第96回アカデミー賞で10ノミネートを果たした『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』を監督した巨匠マーティン・スコセッシが、「聖人」をテーマにしたドキュメンタリー・ドラマシリーズ『The Saints(原題)』を製作することが明らかになった。米Deadlineが報じている。
信仰心にあふれた作品をまたも手掛けることに
米Fox Nationが製作する本シリーズは、8人の男女が聖人になるまでの道のりが描かれる。全8話となるシリーズの各エピソードで取り上げられるのは、百年戦争で英雄となった女戦士ジャンヌ・ダルク、アッシジの聖フランシスコ、洗礼者ヨハネ、イギリスの聖職者でカンタベリー大司教のトマス・ベケット、マグダラのマリア、黒人のモーセ、聖セバスティアヌス、ポーランドの司祭マクシミリアノ・コルベ。彼ら8人の聖人の優しさや無私の心、犠牲の行為を考察していく。
スコセッシは全8話で司会・ナレーション・製作総指揮を担い、クリエイターを務めるのは、『アウシュヴィッツの生還者』をプロデュースしたマッティ・レシェム。『マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行』でスコセッシとタッグを組んだケント・ジョーンズが脚本を執筆、『ディア・ファミリー ~あなたを忘れない~』のエリザベス・チョムコが監督を務める。
これまでにFox Nationは、『9-1-1:LONE STAR』のロブ・ロウが進行役を務めたドキュメンタリー・ドラマシリーズ『Liberty or Death: Boston Tea Party(原題)』や、『イエローストーン』の主演で知られるケヴィン・コスナーが、イエローストーン国立公園の魅力を紹介するドキュメンタリー番組『Yellowstone: One-Fifty(原題)』などを製作している。
巨匠スコセッシといえば、『グッドフェローズ』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『アイリッシュマン』といったマフィアやギャング映画を数多く手掛けているイメージがあるが、キリストの人生を新たな切り口で描いた『最後の誘惑』や、遠藤周作による信仰をテーマにした小説「沈黙」の映画版『沈黙 -サイレンス-』など、宗教色の強い作品でも監督を務めている。
敬虔なカトリック信者であることを公言しているスコセッシが、若かりし頃に神父を目指していたことは有名な話で、昨年5月にはヴァチカンを訪れた際にローマ教皇フランシスコと面会し、「キリストについての映画を製作する」と発表していた。
2部構成となる『The Saints』は、米Fox Nationで前半の4話が2024年11月16日、後半の4話は2025年5月に放送開始予定。(海外ドラマNAVI)
参考元:米Deadline
Photo:マーティン・スコセッシ ©James Warren/Famous