ブラッド・ピットと『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督、『トップガン』シリーズのプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーがタッグを組んだ大作映画『F1®/エフワン』が、6月27日(金)より全国公開となる。F1®レースを舞台にした、“地上版『トップガン』”とも言うべきこの体感型エンタメ映画に出演するキャスト3人、ダムソン・イドリス(ジョシュア役)、ハビエル・バルデム(ルーベン役)、ケリー・コンドン(ケイト役)にインタビュー! ブラッドと仕事した感想や、実際のF1®の舞台で行った迫力と緊張感たっぷりの撮影現場などについて語ってもらった。
およそ30年前に名を馳せた元カリスマF1®ドライバーのソニー(ブラッド・ピット)は、かつてのライバルだった友人ルーベンに誘われ、最弱のF1®チームを救うために現役復帰を果たす。常識破りなソニーの振る舞いに、チームメイトである若きルーキーのジョシュアやテクニカルディレクターのケイトは困惑し、たびたび衝突を繰り返すが、次第に圧倒的なソニーの才能と実力に導かれていくーー。果たしてソニーは、バラバラのチームとともに過酷な試練を乗り越え、並み居る強敵たちを相手に逆転できるのか? それぞれの情熱と誇りを胸に、命がけで夢<スピードの頂点>に挑む!
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『トップガン マーヴェリック』監督&製作者も太鼓判!『F1®/エフワン』新星ダムソン・イドリスとは?
世界各国で社会現象を巻き起こした『トップガン マーヴェリック …
撮影を通じて飛び込んだフォーミュラ1の世界とは?
――ケリー、『トップガン マーヴェリック』のジョセフ・コシンスキー監督の新作に出演すると決まった時、どんな気持ちでしたか? また、実際に仕事をしてみて印象的だったことは?
ケリー・コンドン:仕事が決まったのはアカデミー賞授賞式の2日後で、私はノミネートされてて(注:『イニシェリン島の精霊』の助演女優賞)、まさに人生最高の1週間だった。電話を受けた後、あまりにも嬉しくてニコニコし続けてしまって、道ですれ違う見知らぬ人からさえ、「あなた、何か良い知らせがあったのね」と言われるほど、本当にワクワクしていたわ。
子どもの頃からジェリー・ブラッカイマー作品を見てきたけど、まさか自分がこんなハリウッドの大作映画に出るなんて想像していなかった。自分は女優になるとずっと思っていたとはいえ、私は「性格派女優」であって、こんな大作映画で主役級の女性を演じることになるなんて重大事よ。まるで宝くじに当たったみたい。
実際に仕事してみて驚いたのは、思ったよりずっとリラックスした現場だったこと。こんな大作プロジェクトなのに、リラックスした、すごく楽しい雰囲気だった。予算100万ドルの映画で仕事した時の方が、もっとストレスがあったくらいよ。その雰囲気の違いを分かってもらえるかしら。(この作品は)仕事が、本当に楽しかったの。
――お二人、ダムソンとハビエルはいかがでしたか?
ダムソン・イドリス:出演が決まったという知らせを僕が聞いたのは、タークス・カイコス諸島で夕陽を見てる時だった。一生忘れられないよ。誰かに自分の人生について話してたんだ。「ああ、(泣きそうな声を出して)結構苦労してきて、辛い人生だったんだ」って話をしてた。その時、電話がかかってきて、「ヘイ! レースカー・ドライバーになる準備はできてるか?」って言われたんだ。
ケリー・コンドン:まあ! なんてこと!
ダムソン・イドリス:もう、頭が真っ白。クレイジーになったよ。
ケリー・コンドン:それも夕陽が沈んでいく瞬間だったなんて!
ダムソン・イドリス:ああ、陽が沈んでいく時にね。
そして、仕事をして印象に残ったのは、なんといっても、みんなとの仲間意識。ファンタスティックとしか言いようのない、僕にとっての実際のヒーローたちに囲まれたこと。そして実際に会ってみたら、なんて謙虚な人たちなんだ!ってことが分かって(腕をケリーとハビエルに回して)驚くほど素晴らしい人たちだったんだ。
ハビエル・バルデム&ケリー・コンドン:オオー!(と、嬉しそうに喜ぶ)
ハビエル・バルデム:僕の場合は、食料品店でトマトを選んでた時だった(笑)
ダムソン・イドリス:マジで?“トス・カイコス”(タークス・カイコスの地名をもじって、トマトなどにドレッシングをかけることの「トス」に絡めて)じゃなくて、“ショップ・トマト”だったのか!(笑) 古い車に石投げてたとかじゃなくて?
