神経疾患ALS(筋萎縮性側索硬化症)であることを診断されたエリック・デイン(『グレイズ・アナトミー』『Euphoria/ユーフォリア』)が、朝の情報番組『Good Morning, America』に出演し、右半身が動かなくなっていることを涙ながらに語った。
-
『グレイズ・アナトミー』エリック・デイン、ALS診断を公表
『グレイズ・アナトミー』のマーク・スローン役や『ザ・ラストシ …
ALS診断までの苦悩と現実
「左半身は動きますが、右半身は完全に動かなくなりました」と話し、左腕も徐々に弱まっている現状を告白。さらに、「あと数ヶ月もすれば、左手も使えなくなるかもしれないと感じています。本当に現実を突きつけられます」と、病気の進行に対する不安を口にした。
エリックは、9カ月に渡る検査の結果、2025年4月にALSと診断された。最初の症状が現れたのは1年半前で、右手に力が入らなくなったことが始まりだったという。
「当時は特に気にしていませんでした。スマホの打ちすぎか、手の疲れだと思っていたんです。でも数週間後、少し悪化していることに気づきました。それで手の専門医に診てもらい、さらに別の手の専門医を紹介されました。次に神経科医に診てもらい、その神経科医もさらに別の神経科医を紹介してくれて、”これは私の専門を超えています”と言われました」と、診断にたどり着くまでの医療機関を転々とした経緯を明かした。
この投稿をInstagramで見る
ALSという病、そして家族の支え
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、致死性で進行性の神経変性疾患であり、体内の神経が徐々に破壊されることで筋力が低下し、最終的には麻痺を引き起こす。呼吸、会話、運動など、患者の様々な機能に深刻な影響を及ぼし、現在、治療法は見つかっていないのが現状だ。
「この3文字(ALS)は一生忘れません」とエリックは語る。「目が覚めた瞬間から常に意識しています。これは夢なんかじゃないんです」
妻であるレベッカ・ゲイハート(『NIP/TUCK マイアミ整形外科医』)と娘たちの存在が、エリックの大きな支えとなっている。レベッカからのサポートについて語る際、彼は涙ぐみながら、「僕たちはより良い友人、より良い親になることができました」と感謝の言葉を述べた。「彼女はおそらく僕の最大の味方であり、最も頼りになる支えです。僕は彼女に支えられています」と、揺るぎない絆を語った。
娘との悲しい経験、そして仕事への情熱
エリックはまだ歩くことはできるものの、脚の機能についても不安を感じているという。シュノーケリングをしていた際、泳ぐ体力が残っていないことに気づき、娘に水中から助け出してもらうという恐ろしい体験もした。
「娘が僕をボートまで引っ張ってくれたんです」とエリックは話す。「涙が止まりませんでした。でも、娘が友達と一緒にまた水に戻ってシュノーケリングを続けられるようにしました。胸が張り裂ける思いでした」
ALSと診断されたにもかかわらず、エリックは『Euphoria/ユーフォリア』シーズン3への出演を続ける意向を示しており、「心の中では、これが自分の終わりだとは感じていません」と力強く語る。「できる限り闘っています。自分の力ではどうにもならないことがたくさんあります」と、前向きな姿勢を見せた。
また、7歳のときに父親を自殺で亡くした経験を持つエリックは、今回の診断に対して「とても」怒りを感じているとも明かした。「父は僕が幼い頃に奪われてしまいました。そして今、僕の娘たちがまだ幼いのに、今度は僕が彼女たちから奪われる可能性が高い。だから怒りを感じています」と、やり場のない感情を吐露した。
『Euphoria/ユーフォリア』と並行して、エリックはAmazonの新シリーズ『カウントダウン』にも出演。最近のVarietyのインタビューでは、俳優として「今も何でもやる準備と意欲がある」と語ったエリック。
「でも、理解している通り、今の自分には演じられない役もあるでしょう」と付け加えた上で、「『ユーフォリア』に取り組んでいますし、『カウントダウン』も撮り終えました。その範囲では、かなりちゃんとやれていると思います」と、ALSを抱えながらも俳優としてのキャリアを全うする決意を語っている。
『カウントダウン』は6月25日(水)よりPrime Videoにて独占配信スタート。(海外ドラマNAVI)