スピルバーグ×スコセッシの『ケープ・フィアー』ドラマ版、主役が決定!

ハリウッドを代表する二人の巨匠、スティーヴン・スピルバーグとマーティン・スコセッシがドラマシリーズで初めて手を組むことは、2023年11月に当サイトでもお伝えした通り。それからおよそ1年経って、続報が届いた。

『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』も話題になったオスカー俳優

スピルバーグとスコセッシが一緒に取り組むのは、1991年にスコセッシが映画化したこともあるジョン・D・マクドナルドの小説「ケープ・フィアー ―恐怖の岬」(文春文庫)。

原作は、妻子と幸せに暮らす弁護士サムの日常は、マックスという男が刑務所を出所したことで一変。重い犯罪で長い間服役していたマックスは、こうなったのもサムのせいだと逆恨みし、彼と家族に向けた復讐を開始する…というストーリーだ。

1962年の映画化『恐怖の岬』は、当初メガホンを取るはずだったアルフレッド・ヒッチコックの絵コンテをもとにJ・リー・トンプソン(『ナバロンの要塞』)が監督を務め、グレゴリー・ペックとロバート・ミッチャムが競演。1991年のスコセッシ監督によるリメイク『ケープ・フィアー』にはロバート・デ・ニーロ、ニック・ノルティ、ジェシカ・ラングなどが出演し、主人公サムの一人娘を演じたジュリエット・ルイスは18歳でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた。

なお、1991年の『ケープ・フィアー』はもともとスピルバーグが企画しており、スコセッシはその間『シンドラーのリスト』に取り組んでいたが、二人は最終的に監督する作品を交換。出来上がった作品はいずれも高い評価を受け、『シンドラーのリスト』でスピルバーグはアカデミー賞の作品賞と監督賞を獲得したという裏話がある。

ともにアカデミー賞受賞監督であるスピルバーグとスコセッシが製作総指揮を務めるドラマ版『Cape Fear(原題)』は、制作発表当初から注目を集めて買い手が殺到したが、最終的にはスコセッシと2020年に映画・ドラマのファーストルック契約を結んでいるApple TV+がその権利を手にすることに。

そしてほぼ1年が経過したこのタイミングで、Apple TV+が全10話のシリーズ制作を発注、さらに主人公の弁護士を逆恨みする犯罪者のマックス・キャディをハビエル・バルデムが演じることが決まった。2007年の映画『ノーカントリー』で殺し屋アントン・シガーを怪演してアカデミー賞助演男優賞に輝いたハビエルは、実話をもとにした犯罪ドラマ『モンスターズ:メネンデス兄弟の物語』でのメネンデス兄弟の父親役が話題になったばかりだ。ロバート・ミッチャムとロバート・デ・ニーロが演じた強烈なキャラクターにハビエルがどのように扮するのか、期待したい。ハビエルは出演のほか、製作総指揮にも名を連ねる。

ドラマ版の公式あらすじは「幸せに暮らしていた弁護士夫婦、スティーヴ&アマンダ・ボーデンのもとに、出所した悪名高い殺人者のマックス・キャディが現れたことから、嵐が巻き起こる…」と伝えられており、ボーデン夫婦の名前は原作からも過去の映画2作からも変わるようだ。また、今回のボーデン夫婦に子どもがいるかどうかは今のところ不明。

ショーランナーを務めるニック・アントスカ(『Channel ZERO』)は幼い頃から1962年・1991年バージョンの映画がいずれも好きで、8年前からドラマ化の企画を持ち込み、アピールし続けていた。今回のドラマ版は、21世紀におけるアメリカの犯罪に対する執着を検証する、緊張感のあるヒッチコック的なスリラーになると言われている。

ハビエル以外のキャストも報じられ次第、お伝えしていきたい。(海外ドラマNAVI)