ハビエル・バルデム:僕はシカゴにいて、そこに電話がかかってきた。ジョー(コシンスキー監督)とのZoomビデオ通話で、彼が話しだそうとしてるのに、僕は彼に話すチャンスを与えなかった。どれだけ『トップガン マーヴェリック』が大好きかってことを話し続けてしまったんだ(笑)
ジョーが「だが、話があるんだが」って伝えようとしていたのに、僕は「ノー、ノー、ちょっと待ってくれ。あのシーンのあの瞬間、あれを観た時は本当にたまげて」みたいになって、「ちょっと話させてくれ」と言われても、「ノー、ノー」ってしばらく話を止めなかった。で、(自分の思いを伝えてから)「何を伝えなきゃならないんだい?」って聞いたら、ジョーが「F1®についての映画を製作するので、あなたに関わってもらいたい」って言うじゃないか。「もちろん! やる! イエス!」って即答さ。決まり!ってね。
――ハビエル演じるルーベンとブラッド・ピット演じるソニーは、再会した瞬間から長年の関係性が感じられる雰囲気を醸し出していましたね。間や表情で意思疎通ができる感じは特に印象的でしたが、二人の空気感については監督やブラッド本人とも相談して方向性を決めたのですか?
ハビエル・バルデム:それについては(事前に)監督のジョーやブラッド、脚本家やプロデューサーと話したが、やはり実際には現場で演じてみて、どうなっていくか様子を見ることが重要だった。ブラッドとはとてもリラックスできる関係だと感じていた。彼もそう感じてくれていたと願うよ。ただシーンを演じてみて、僕たち二人がどこへ進んでいくのかを見てみることに心地良さを感じたんだ。
ケリーが先程言っていたように、メガホンを取るジョーは、ビッグバジェット映画を製作しているプレッシャーを感じさせることなく、僕たちにいろいろ違うオプションを与え、シーンを演じさせてくれた。あの再会シーンは長いセリフ場面だったから容易だった。楽しかったんだ。いろんなオプションを編集者と監督に渡し、幅広い選択肢を与えることができて嬉しかった。一つのシーンをじっくり撮り続ける機会が持てることに、とてもハッピーに感じた。2日かけてあのシーンを演じられたのは贅沢だったね。
――ダムソン、あなたは過酷なトレーニングに挑んで役作りをしたそうですね。苦しいこともあったかと思いますが、役作りをする中で一番面白かったことは何ですか?
ダムソン・イドリス:やっぱり車の運転が一番、気分爽快だった。最初は、どうなることかと想像もつかなかった。すでに車の運転経験はあったけど、フォーミュラ1カーに乗って、実際にグランプリからグランプリへと移動し、一つのシーンを10分という短い時間内に撮影するなんて。それも実際の観衆がいる中で。それには、凄いプレッシャーがあった。
でも、最後のレースシーンをアブダビで終えて、「ダムソン、これがあなたが運転する最後になります」と言われた時は、ちょっと涙が出てしまった。だって、その車は僕のベイビー、自分の子どもみたいになっていたから。車の側を通る度に(良い子だと)撫でたりしてたんだ(爆笑) 本当に素晴らしかった。撮影が終わった時は、ハートが張り裂けそうなくらい、本当に悲しかったね。
ハビエル・バルデム:(車と)一体になったからだね。
ダムソン・イドリス:そうなんだ。僕はタイヤの上に乗ったり、歩き回ったりしていてね。周りには整備士がたくさんいて、彼らが何やってるかが分からなくても、イエス!って車を見つめて、「それ直して」とか「そこ締めて」とか言ってたよ(笑)
――実際のF1®サーキットでの撮影はいかがでしたか? 実際のF1®サーキットで、しかもレースの最中に撮影されたシーンもあったりと、撮り直しのできない一発勝負の撮影も多かったと思いますが、緊張感とはどのように付き合いましたか?
