。ここ数年、多くの捜査官が、本当の仕事が十分に評価されていないと感じていると私に話してくれた」と話す。
Though he routinely rips story ideas from the headlines, Dick Wolf doesn't want to alienate his potential audience by taking sides on political issues. https://t.co/cDv9c2srZ6
— TVLine.com (@TVLine) December 2, 2025
『FBI』で政治色を排した姿勢は、彼の「ワン・シカゴ」フランチャイズにも通じる。そこでは警察官、医師、消防士といった“現場の英雄たち”が、危険で過酷な状況で命を救う姿が描かれる。ウルフは、彼らの日常こそテレビで称賛されるべきだと考えている。「彼らはヒーローだ。燃える建物に飛び込む人をお金で雇うことなんてできない。医者だって今は金目当てでやっている人ばかりじゃない」
とはいえ、ウルフの意図に反して、政治的な影響を巡って議論を呼んだ例もある。たとえば2016年の大統領選前には、候補者が性的暴行で告発されるという内容の『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』のエピソードが米NBCによって放送見送りとなった。放送すれば“政治的”と受け取られる可能性をネットワーク側が懸念したためだ。
『FBI:特別捜査班』シーズン8はCBSにて放送中。シーズン1~6はHuluにて配信中。(海外ドラマNAVI)



