『ザ・ピット』ノア・ワイリー演じる医師の年収は?リアルすぎる医療ドラマの裏側

サプライズヒットを記録した『ER 緊急救命室』ノア・ワイリー主演の医療ドラマ『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』。ドラマはノア演じる救急担当医の8時間のシフトを追いかけるが、それは次第に「地獄のシフト」へと変わっていく。医師の給与がドラマ内で明かされることはないものの、視聴者としては、これほどの犠牲を払う彼らが十分な報酬を得ていることを願わずにはいられない。では、彼のようなシニア救急担当医は、実際にどれくらいの収入を得ているのだろうか?

 

緊迫の救命現場を支える医師の“リアル”な収入とは?

そのリアルな医療描写で高い評価を得ている『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』。架空のピッツバーグ外傷医療病院を舞台に、まるで本物の救急救命室を覗き見ているかのような臨場感で、視聴者を釘付けにする。若手や無名の俳優を多用し、劇中に音楽をほとんど使わない自然主義的なアプローチは、ドキュメンタリーのような没入感を生み出しているのだ。

時には胸が締めつけられるような救急医たちの一日を追っていると、誰もが「こんな大変な仕事を選んでくれる人がいることに感謝せずにはいられない」と思うことだろう。特に、ノア演じるシニア救急担当医のロビナヴィッチ医師は、現場全体を統括し、スタッフ間の人間関係のトラブル、病院経営陣からの要求、そして自身のメンタルヘルスケアまで、あらゆる重圧を一身に背負っている。

現実のデータによると、救急医療分野で働く医師の平均年収は37万9,000ドル(約5,900万円)とされている。これは医師の経験年数や勤務する州によって異なるが、2023年のMedScape医師報酬レポートによれば、ロビナヴィッチ医師が働くペンシルベニア州は、医師の収入が最も低い州の一つであり、平均年収は34万4,000ドル(約5,300万円)だ。

これらの数字から、ロビナヴィッチ医師の年収は、おおよそ30万ドル(約4,700万円)から40万ドル(約6,200万円)の間と推定できる。アメリカ医師会のデータでも、2023年の救急医の平均年収は38万5,554ドル(約6,000万円)と報告されている。2024年のレポートでも、救急医の平均年収は37万9,000ドルであり、全医師の平均36万3,000ドル(約5,600万円)よりやや高い水準を保っている。

もちろん、架空のキャラクターなので正確な収入は不明ながらも、救急医は専門性の高さから高収入であり、ベテランの担当医であることを考えると、ペンシルベニア州の平均よりは高めの、おそらく40万ドルに近い年収を得ていると推測される。彼の仕事に伴う絶え間ない精神的苦痛を補うには十分ではないかもしれないが、その専門性と献身に見合う報酬を受け取っていることは確かだろう。

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『ザ・ピット/ピッツバーグ救急医療室』シーズン1は、U-NEXTにて独占配信中(海外ドラマNAVI)

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