
米FOXが、日本のベストセラー小説「コーヒーが冷めないうちに」を原作としたドラマ企画に取り組んでいると米Deadlineが報じている。
原作は世界中で大ヒットした川口俊和の名作小説
「コーヒーが冷めないうちに」は、川口俊和がもともと舞台用の戯曲として書いたものを2015年に自ら小説化した短編集。2017年には本屋大賞にノミネートされ、映画化もされている。さらには多言語に翻訳され国境を越えた大ヒット作となり、世界中から映像化のオファーが届いていた。
物語の舞台は、家族経営のとあるカフェ。ここでは、自分の人生を変えた過去のある瞬間に戻ることができる。ただし、過去に戻ることができるのは、コーヒーがカップに注がれてから冷めるまでのわずかな間。過去を変えることはできないが、「現在の何を手放せるか」が希望ある未来への扉を開く鍵になるのかもしれない。そうやって多くの人に慰めを与えてきたカフェの一家も、やがて自分たちの過去と向き合わなければならなくなる…。
なお、原作小説では東京の裏路地にある喫茶店が舞台となっていたが、FOXのドラマではアメリカ・サンフランシスコのジャパンタウンへと変更される。
「コーヒーが冷めないうちに」がこのままハリウッドでドラマ化されれば、『タイムレス』や『タイムマシーンにお願い』『ジャーニーマン ~時空を越えた赤い糸』といった時間移動をテーマにしたドラマの系譜に加わることになる。
『HOMELAND』生みの親がショーランナー
'Before The Coffee Gets Cold' Drama Based On Book In Works At Fox From Gideon Raff & Jackal Group https://t.co/BpCtIHEx8a
— Deadline (@DEADLINE) April 11, 2025
本プロジェクトでは、人気スパイドラマ『HOMELAND』の元となったイスラエルドラマ『プリズナーズ・オブ・ウォー』のクリエイターを務めたギデオン・ラフが脚本・ショーランナーを担当し、Netflixの大ヒットドラマ『ウェンズデー』などを手掛けたゲイル・バーマン率いるジャッカル・グループとソニー・ピクチャーズ・テレビジョンも制作に関わる。
プロジェクトの始動は、2021年にさかのぼる。ロサンゼルスに本拠を置く制作会社SKグローバルが原作の映像化オプション権を獲得し、ジャッカル・グループと共同でドラマシリーズ化を進めることを発表。そしてこの度、バーマンが過去に所属していたFOXも加わることになった。
ラフは、『プリズナーズ・オブ・ウォー』のほかには『タイラント -独裁国家-』『DIG/聖都の謎』『ザ・スパイ -エリ・コーエン-』などを手掛けている。
一方のバーマンは現在、Disney+での『マルコム in the Middle』のリバイバルや、米Huluでの『バフィー~恋する十字架~』リブート版にも製作総指揮として関わっている。(海外ドラマNAVI)