ケリー・コンドン:とにかくしっかり準備した。ジョーは準備とリハーサルをとても重視していて、私のシーンも、ピットウォールでのほかの役者たちとの共演シーンも、何度もリハーサルしたの。おかげで、本番になった時には、確かにプレッシャーはあったけど、恐怖からのものではなくアドレナリンによるワクワク感覚から来るプレッシャーだった。
私が特に気にしていたのは、実際のF1®レースに迷惑をかけたくない、ということだったから、彼らの気を散らさないように注意していた。私たちは彼らの領域に入り込んだゲストのような気持ちだったから、とにかく頭を下げて、目立たず、きちんとやって、すぐに現場から離れるよう心がけた。何の騒ぎも起こしたくなかった。私たちが素人のアマチュア団体みたいに見えたら、すごく恥ずかしいから。「きちんとやって、さっさと出て行って、彼らの邪魔にならないように」という思いが常にあったことはプレッシャーだった。だって、彼らはリアルにそこで本物のレースをやっていたのだから。
――ハビエルとダムソンはいかがでした?
ハビエル・バルデム:あの現場にいることでのプレッシャーもあったが、同時にその世界を間近で内面から見られるという贅沢もあった。現場にいなければ見えなかったディテールを吸収し、キャラクターの演技に活かすことができたのは、本当に恵まれていたと思う。それは恩恵だった。
個人的には、(本作に関わったことで)この世界をもっと敬うようになった。これまであまり知らなかったが、今では理解できるようになった。一つのF1®レースを成立させるために、もの凄い数の人が関わっているんだ、ということがよく分かった。車とドライバーが目標を達成できるように、どれだけ裏方がヘルプしているか。それが明らかになったんだ。
ダムソン・イドリス:僕も最初はケリーと同じように、誰にも迷惑をかけず、邪魔することなくやろうという気持ちが先にあって、みんなと自然に溶け込もうと臨んだ。でも次第に、FIA(国際自動車連盟)のスタッフとも家族のような関係になっていき、何から何まで全力でサポートしてもらった。実際に多くのF1®ドライバーがこの映画にカメオ出演してくれたし、彼らが前向きに、楽しみにしてくれたのも嬉しかった。
思い出すのは、僕とブラッドがチームと一緒に写真を撮ったこと。多分、すべてのチームと。どのチームも彼らのレースカーの横に並んでポーズして、各チームがクルー勢揃いで記念撮影したんだ。僕とブラッドがレッドブル、フェラーリ、メルセデスという感じに一つひとつ順番に回って、すべてのチームと写真を撮った。だって、みんな本当に興奮して、応援してくれてたから。
映画に現実味を持たせることを僕らが目指している、ってことを彼らは理解してくれていた。すごく心強かったよ。僕たち二人が一緒にやったこと、スクリーンに映し出されたものを見れば、この体験なしには成し得なかったものだと分かる。だから、フォーミュラ1の世界に、心から敬意を表したい。
――ケリー演じるケイトはF1®界初の女性テクニカルディレクターで、現実のF1®界にはまだその存在がいません。まだまだ男性社会と言われる世界でそういう役柄を演じたことについてどう思われますか?
ケリー・コンドン:女性のストラテジスト(戦略担当)は実在しているから、役作りにはそんな現実の戦略家たちを参考にした。ルース・バスコムが女性戦略家としてセットで助けてくれたし、ほかにもバーニー・コリンズなど、何か知りたいことがあったら質問できる女性たちが存在してくれたの。
ただ、演じている時は「女性だから」という意識はあまりなかった。だってテクニカルディレクターというポジション自体が、性別に関係なく非常に責任の重い役割でプレッシャーがあるから。何かあったら、テクニカルディレクターの誰かが責められる役となる。
この道に進むには大抵、大学でエンジニアリングの学位を取得してから、職に就く。エンジニアリングの世界は依然として男性中心で、周りの人たちは(大学の時から)男性ばかり。何の違いもない。いつものようだと、F1®の仕事を始める頃には、もうそれが普通になって、女性という特別視は消えていく感じだと思うわ。
――皆さんは劇中でF1®チームの一員を演じ、そして撮影中には現実のF1®チームの仕事ぶりに触れる場面もあったと思います。映画作りもチームで行うものですが、何か共通すると感じたことはありますか?
