
イギリスで2月16日(日)に開催された第78回英国アカデミー賞(BAFTA賞)授賞式で、司会のデヴィッド・テナントが発したアメリカ合衆国のドナルド・トランプ大統領にまつわるジョークが、放送の際にカットされたと米Deadlineが伝えている。
子ども、お化け扱いがカットに。一方で残ったくだりも
16日19時からロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホールで開催された授賞式。その司会は、『ドクター・フー』『グッド・オーメンズ』などの人気ドラマに主演する英国俳優のデヴィッドが2年連続で担当した。授賞式開始の数時間後に2時間の尺に編集されたバージョンが英BBCで放送されたが、そちらではとある場面がカットされていたという。
削除されたのは、授賞式のオープニングでデヴィッドが話したトランプ大統領に関するジョーク。デヴィッドはこの日主演男優賞など計3部門にノミネートされていた伝記映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』をトランプ大統領本人が見たとは考えにくいと発言し、その理由を「(イギリスのレーティングでは)15歳以上が対象だし、ニコロデオン(子ども向け番組を多数放送するチャンネル)でも放送されていないから」と説明。続けて「ドナルド・トランプ、僕は心配だよ。彼の名前を3回も言ってしまった。まるで『ビートルジュース』みたいに彼を呼び出してしまったかもしれない(※ティム・バートン監督の映画『ビートルジュース』では、「ビートルジュース」と3回唱えると、人間を怖がらせる“バイオ・エクソシスト”のビートルジュースが死後の世界から呼び出される)」と笑いを誘ったのだ。
トランプ大統領を子どもやお化け扱いしたこれらのジョークは、BBCで放送されたダイジェスト版ではカットされることに。トランプ大統領に関する発言で唯一残されたのは、映画『ブルータリスト』を紹介する際のジョーク。エイドリアン・ブロディがホロコーストを生き延びてアメリカへ渡った一人の建築家を熱演し、本年度アカデミー賞大本命と言われる本作を紹介する際、「今年最も大胆な建築に関する映画だよ。『アプレンティス』でのドナルド・トランプの髪型を除けばね」と言った後、「悪役といえば…」と付け加える場面は放送でも残された。このくだりでは会場の観客から大きな拍手が沸き起こったそう。
残念ながら攻めのジョークはカットされてしまったデヴィッドだが、彼の司会としての仕事っぷりは称賛の嵐だ。オープニングではザ・プロクレイマーズの「I’m Gonna Be (500 Miles)」に乗せてステージに登場し、昨年に続いて司会を務めることについて「もう一度BAFTAを司会するために500マイル(約800km)歩いてきた」と熱唱すると会場は大盛り上がり。会場に来ていたカミラ・カベロやジェームズ・マカヴォイ、アナ・ケンドリックといったゲストと一緒に歌うなど、セレブを巻き込んで盛り上げた。
これを見たファンの一人はSNSで「デヴィッド・テナントのミュージカルナンバー、行っけえええ!」と興奮気味にコメント。そのほかにも、「デヴィッド・テナントが歌ってくれる日曜の夜、最高すぎる」「デヴィッド・テナントが『500 Miles』を歌ってるなんて耐えられない(最高すぎる)」「BAFTAでデヴィッド・テナントが歌ってくれたおかげで心が癒やされた」といった熱い反応が寄せられ、多くのファンが口をそろえてデヴィッドのパフォーマンスを絶賛した。
今年の高評価を受けて、3年連続で司会を務める可能性もあるのではないだろうか。来年のBAFTA賞授賞式が早くも楽しみだ。
『グッド・オーメンズ』シーズン1~2はAmazon Prime Video(アマゾンプライム)にて配信中。(海外ドラマNAVI)
BBC Cuts Some Donald Trump Jokes From David Tennant's Opening BAFTA Remarks https://t.co/TxCIgTowVI
— Deadline (@DEADLINE) February 16, 2025