ライアン・マーフィーが手がけた最新の法廷ドラマ『オール・イズ・フェア 女神たちの法廷』が11月4日より配信開始された。しかし、キャストや制作陣にとって、その評価は信じられないほど厳しいものとなっている。
物語は、離婚専門の女性弁護士たちが勤めていた事務所を離れ、女性だけの新しい法律事務所を立ち上げるという設定で。キャスト陣にはキム・カーダシアン、ナオミ・ワッツ、ニーシー・ナッシュ、サラ・ポールソン、グレン・クローズといった豪華メンバーが名を連ねる。
だが、そのスター揃いの顔ぶれとは裏腹に、批評家たちの反応は冷ややかだ。配信初日の時点で、Rotten Tomatoesの批評家スコアは驚異の「0%」を記録している。以下に、主な批評を紹介する。
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『オール・イズ・フェア 女神たちの法廷』日本独占インタビュー【1】キム・カーダシアン&ナオミ・ワッツ
ライアン・マーフィー製作総指揮×キム・カーダシアン主演で贈る …
脚本は2年前のChatGPTよりもひどい
「魂が感じられない」The Hollywood Reporter
同誌のテレビ批評家アンジー・ハンは、本作を「脳死状態」と評し、次のように記している。「このドラマは、話題づくりを目的に“逆算”して作られたようだが、話題になるような瞬間を生み出すことには失敗している。登場人物は薄っぺらく、物語は脆弱で、動機づけも甘い。そのため、視聴者が感情移入できるような“本物の感情”が存在せず、観ても何も感じない」
さらに彼女は、主演のキム・カーダシアンについても手厳しい。「彼女の演技は硬く、感情が欠如しており、一切の真実味がない。だが、それは脚本そのものがそうであるから当然だ。話題性だけを生み、実体を欠く彼女の存在は、このドラマそのものを象徴している。“観られる”作品というより、“バズ狙いの素材”を切り取るための作品のようだ」
「理解不能なほどひどい」The Guardian
ルーシー・マンガンは、「こんなにひどいテレビ作品が今でも作れるとは思わなかった」と述べ、こう続ける。「テレビ制作には最低限の基準という“底”があると思っていたが、それを裏切られた。ライアン・マーフィーの新作『オール・イズ・フェア』は、驚くほど、そして理解不能なほど、存在論的にひどいドラマである」
「悪趣味の教祖」The Daily Telegraph
エド・パワーは本作に★1を与え、「ライアン・マーフィーは悪趣味で無神経なテレビ界の教祖であり、今年はその才能を極めた」と評した。「この作品は、想像を絶するほどの恐怖と悪夢をもたらす番組であり、油断して観た者は後悔するだろう」
「史上最悪のドラマ」The Times
ベン・ダウェルもまた、キムの演技に辛辣な評価を下した。「史上最悪のテレビドラマに主演するには、相当な自信が必要だろう」と皮肉りつつ、次のように続けている。「『オール・イズ・フェア』はあまりにも酷く、笑って楽しむことすらできない。フェミニズムを掲げ、強い女性弁護士たちが傲慢な富裕層の男性に立ち向かう物語を装っているが、実際は貪欲と虚栄にまみれた悪趣味なモニュメントにすぎない。まるで“おしり”の文字すらまともに書けない幼児が脚本を書いたかのようだ」
「今年最悪のドラマ」USA Today
ケリー・ローラーは、『オール・イズ・フェア』を「今年最悪のテレビ番組」と断じた。「この作品には、 redeem(救う)要素がひとつもない。脚本は2年前のChatGPTよりもひどく、演技は地元のクリスマス劇以下。信じがたい規模の完全なる惨事であり、制作過程で誰一人として“これで大丈夫か?”と疑問を持たなかったのが不思議だ。しかも、いわゆる“悪すぎて面白い”タイプですらない。ぎこちなく、不自然で、気まずい。ワインを飲みながら観ても、ハロウィンの余り菓子をつまみながらでも、少しも楽しめない」
『オール・イズ・フェア』は、ライアン・マーフィーらしい華やかさと話題性を備えていながら、批評家たちからは前代未聞の酷評を浴びている。果たしてこの“法廷ドラマ”は、今後評価を覆すことができるのだろうか。
『オール・イズ・フェア 女神たちの法廷』は、11月4日(火)よりDisney+(ディズニープラス)のスターにて独占配信中。(海外ドラマNAVI)

