HBOの名作ドラマ『THE WIRE/ザ・ワイヤー』は、放送終了から17年が経った今も、その鋭い社会批判は色褪せることがない。むしろ、出演者の一人であるウェンデル・ピアースは、このドラマが「クラシック(名作)」であり、現代社会を映し出す鏡であるため、リブートの必要はないと断言する。
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名作の「警鐘」はもはや現実となった
現在大ヒット公開中の映画『スーパーマン』にも出演し、海外ドラマでは『SUITS/スーツ』、『シカゴ・P.D.』や『トム・クランシー/CIA分析官 ジャック・ライアン』など数多くの出演作品で知られるウェンデルが演じたのは、ベテラン殺人事件捜査官ウィリアム・“バンク”・モアランド。
全5シーズンにわたり、ボルティモアの警察と麻薬ディーラーの現実を克明に描いたこの作品に出演した彼は、米Colliderの取材に対し、「『ザ・ワイヤー』は、当時の観客に響き、今の私たちにも響き、そしてこれからも人々に語りかけ続ける作品だ。だからこそクラシックなのだ」と熱く語った。
ウェンデルは『ザ・ワイヤー』を「人間の本質の醜い側面を示す警鐘の物語」と表現。しかし、その“警鐘”はもはや遠い警告ではないと指摘する。「まさに今、それが現実となっているのを私たちは目の当たりにしている」と彼は述べ、危険な社会の兆候が身近に迫っていることを例に挙げた。
具体的に、「美しいハリウッド大通りに立っている私たちの周りでさえ、理由もなく銃を構えたアメリカの秘密警察がマッカーサー・パークを急襲した」という出来事に言及し、「それは危険なことだ」と付け加えた。
『ザ・ワイヤー』が持つ普遍的なメッセージ
社会の闇をえぐり出す『ザ・ワイヤー』が持つ普遍的なメッセージは、20年以上前に放送が開始された当時と変わらず、今もなお痛烈に響いている。ウェンデルは最後に、「当時もまるで炭鉱のカナリアのような存在でしたが、今も同じくそうです。私たちはどんな社会の一員でありたいのでしょうか?」と問いかけ、作品が持つ“警鐘”としての役割が現代においても重要であることを強調した。
『THE WIRE/ザ・ワイヤー』全5シーズンは、U-NEXTで独占配信中。(海外ドラマNAVI)