
米CWの人気超常現象ドラマ『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』は、兄弟サムとディーンの活躍を描き、15シーズンにわたって高い支持を集めた伝説的シリーズだ。
そんな本作のスピンオフとして制作された前日譚ドラマ『ウィンチェスターズ』は、ファンの期待を背負って登場したものの、残念ながら1シーズンで打ち切られる結果となった。なぜこのスピンオフは成功しなかったのか? 米Screen Rantがその背景を報じている。
何度も失敗してきた『スーパーナチュラル』スピンオフ
CWはこれまでにも『スーパーナチュラル』のスピンオフ企画を複数立ち上げたが、いずれもシリーズ化には至らずに終わっている。その中でようやく実現に至った『ウィンチェスターズ』は、サムとディーンの両親、ジョン・ウィンチェスター(ドレイク・ロジャー)とメアリー・キャンベル(メグ・ドネリー)の出会いや恋を描く青春ドラマだった。
2022年10月に放送が始まり、当初はCWで最も視聴された新作として華々しいデビューを飾ったが、エピソードを重ねるごとに視聴率は右肩下がりに。最終的に1シーズンでの打ち切りが決定された。

放送局の事情と時代の変化
作品の不調に加えて、CW自体も大きな転換期を迎えていた。『ウィンチェスターズ』が放送を開始した2022年、CWはネクスター・メディア・グループに買収され、若年層向けのドラマから、高齢層向けのリアリティ番組やスポーツ中継への路線変更を進めていた。こうした戦略転換により、多くのドラマ作品が打ち切られ、『ウィンチェスターズ』もそのひとつとなった。
さらに追い打ちをかけたのが、2023年に起きた全米脚本家組合(WGA)およびSAG-AFTRAのストライキだ。シーズン1の終了からわずか2カ月後に始まったこの業界全体の停滞により、新たな配信先を探すことも難しくなり、同年6月に正式に「復活の見込みなし」と発表された。
魅力に欠けたキャラクターとトーン
打ち切りの最大の理由は、やはり本家『スーパーナチュラル』のような魅力を再現できなかったことだろう。
『スーパーナチュラル』は、サムとディーンの兄弟愛を軸に、ホラーとユーモア、そして感動が絶妙にブレンドされた作品だった。それに対し、『ウィンチェスターズ』はアンサンブル・キャストを中心とした構成で、ホラーとコメディの融合を目指したものの、ユーモアに乏しく、“気楽に楽しめる魅力”に欠けていたという声が多かった。
また、ジョンとメアリーを主人公に据えた点についても、多くのファンは関心を示さなかった。特にジョン・ウィンチェスターは、オリジナルシリーズ内では息子たちに厳しく、良き父親とは言い難い存在として描かれていたこともあり、その過去を掘り下げることに魅力を感じなかったという意見も多い。
『スーパーナチュラル』の最終回は賛否両論だったものの、シリーズ終了から5年が経った今でも、世界中のファンに愛され続けている。それだけに、スピンオフに求められる期待は大きく、そのハードルを越えられなかった『ウィンチェスターズ』が打ち切られるのも、ある意味で必然だったのかもしれない。
『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』全15シーズンはU-NEXTにて配信中。『ウィンチェスターズ』はPrime Videoにて配信中。(海外ドラマNAVI)
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Photo:『SUPERNATURAL スーパーナチュラル』©︎Warner Bros. Entertainment, Inc.