大ヒットを記録した『スーパーマン』に続くDCユニバース(以下、DCU)作品として話題の『ピースメイカー』シーズン2。このたび、製作総指揮・脚本、さらに第1話など一部エピソードで監督を務めたジェームズ・ガンにインタビュー! シーズン2の新たな展開や作品に込めた思いについて語ってくれた。
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『ピースメイカー』ジェームズ・ガンにインタビュー
――シーズン2の第1話では、ピースメイカーはディメンションポータルを通じて、もう一人の自分と人生に対峙するという、衝撃的な幕開けを見せました。マルチバースを題材にした作品が増える一方で視聴者は食傷気味という声もありますが、このような展開にした背景や、他の作品とは一線を画すようなアプローチについて、お聞かせください。
第一に、本作の世界はDCUです。それぞれのカノン(正史)の間には、宇宙を越えた架け橋は存在しません。第二に、これはマルチバースではなく、オルタネイト・リアリティ(代替現実)です。つまり、我々が扱っているのは、これまでのどのスーパーヒーロー映画でも扱われたことのない、ある意味でまったく別の世界です。
ピースメイカーが出会ったもう一人の自分は、父親や兄弟という彼が失ったもの、決して得られなかったものを持っています。そして、彼はシーズン1で向き合った悪魔たちと再び対峙します。つまりこれは感情の旅路なのです。
これは千人のピースメイカーたちの狂気の物語ではなく、もうひとつの現実と、私たちの世界に欠けているものの悲しみについての物語なのです。
――過去に、日本の特撮作品から影響を受けていると発言されていました。今回、ピースメイカーがバイクに乗るシーンを見て、仮面ライダーを連想したのですが、意図的なものでしょうか?
ウルトラマンや仮面ライダーなどの特撮番組には、私が本当に愛する美学があります。実際、そのシーンでは、仮面ライダーのことを思い浮かべていました。それがどれほどクールか。本作には確かに一貫した美学が存在しています。様々な要素が組み合わさってはいますが、あの時代の日本の番組が確実に私に影響を与えたのは間違いありません。
――監督は本作のシーズン1から有害な男性性の脱却やセクシズム、レイシズムなど社会的な問題にも鋭く切り込んでいます。これらのテーマを扱うことで、どのようなメッセージを伝えたいと考えていますか。
人種差別について考えてみると、確かに、オーギー・スミスのようなキャラクターには、私たちが生きる現実社会の要素が反映されています。彼がいかに人種差別的かという点においてね。
そういった要素の多くはピースメイカーにあって、彼は性格に多くの有害な特性を抱えていると思います。この惑星に住む私たち皆がそうであるように、誰もが完璧ではなく、問題を抱えています。そして、クリストファー・スミスも多くの男性が抱えるような課題と向き合っているのです。彼はできる限り最善の方法で、それに対処しようとしています。
――『スーパーマン』を視聴しましたが、素晴らしかったです。一方で本作はドラマシリーズですが、その違いについてどう意識して取り組んでいますか?
『スーパーマン』のような映画を作るときは、すべてのショットを意図したとおりに完璧にする必要があります。『ピースメイカー』はもっとラフです。キャラクターが主役で、我々はピースメイカーと11thストリート・キッズに恋をして、彼らの物語を追っていく。視覚的にもプロット自体も、ずっと自由なスタイルなんです。
一方、『スーパーマン』は、すべてが緻密で、すべてのショットに意味があり、無駄な映像は一瞬もない。『ピースメイカー』の面白さの半分は、無駄な時間の馬鹿げた瞬間にあります。ですから、そうですね、視聴者は全く異なる体験をすると思います。
個人的には、ドラマが映画のように扱われるのはあまり好きじゃないんです。いい表現が見つからないけれど…「映画的」になりすぎると、ちょっと気取った感じがするから。
『ピースメイカー』配信情報
『ピースメイカー』はU-NEXTで独占配信中。シーズン2は、毎週金曜日に最新エピソードが更新される。
(海外ドラマNAVI)