『クリミナル・マインド』モーガン役シェマー・ムーアが降板した理由と復帰の可能性
『クリミナル・マインド FBI行動分析課』(C)ABC Studios

2005年の放送開始から長きにわたり人気を博し、間もなく待望のシーズン18がスタートする大ヒット犯罪捜査ドラマ『クリミナル・マインド FBI行動分析課』。長く続く犯罪捜査ドラマの宿命とでも言おうか、劇中では様々な人気キャラクターの退場劇が数多く描かれてきた。そんな同作における退場劇の中でも、とりわけ視聴者を大きく混乱させたのが、シェマー・ムーア演じるデレク・モーガンのフェードアウトであった。一体なぜシェマーは、『クリミナル・マインド』を降板するに至ったのか? 米Screen Rantがその理由を紹介している。

 

人気キャラクターの突然の別れが波紋を呼んだ

『クリミナル・マインド FBI行動分析課』ではシーズン3製作中にマンディ・パティンキン(『HOMELAND』)演じる初代リーダー、ジェーソン・ギデオンが突然降板。代わってジョー・マンテーニャ(『ゴッドファーザーPART III』)が演じるデヴィッド・ロッシが加入し、チームを支えた。さらに、トーマス・ギブソン(『ふたりは最高! ダーマ&グレッグ』)演じるアーロン・ホッチナーも製作側と揉め事を起こしシーズン12で突如として番組から姿を消した。

こうした数々のキャスト交代にも関わらず、本作の人気は揺るがなかったが、デレク・モーガンの離脱は別格であった。シェマーが演じたモーガンは、シリーズ初期からBAU(行動分析課)の中核を担うキャラクターとして存在感を放ち、チームの精神的支柱でもあった。彼の不在は、本作にとって計り知れない痛手となったのである。

モーガンの軌跡と、シーズン11での決断

デレク・モーガンは、シリーズ第1話から登場し、当初はユーモラスで軽快な一面を見せながらも、回を重ねるごとにそのキャラクター性を深めていった。幼少期に警察官だった父親を目の前で殺されるというトラウマを抱えながら、チームの一員として数々の難事件を解決してきた。

転機となったのはシーズン11。第16話「デレク」では、モーガン自身が誘拐され、激しい拷問を受ける。彼は自らを拷問した一味を倒し脱出するも、そのわずか2話後の第18話「美しき惨劇」では、今度は妻であるサヴァンナが銃撃されてしまう。モーガンは犯人逮捕に力を尽くした後に、チームに別れを告げることを決断。亡き父にちなんで名づけられた生まれたばかりの息子ハンクを抱え、BAUを離れた…。このエピソードが、シェマーの『クリミナル・マインド』における最後のレギュラー出演となった。

シェマーの降板理由は「新たな挑戦」への意志

他のキャスト降板劇と異なり、シェマーの退場には制作側との確執やトラブルは存在しなかった。彼が番組を去った理由は、極めてシンプルである。すなわち、11シーズンにわたり一つの役柄を演じ切ったことで、モーガンというキャラクターのすべてを表現し尽くしたという確かな実感、そして「環境を変える時が来た」との思いから、自らの意思で退くことを決断したのである。

『クリミナル・マインド』の撮影は、1シーズンで約10カ月を要する長丁場。そのため、他のプロジェクトに取り組む余裕はほとんどなかった。シェマーは新たな作品への挑戦と同時に、私生活にも時間を割きたいという希望を抱えていたのだ。

モーガンは今も“生きている”──再登場の可能性は?

シーズン11でレギュラーを降板したとはいえ、モーガンというキャラクターは物語の中で今なお生存している。つまり、完全な幕引きではなく、物語の扉は常に開かれているということである。事実、シェマーはその後のシーズンで何度かカメオ出演を果たしており、シリーズとの繋がりを完全には絶っていない。

現在、彼が主演を務めた『S.W.A.T』が8シーズンをもって終了したタイミングであることから、『クリミナル・マインド』への本格復帰を望むファンの声も日に日に高まっている。

『クリミナル・マインド』シーズン1~17はDisney+(ディズニープラス)で配信中。(海外ドラマNAVI)