ハビエル・バルデム:現実のドライバーたちとも、大きな共通点があると思う。ただし、映画では俳優を実際に危険な目に遭わせることはない…と言いたいところだが、実はそうでもない(笑) ダムソンとブラッドはその良い例(笑) トム・クルーズとか、多分ほかの多くの俳優たちもね。だから、(共通する点としては)肉体的危機への緊張感があるだろうな。僕は撮影中、彼らが運転してる時はあまりにナーバスになり、見ていられなくて現場を離れたくらいだ。
ケリー・コンドン:映画のクルーはコスチュームとして、ブラッドたちが所属する架空のチーム「APEX GP(エイペックスGP)」のユニフォームを着なければならなかった。フォーミュラ1のチームのように見えないと、周りと調和しないから。(私たちが参加しているのは)実際に行われているレースで、中継用のヘリコプターの空撮とかもあるから、私たちは目立たないようにしなきゃならなかった。上から見て映画のクルーたちが目立っちゃうと、「あれは何だ?」ってなるもの。だからクルーもみんなユニフォームを着て、現場ではF1®チームの一員に見える必要があったの。
ダムソン・イドリス:チーム代表とドライバーの関係って、映画で言えば、監督と主演俳優の関係みたいだ。ジョーとブラッドの関係が、まさにそれだった。映画の成功や失敗が、個人(監督や主演俳優)に向けられてしまう点も、フォーミュラ1と同じ構造だと思う。結果が悪いと、ドライバーやチーム代表のせいにされたりね。そういうところは映画製作とF1®チームとの共通点だと思う。
ケリー・コンドン:あと耳にしたのは、誰かが機嫌の悪い日があるってこと。フォーミュラ1は9ヵ月もの間、出張しながらレースを続けるから、多くの人たちは長期間、家に残った家族と離れ離れになる。子どもたちに会えなくて恋しくて、落ち込む時もある。そんな時は、チームのほかのメンバーが調子の悪い人たちの役割をカバーするの。私たちの映画撮影もそこは同じだと感じたわ。2年にわたる撮影で、役者の誰かが体調を崩すと、ほかのメンバーが支える必要がある。
ダムソン・イドリス:ああ、ケリーはいつも僕をかまってカバーしてくれた。(感動して涙を拭くフリをしながら)
ケリー・コンドン:(笑) 私は彼に炭酸水を差し出してサポートしてた(笑) 「炭酸水、いる?」って聞くのが私の癖みたいになってたわね。ほかの人が体調を崩した時、周りがフォローするの。そういうところも共通点だった。今振り返ると、ハッピーな日々だったわね。
――本作のプロデューサーも務めたルイス・ハミルトンをはじめ、フェルナンド・アロンソ、マックス・フェルスタッペンといった名立たるレーサーたちが本人役で登場していますが、そんなF1®界のスターたちの存在は刺激になりましたか?
ダムソン・イドリス:なんとも見事だった。だって、映画で誰かの人生を描こうとしている時、その人物が実際に自分の目の前で、人生抱えて歩いて出てくるわけだから!(笑) 毎日、目の前にいるんだ。「あー! 彼、お茶はこういう風に飲むんだな! OK!」みたいな(お茶飲むフリをしながら笑う)。だから見事なんだ。彼らは言葉を発することなく、僕を手助けしてくれていたよ。
そしてルイス(・ハミルトン)はプロデューサーとして我々の映画を支えてくれた。撮影とストーリー語りを後押しして、つまり、これが映し出してほしいフォーミュラ1のルックスだと表現してくれた。そんな彼の存在は、かけ甲斐のないものだったよ。
ハビエル・バルデム:彼らはみんなモナコで映画鑑賞したんだよね。観客はみんなパイロットたちで、F1®関係者。
ケリー・コンドン:厳しい観客層で、どう見られるか、すごく緊張した。
ダムソン・イドリス:だけど、みんなとても気に入ってくれたんだ。
ハビエル・バルデム:それは、何よりの祝福だったね。
――世界各所をチームで巡った撮影だったそうですが、皆さんそれぞれの思い出深い撮影地は?
ハビエル・バルデム:僕にとって特に思い出深いのは、最後の地となったアブダビ。映画のラストでもあって、エモーショナルになった。実際のレースが終わった直後、ドライバーがレースカーから降りて、実物の表彰台を使っての撮影。花火が上がって、観衆がいて、その一発撮りの緊張感も含めて、ギリギリまで追い詰められるような感触だった。思わず感情的になってしまったよ。
ケリー・コンドン:私にとってはハンガリーね。レース後、「パルクフェルメ」と呼ばれる車両保管場所でのシーンを撮影した時。そこにはレースカーが並び、誰も車に不正していないことをテストで確認するの。その場所で、チームにとって素晴らしい瞬間のシーンを撮影していたの。みんなが意気揚々と嬉しい気持ちになっている場面をね。ただ、そこでの撮影はストレスを伴うものだった。だって、そこにある実際の車に誰かが一度でも触れたら、レース失格になるから。
カメラはダムソンとブラッドが車から降りるところを捉えなければならず、そのためにカメラスタッフは、どの車にも触れないようにしながら、後ろ向きに歩いていかなきゃならない。さらには実際のドライバーたちがすぐ横を歩いていて、本当にクレイジーだった。レースを終えたばかりで汗をかいてる本物のドライバーたちが、私たちの真横を歩いているのよ!
