12月8日(日)に「東京コミコン2024」でマッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーによるトークショーを開催。『ハンニバル』での第一印象や今年で10年となるシーズン2の撮影裏話、好きな日本料理、さらにはマッツによるデンマーク語講座などが繰り広げられた。
『ハンニバル』の二人が再会!
マッツ・ミケルセンとヒュー・ダンシーといえば、3シーズンにわたって製作されたドラマ『ハンニバル』。マッツはハンニバル・レクター博士、ヒューはウィル・グレアムとして出演していた。
登場すると、マッツは指ハートでファンサービスしながら「東京に戻ってこられて本当に嬉しいです」。ヒューは「今回、初めての来日なんです。こうしてマッツと一緒の舞台に立てて本当に嬉しいです。『ハンニバル』ファンの象徴である)フラワークラウンを着けた人もたくさんいますね。ありがとうございます」と、日本のファンに挨拶した。
シーズン3が本国で放送された2015年から早9年。シーズン2からは、今年でちょうど10周年となる。シーズン2といえば、エピソードタイトルに日本の懐石料理がつづられている。そこで、シーズン2の撮影の思い出と、好きな日本食について伺うことに。
ヒューは「シーズン2で最も印象深いのは間違いなく最終話ですね。キッチンでアビゲイルとマッツが…たくさん血が流れて…。マッツとも話したんですが、あれはとても難しいシーンでした。少し前に見直したんですが、とにかく尺が長くて一晩かけて撮影しました。
ただ、同時にとても美しいシーンでもありました。」と、撮影時の思い出を明かした。
好きな日本食については、「昨夜は一緒に神戸牛を食べました。とにかく美味しかったので好きな食べ物の1位になりましたね。和食は何でも好きですが。」と話した。
マッツは「ヒューと同じく最後のシーンです。とてもいい理由があるので、今からお話ししたいと思います。まず、皆さんに与えたい印象を提供できたから。あと、キッチンを綺麗にした私が、外に出ると雨が降ってきて、雨で(血が付いた)顔を洗い流すというようなシーンがあったんですが、実はその日はマイナス30度だったんです。だから本当に雨が冷たくて。とにかく辛かったんですが、その場面を50回撮影したんです。そういう意味でもすごく印象的ですね」と、厳しい環境下での撮影だったことを明かした。
和食については「ヒューと同じで何でも好きで、昨日の神戸牛も美味しかったです。とはいえ、私はやっぱり寿司が好きですね。いくらでも食べられます。3日連続で食べてもいいくらいに」をお寿司愛を告白。
次に『ハンニバル』の現場での第一印象について聞かれると、ヒューは「彼とはもともと知り合いだったんです。『ハンニバル』では、トロントで僕のパートを撮影している時に、真夜中にもかかわらずマッツがセットに来てくれたんです。(クリエイターの)ブライアン・フラーもそこにいました。その時のマッツはもう衣装姿で、すごく素敵なセーターを着ていて、教授らしく見えました。一方の私は撮影1日目なのにすでに血まみれで、この作品がどういうものなのかをその時に理解しました」とのこと。
マッツは「ヒューが言った場面はよく覚えていないんですが、私は外国人なので、どういう風に英語を喋るかというのは、いつも気にしているんです。ヒューはイギリス人ですが、セットにいる彼を見て、“ちょっと待って、君ってアメリカ人だっけ?”と思いました。そのくらい自然なアメリカ英語を喋っていたんですが、撮影が終わるとイギリス英語に戻っていて驚きましたね。改めて脚本を見直すと、すごく小さな字でヒューの役柄はアメリカ人だと書いてあって、私たちは役者だったんだということを思い出しました。」と、ヒューの演技に驚いたという。
続いて、血だらけの撮影現場にいたことで、私生活になにか影響はあったのかという質問に、まずはヒューから回答。
「私はグロテスクなものを見ても影響はなく、逆にとっても楽しかったです。ドラマとしてはより残酷なほど、気持ち悪ければ悪いほど成功するわけなので、ある意味ちょっと現実離れしていて、夢の世界にいるような感じで受け止めていました。特に被害者たちを見るのはとても楽しかったですね。小道具の造り込みが本当に素晴らしくかったです。あとはモデルですね。例えば、チェロマンを覚えていますか? 骨を喉に突っ込まれる人です。あのモデルもよくできていました。あとは、別の現場で知り合いだった人が『ハンニバル』に出てきた時に、その顔がめくられているというシーンがあって。彼に会った時に、“いつもと違うね”なんて言って挨拶をしたのを覚えています」
