『グレイズ・アナトミー』最大のスキャンダルをクリエイターが振り返る!今でもトラウマを抱える理由とは?

米ABCのご長寿医療ドラマ『グレイズ・アナトミー』のクリエイターであるションダ・ライムズは、かつて番組を揺るがしたイザイア・ワシントンのスキャンダルについて振り返り、「あの出来事が番組を終わらせると思った」と語った。
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番組が終ってしまうと思った

イザイアは2007年、撮影現場で同性愛差別的な発言をしたことで解雇された。彼は当時、プレストン・バーク医師を演じていたが、その発言が問題視され、番組からの降板を余儀なくされた。ライムズは、The Hollywood Reporterのインタビューで「番組の成功によって生まれた“幸せの泡”が、たった2年で弾けてしまった」と振り返る。

「当時のキャストと話すと、いまだにあの出来事にトラウマを抱えているんです。みんな今でも語るほどです」とライムズは明かした。

現在、『グレイズ・アナトミー』は21シーズン目に突入し、史上最も長く続くプライムタイムの医療ドラマとなった。その成功によって、当時のスキャンダルは徐々に影を潜めていったが、それでもライムズは「あの出来事が番組を終わらせると思っていた」と繰り返した。

イザイアの問題発言は、撮影現場でデレク・シェパード役パトリック・デンプシーとの口論の際に飛び出した。彼は2007年7月に『ラリー・キング・ライブ』に出演した際に、その発言について「差別的な意図はなかった」と釈明。「私は同性愛嫌悪ではない」と主張したが、共演者のT.R.ナイト(ジョージ・オマリー役)を侮辱する意図で発言したのではないかという憶測が広がった。

さらに、同年のゴールデングローブ賞の舞台裏でワシントンは再び同じ言葉を発し、後に改めて謝罪を表明。「自分の行動を弁解も説明もできない。ただ、自分自身に対して、この問題を深く見つめ直す必要があると認めざるを得なかった」と述べた。

イザイアはT.R.ナイトに直接謝罪し、「彼の勇気は本当に素晴らしい。彼の才能と人格を高く評価している。ただの謝罪では十分ではないことも理解している。これからの行動で誠意を示していきたい」と語った。

2021年に出版された書籍「How to Save a Life: The Inside Story of Grey's Anatomy(原題)」では、この事件の新たな詳細が明かされた。脚本家のマーク・ワイルディングによると、パトリックとイザイアの間では撮影現場での遅刻を巡って2日連続で衝突が起き、「ある日突然、大爆発した」と証言している。

さらに、現場にいた脚本家ハリー・ワークスマンは、「イザイアはその日、なぜかパトリックの態度を悪く受け取り、突然彼に掴みかかった。パトリックを壁に押し付け、“俺にはあのホモのT.R.と同じように話しかけるな”と言い放った」と述べている。

このスキャンダルは当時大きな波紋を呼び、『グレイズ・アナトミー』の未来すら危ぶまれた。しかし、番組はその後も存続し、現在では歴史に残る長寿ドラマとなっている。

『グレイズ・アナトミー』シーズン1~20は、Disney+(ディズニープラス)にて配信中。シーズン21は米ABCで放送中。(海外ドラマNAVI)

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Photo:© 2022 ABC Studios