そんな中、私たちは2テイクだけで、5分間で、そのシーンを仕上げなければならなくて、ものすごい緊張感だった。そのシーンを撮り終えた時には全員が達成感に包まれて、素晴らしい絆で結ばれた瞬間だったわ。
ダムソン・イドリス:僕の場合はシルバーストンだな。家族がその日、セットに来ることができて、セットの裏方に入り込んで、その日撮影されてるフッテージを見たんだ。家族がこの映画に興奮している様子を目にすることができた上、どうやって映画が作られているのかを彼らに見せられたのは、とても特別な体験だった。僕はロンドン出身のロンドン・ボーイだからね。
ケリー・コンドン:(シルバーストンでは)イギリス国歌を歌ったのよね! すごい日だったわ。
ダムソン・イドリス:ああ、僕たちはドライバーたちと並んで、一緒に国歌を歌えたのも忘れられない。
ケリー・コンドン:クレイジーに凄かったわよね。
――ハビエル、あなたとブラッドは、2010年の『食べて、祈って、恋をして』(ブラッドは製作、ハビエルが出演)や2013年の『悪の法則』(ともに出演)でも一緒に仕事をしていますが、本作以前から関係性が深いのでしょうか?
ハビエル・バルデム:いや、ほとんど会ったことがなかった。知り合いではなかった。『悪の法則』では一度すれ違っただけ。ちゃんと知り合ったのは、今回の現場が初めてだった。最初に彼に会ったのはテーブルリーディング(台本読み)の時だった。
――では、ブラッドについて新しい発見があったのでしょうか?
ハビエル・バルデム:僕は今56歳で、この仕事を34年か35年やってきたけど、そのキャリアの中で誰かと関係がうまくいかなかった経験は一度だけ。その人は、誰にとっても不可能と思わせるくらいのツワモノで。
ダムソン・イドリス:すまん、申し訳なかった(笑)
ハビエル・バルデム:(笑) まあ、でも一人だけだった。昔の話さ。だからいつでも、誰との仕事も容易にうまくいく、と想像して臨むんだ。そして、本当にそうなる。どんなビッグな俳優相手でもね。彼らはハードに働く人たちで、だからこそその地位にある。そして才能がある。僕たちが羨望する人たちは、羨望されるだけのものがある。それが分かる。ブラッドの場合は、まさにそうだった。
――ダムソンはブラッドの大ファンだと聞きましたが、本当ですか?
ダムソン・イドリス:(笑) あはは、イエス。(戸惑ったような表情で)
ケリー・コンドン:(笑) ノー。(全員、大笑い)
――ただの噂だったんですね(笑)
ハビエル・バルデム:うーん、僕たちみんなファンだよ(笑)
――そんなブラッドと共演して印象的だったことは何ですか?
ダムソン・イドリス:夢が叶った気分だった。最初に会ったのは確かシルバーストンかロッキンガムでのトレーニングの時で、彼がすごく協力的なのが印象的だった。一緒に仕事をして最も印象に残ったのは、彼が周りの人たちに成功してもらいたい、達成してほしいと、と助力する人だったこと。常に周囲を引き立て、人を輝かせようとするんだ。それは見てて美しいものだった。彼は最高のリーダーだ。
彼がシーンを追加したり構成していくのを目撃し、そのおかげで、僕のキャラクターであるジョシュアは当初脚本に書かれていたよりも大きな存在になっていった。そんな人と一緒に働けるなんて、まさに夢が現実になったよ。
この映画の撮影後、僕が南アフリカで別の映画を撮った時に、「次の映画での僕の腹筋の方が、君のよりベターになるからな」って、ブラッドに言ったんだ。というのも、僕は『トロイ』が大好きで、あの映画で彼が披露した腹筋が気になってたから(笑) すると彼は僕を見て、ちょっと間を置いてから、「ハァッ!」と笑い飛ばした。まるで、誰の腹筋も俺を超えられないぜ、って感じにね(笑) 最高だね。クールな男だ。一緒に仕事ができて、幸せだったよ。
――ありがとうございました!
映画『F1®/エフワン』(配給:ワーナー・ブラザース映画)は6月27日(金)全国公開。
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(海外ドラマNAVI)