これまでに数多くの人気ミステリー小説が実写化されているが、ドラマ化すべきミステリー小説を米Screen Rantが取り上げているので、そのうち3作品を紹介しよう。
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「Monday’s Not Coming(原題)」 ティファニーD・ジャクソン著
作家ティファニー・D・ジャクソンは、重要なテーマを探求しながら、緊張感に満ちた恐ろしくも引き込まれる物語を描く名手。その代表作が、2018年のスローバーン・ミステリー小説「Monday’s Not Coming」だ。ヤングアダルト作品ながら、胸を締めつけるように痛ましく、読み終えた後も長く心に残る一冊となっている。
マンデー・チャールズとクローディア・コールマンは、何をするにも一緒の親友だった。しかし、約束していたはずの夏の連絡が途絶え、新学期になってもマンデーは学校に現れない。携帯は解約され、学校からも名前が消えていた。違和感を覚えたクローディアは、親友に何が起きたのかを一人で追い始める。
この物語は読むのがつらい部分もあるが、残酷で無関心な世界に生きる子どもたちの現実を描き出している。そして、マンデーにまつわる真実は、普段あまり語られない厳しい現実を突きつけ、だからこそ本作は映像化される価値のある重要な物語だと言える。
「Now You See Me(原題)」 シャロン・ボルトン著
シャロン・ボルトンによる「Now You See Me」は、レイシー・フリント巡査が活躍する警察小説シリーズの一作で、スクリーンで描かれるに値する緊迫したミステリー。物語はレイシーが自分でも気づかないうちに、個人的な関係をはらんだ事件へと巻き込まれていくところから始まる。
レイシーは刺されて倒れている若い女性を発見するが、翌日、切り裂きジャックを模した匿名の手紙が記者の元に届き、殺害の犯行声明が出される。しかも、その手紙にはレイシーの名前が記されていた。模倣犯が次の犠牲者を出すまで、彼女に残された時間はわずか5日しかない。
息を呑むような緊張感とスピード感が物語を一気に運び、ページをめくる手が止まらなくなる。犯人との追いつ追われつの駆け引きは実にスリリングで、登場人物たちにも自然と感情移入してしまう。総じて本作は、優れたドラマ版を期待できるだけの要素をすべて備えたミステリー小説だ。
「Eve Duncan(原題)」シリーズ アイリス・ジョハンセン作
アイリス・ジョハンセンによる「Eve Duncan(原題)」シリーズは、これまでに25冊が刊行されている長寿ミステリースリラー。タフな主人公イヴ・ダンカンが活躍する小説シリーズは、物語自体がドラマ化を強く求めているように感じる。
このキャラクターは、2011年に放送されたTV映画『The Killing Game(原題)』で一度映像化されたが、あまり評価は高くなかった。イヴ・ダンカンは法医学彫刻家(身元不明の遺骨から頭蓋骨をもとに故人の顔を復元する専門家)として事件の解決に協力する。各巻で異なる事件を追う構成だが、シリーズを通じて描かれる伏線や再登場する敵キャラクターもいる。「Blood Game(原題)」や「The Search(原題)」など多くの作品は、文字よりもむしろ、スクリーンで描かれることを前提に書かれたように感じられる。
ジョハンセンは複雑なプロットや練られたキャラクター、予想を裏切る展開、アクション要素を巧みに組み合わせる作家だ。また、イヴ・ダンカンは欠点も多く共感できる人物でありながら、驚くべき強さも持ち合わせている魅力的なキャラクターで、『BONES -骨は語る-』や『BOSCH/ボッシュ』、『アレックス・クロス ~狙われた刑事~』のように、ドラマシリーズとしてヒットする条件をすべて備えた小説だ。
(海外ドラマNAVI)








