『スター・トレック』フランチャイズのショーランナーが86歳で死去

1966年に誕生すると、今も新たなシリーズが次々と生み出され、多くのファンに愛されている『スター・トレック』シリーズ。その繁栄を支えてきた一人、ジェリ・テイラーが永遠の眠りについた。

脚本家、プロデューサー、小説家としても活躍

10月24日(木)に86歳で亡くなったことが「スター・トレック」公式サイトにて伝えられたテイラーは、もともと脚本家としてテレビ界に入り、『大草原の小さな家』『超人ハルク』『私立探偵マグナム』といった人気作も担当。『スター・トレック』の世界に関わるようになったのは1990年で、『新スター・トレック』のシーズン4にまずは脚本家・プロデューサーとして関わるようになり、最終章のシーズン7ではショーランナーを担ってエミー賞作品賞候補に名を連ねた。1995年に始まった『スター・トレック/ヴォイジャー』でもショーランナーやクリエイティヴ・コンサルタントを歴任。そのほかにも『スター・トレック/ディープ・スペース・ナイン』などの制作に関わり、「新・宇宙大作戦/ヴァルカン大使スポック」を含む3冊の関連小説を執筆した。

なお、『スター・トレック』フランチャイズで30話以上の脚本を手掛けてきた彼女が最も誇りに思っていたエピソードは、『新スター・トレック』シーズン4第21話「疑惑」だという。

テイラーの死に『スター・トレック/ヴォイジャー』キャストも反応。キャスリン・ジェーンウェイ船長役のケイト・マルグルーは「ジェリ・テイラーは私の人生を変えてくれた。彼女には感謝しかない」と感謝を示し、ドクター役のロバート・ピカードは「一緒に働いたが、本当に素晴らしい人だった! 彼女はジェーンウェイ船長の心を持っていた」と故人を称えた。

キャリア初期に『スター・トレック/ヴォイジャー』や『スター・トレック/ディープ・スペース・ナイン』の脚本に関わり、今では『スター・トレック:ディスカバリー』のクリエイターを務めるまでになったブライアン・フラーもテイラーを追悼。「ああ船長、僕の船長。『スター・トレック/ヴォイジャー』のパイオニアであり、僕にとって最初のショーランナーのボスにして誰よりも優しかったジェリ・テイラー」と、若き日の自分とテイラーのツーショットをX(旧Twitter)に投稿した。

そのほかにも、『スター・トレック/ヴォイジャー』のシリーズ途中にテイラーからショーランナーを引き継いだブラノン・ブラーガや、フランチャイズでグラフィックデザイナーを務めてきたマイケル・オクダがその死を悼んでいる。

また、テイラーの息子も声明で「母は男性ばかりだった業界で成功を収めました。特別押しが強かったわけではなく、思いやりと優しさでもってそれを成し遂げたんです。母は、まるでみんなの母親のような存在でした」と述べていた。

『スター・トレック』シリーズに多大な影響を与えた彼女の冥福を祈りたい。(海外ドラマNAVI)

参考元:「スター・トレック」公式サイト米Variety米Hollywood Reporter