HBOの大ヒットシリーズ『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』のクリエイター、デヴィッド・チェイスがCIAの秘密計画を題材にしたリミテッドシリーズ『Project: MKUltra(原題)』を米HBOで企画中だ。Varietyなどが報じている。
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『ストレンジャー・シングス』にも登場したCIAの極秘プログラムが題材
本作は、『ザ・ソプラノズ』以来チェイスが手掛ける初のシリーズ作品となる。ジョン・ライル著ノンフィクション「Project Mind Control: Sidney Gottlieb, the CIA, and the Tragedy of MKUltra(原題)」を原作とする。チェイスが映像化権を取得し、自身の会社リバーイン・ピクチャーズを通して、脚本と製作総指揮を務める。チェイスのほか、ニコール・ランバート(『ソプラノズ ニューアークに舞い降りたマフィアたち』)が製作総指揮を担当する。
『Project: MKUltra』は、冷戦最盛期にCIAの幻覚剤プログラム「MKウルトラ計画」を指揮し、被験者に対して危険かつ致命的なマインドコントロール実験を行った悪名高い化学者、シドニー・ゴットリーブ(通称「黒魔術師」)を軸にしたドラマティックなスリラー作品である。ゴットリーブはまた、図らずもLSDカウンターカルチャー全体の生みの親とも呼ばれている。
1950~60年代にCIAが秘密裏に実施したMKウルトラ計画は、ソ連と中国が「洗脳」技術で先行していると見なされたことに対抗するため、サイケデリック薬物の投与、催眠術の実践、そしてしばしば被験者の知らぬ間に、あるいは同意なく行われる拷問によって自白を引き出すことを目的としていた。
また、MKウルトラ計画は様々な映画・ドラマ作品で取り上げられており、Netflixの大ヒットシリーズ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』でも同実験をモチーフにした要素が登場している。メインキャラクターの一人エル(イレブン)の母親であるテリー・アイヴスは、政府の研究施設で行われた「実験」の被験者だったという設定になっており、この実験ではLSD投与や感覚遮断など、まさにMKウルトラ計画を思わせる内容が描かれている。
“The Sopranos” creator David Chase is working on a thriller series at HBO titled “Project: MKUltra.”
Should it move past development, the limited series would follow real-life chemist and spymaster Sidney Gottlieb, also known as the Black Sorcerer, who is credited as the… pic.twitter.com/UUKXYamsY7
— Variety (@Variety) October 22, 2025
チェイスはこれまでにエミー賞を7度受賞しており、うち5回は『ザ・ソプラノズ』によるもので、うち2回はドラマ部門の最優秀作品賞である。『ザ・ソプラノズ』が2007年に終了した後、チェイスは長編映画に注力し、2012年公開の『Not Fade Away(原題)』では脚本・監督・製作を担当。2021年公開の『ザ・ソプラノズ』前日譚映画『ソプラノズ ニューアークに舞い降りたマフィアたち』では共同脚本・製作を手掛けた。
『ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア』全6シーズンは、U-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)




