
韓国ドラマのジャンルは、多岐にわたる。青春、恋愛、復讐劇に時代劇……そんな人気ジャンルをすべて詰め込んだドラマ『チェックイン漢陽』が現在Leminoにて配信中(第1話~第3話までは無料配信中)だ。4月26日(土)にはドラマのファンミーティングの日本での開催も決定している。
今回は、そんな注目ドラマ『チェックイン漢陽』の韓国ドラマライターによるレビューをご紹介しよう。
韓国ドラマ『チェックイン漢陽』感想レビュー
『チェックイン漢陽』は亡き父の言葉を守り、女らしさを隠して男性として生きてきたホン・ドクス(本名:ジェオン)が、世界中のお金持ちが集う宿泊施設「龍天楼」に見習いとして入り込み、総支配人・大閣主に近づいて父の死の真相を知ろうとする物語。

現王の息子で、お金の力で王の座を揺るがそうとする龍天楼の主・太上房主の秘密を探るために身分を隠して龍天楼に潜入するウノ(本名:ウン)や、太上房主の息子でこちらも身分を隠して修行中のジュナ、貧しい一族出身でお金を稼ぐために努力するスラの同期4人が切磋琢磨していく姿が描かれている。
大閣主に近づくには、様々な試験に合格して、まずは従業員として認められなければならない。4人はわからないことは積極的に尋ねるが、「ですが」とよく言うことから“ハオナ(ですが)四人衆”と呼ばれるように。教官に目をつけられながらも臨機応変な対応力があるドクスをはじめ、それぞれの力を合わせて次々に試験に合格していく。
ドクスを演じるのは、1993年生まれのキム・ジウン。Netflixにて配信されているチョン・ヘイン&チョン・ソミン共演のドラマ『となりのMr.パーフェクト』では彼らの親友役を演じ、ぶつかりがちな二人の恋愛を見守る緩衝材のような役割を果たしたことが記憶に新しい。

父親が刺されるところを目撃した悲しい過去を持ちながら、自分の志に従って明るく生きるドクス。ドラマ『恋慕』で男性として生きる女性を演じたパク・ウンビンのように、運命のまま男性に扮するキャラクターだ。女性にも男性にも見えてくるような佇まいと演技力で違和感を覚えさせず、純粋で豊かな表情を見せるのがキム・ジウンの魅力だろう。
また、本作のキーアイテムとなるのは「黃銅金匙(ファンドングムシ)」と呼ばれる、二つなければ意味を成さない金色の鍵。ドクスの父親は生前、この鍵でしか開けられない箱に龍天楼の秘密が書かれた帳簿を保管していたため、それによって今の地位を失う可能性がある者たちが、鍵を探しているのだ。
一つはドクスが父の形見として、もう一つはドクスの父と共に龍天楼を共同経営していた太上房主が所持していた。父親の威厳を取り戻すためにも、太上房主の弱みを握ろうとしているウノは、ドクスが鍵の一つを持っていることを知って近づこうとする。ドクスはそんなウノに異変を感じて敵視していたものの、川で溺れた時に助けてもらったことをきっかけに心を許すようになっていく。

ドクスと次第に心を通わせるようになるウノ役のペ・イニョクは、ドラマ『なぜオ・スジェなのか』や『烈女パク氏契約結婚伝』などに出演し、本作同様に芯が通っているキャラクターを演じてきた。その演技力もさることながら、色白で端正な顔立ちには吸い込まれるような魅力がある。何度か日本でもファンミーティングを実施しており、今後の活躍が楽しみな俳優の一人だ。
そして自由でド直球なジュナを演じるチョン・ゴンジュや、バラバラになりそうな三人を裏でしっかりと支えるスラを演じるDKZのパク・ジェチャンの存在も欠かせない。物語が進むにつれて、激しく移り変わる二人の心も注目ポイント。


幸せだった人生を奪った、父親を殺した犯人への復讐を軸に、かけがえのない友情や恋愛も映し出す本作。決して恋愛がメインではなく、そして復讐モノだからといってドロドロしているわけでもなく、人間同士の熱い関係性が時にポップに、時に感動的に描かれている。
さらに、「旅閣」が舞台であるため、朝鮮にタイムスリップして旅行をしているような気分になることもできる。王宮にも引けを取らない大きな土地の中に、池を眺めるカフェのようなエリアやスパエリアがあり、食事の時には最高級の料理が並ぶ。
そんな夢のような場所で、最上級のおもてなしを学ぶ4人。問題を起こしながらもどこまで上り詰めていくのか。4人が人生を穏やかに過ごせる日々は来るのか、ぜひ最後まで見守ってほしい。

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