1999年の映画『シックス・センス』でアカデミー賞の監督賞・脚本賞にノミネートされたM・ナイト・シャマラン。彼の手掛けたApple TV+のドラマ『サーヴァント ターナー家の子守』が著作権をめぐって訴えられていることは当サイトでお伝えした通りだが、シャマランも証言を行った。米Varietyが伝えている。
『サーヴァント』への疑惑は「100%誤解」
2019年から2023年まで4シーズン続いたサイコサスペンス『サーヴァント』で、シャマランは製作総指揮・監督・出演を兼任。さらに娘のイシャナ・ナイト・シャマランが脚本・監督・製作を担当と、シャマラン親子プロジェクトとも言うべき作品だった。
だが配信開始から間もない2020年初め、イタリア出身の監督フランチェスカ・グレゴリーニから著作権をめぐって訴えを起こされた。グレゴリーニは、『サーヴァント』は自身が2013年に発表した映画『The Truth About Emanuel(原題)』から主要な要素を盗用したとして、シャマランとAppleを相手取って8100万ドル(約126億円)の損害賠償を求めている。
『サーヴァント』の予告編を初めて見た時にショックを受けたというグレゴリーニは、「自分の見ているものが信じられませんでした。彼らは私の映画から要素を取り、やり直したことが見て取れました」と振り返った。
裁判は今月中旬からカリフォルニア州リバーサイドの連邦裁判所で行われており、22日(水)にシャマランも証言台に立った。彼を含むApple側の関係者たちは当初から疑惑を否定してきたが、改めてシャマランは陪審員に向かって無罪を主張。「明らかに、100%誤解です。今回の告発は、自分がこれまでにやってきたこと、示そうとしてきたこととまったく逆のものを指しています」と述べた。問題の映画は今月初めまで目にしたことがなかったと語り、同作を少しでも模倣したかと繰り返し聞かれた際にも「絶対にそんなことはしていません」ときっぱり否定している。
なお、シャマランは『The Truth About Emanuel』を見て、「あの映画にあるものはすべてほかの映画から来たもの」と、過去の作品の影響を受けていると指摘。被告側の弁護士も、同作にあるショットのいくつかは『シックス・センス』を彷彿とさせるとして、シャマランの主張を後押しした。その上でシャマランは、自分はグレゴリーニを盗作疑惑で訴えるつもりはないことを明言、フィルムメイカーは彼らだけの共通言語を持っているものだと続けた。
「(問題のショットは)僕のものではありません。誰でも同じショットを使うことができます。僕たちは皆、お互いから学び続けています。過去にはヒッチコックやキューブリックがいますが、彼らも自分で発明したわけではなく先達から学んだのであり、今後もそうやって受け継がれていくものなのです」
裁判の判決は今週中に下される模様だ。
『サーヴァント ターナー家の子守』全4シーズンはApple TV+にて配信中。(海外ドラマNAVI)
'Servant' Trial: M. Night Shyamalan Denies Copying, Says Dispute Is a 'Misunderstanding' https://t.co/AWgtSvIpZQ
— Variety (@Variety) January 22, 2025
参考元:米Variety