マッツも「私もまったく影響なかったです。ヒューが言ったように、ちょっとクレイジーなアングルで見せるっていうことをやっていました。もう青天井で、何をやってもいいという感覚で取り組んでいましたね。現実味のない形で表現をしていたので、本当に楽しかったです」とヒューに共感した。
次に、ヒュー個人に、恐ろしい殺人シーンをウィルが再現するが、脚本を渡されるたびに気が滅入ることはなかったかと質問があり「一度も。私がいつも気にしていたのは、殺人シーンの再現をする時、私はそのキャラクターとして後ろ向きに歩かなければならなかったことです。真面目な顔をして、下を見ないで、そのまんま逆方向に、後ろに歩いていくということをしなければいけないのが結構難しかったです。でも、本当にあの殺人シーンは私は好きでした。先程も言いましたが、すごく魅惑的に現実的ではないような形でシーンを描いていたので、本当に美しくて、毎回楽しみにしていました」と、撮影時の裏話を披露。
マッツには、昨年に引き続きMCからデンマーク語講座の要望が。昨年は「愛している」だったが、今回は「お会いできてうれしいです」のデンマーク語を教えてほしいと言われ、マッツは「デンマークにそういう表現はないんですがやってみます」と断ってから披露。
しかし、難易度が高く「それと同じ意味で投げキッスをしています」と、会場のファンに投げキッスを贈り、歓声があがった。
ヒューは初めての来日であることについて聞かれ「ぜひまた来たいです。今回は一昨日に来日したんですが、今夜発たなければならなくて、すごく短い滞在なんです。次回は神戸牛のレストランに行きたいですね」と、神戸牛がかなり気に入った様子。
マッツには、今後日本でも公開が予定されている2作について質問が。「この2本の映画はかなり異なります。まず『ライオン・キング:ムファサ』から説明すると、皆さんご存じの『ライオン・キング』の前日譚になります。ムファサがどうしてムファサになり、スカーがどうしてスカーになったのかを描いているんですけれども、非常にシェイクスピア的な物語になっています。私の役柄について悪人だと言う人もいるかもしれませんが、私は悪人ではありません。『愛を耕すひと』についてごくごく簡単に説明すると、これはある男性の頑固さをテーマにしています。一体何を大事にしなければいけないのか、答えは目の前にあるのに見えない。なぜならば、彼は自分の幸せよりも、目の前にある戦いに勝たなければいけないという頑固な考え方を持っているからです。これは実際に起こったことで、過去の話ですが現代にも通じるのではないかと思っています」と見どころを説明した。
ヒューも今後の予定について聞かれ「ここ3年ほど、アメリカのドラマ『LAW & ORDER』に出演しています。今のシーズンの半分くらいを撮り終えています。実は日本に来る前にも同作の撮影があって、飛行機に乗ってここに来て、でまた今晩また飛行機で帰ってからスタジオに直行します。来年の春まで出演します」と、過密なスケジュールの中駆けつけてくれたことを明かした。
最後に、日本のファンへのメッセージとしてヒューは「今日は来てくださってありがとうございます。皆さんが温かく迎え入れてくれているのだと、心の底から強く感じることができました。また戻ってきたいと思います。どうもありがとうございました」とコメント。
マッツは「ヒューと同意見なんですが、毎回来るたびにいつも皆さんが温かく迎え入れてくれて、辛抱強くいろんなことを全部受け止めてくれていることが本当にありがたいです。
このコミコンもあと半日と、短い時間なんですけれども、ぜひ楽しんでいただきたいです。あと、横でヒューが言っていたのは、“みんなデンマーク語を習ってね”だそうです。ありがとうございました」と、メッセージ。
最後に、二人が熱いハグを交わして、会場の完成は最高潮に達した。
海外ドラマNAVIでは、各種SNSで「東京コミコン2024」最新情報を発信中!
こちらもぜひチェックを。
fa-twitterX(Twitter):@dramanavi
fa-twitterInstagram:@dramanavi
fa-youtube-playYouTube:@dramanaviMovie