映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のスピンオフドラマ『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』では、2022年の映画とほぼ同じ顔ぶれが揃う中、あるキャラクターはリキャストとなった。なぜリキャストされたのかを関係者が明かしている。米Entertainment Weeklyが伝えた。
有名一族の実話になぞらえる
U-NEXTにて配信中の『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』には、タイトルロールであるオズワルド・“オズ”・コブルポット/ペンギン役のコリン・ファレルをはじめ、『THE BATMAN-ザ・バットマン-』と同じキャストが続投する中、カーマイン・ファルコーネだけはキャストが変更に。映画版のジョン・タートゥーロに代わってマーク・ストロングがドラマ版を演じた。マークといえば『グリーン・ランタン』や『シャザム!』シリーズにも出演しており、DC作品になじみ深い人物だ。
ショーランナーのローレン・ルフランは「ジョンにカーマイン・ファルコーネとして戻ってきてほしかったかって? もちろん」とコメント。「ジョンは本当に才能あふれる俳優で、あの映画でも卓越した存在。でも彼のスケジュールが合わないと分かったので、誰があの貫禄と冷酷さを持っているかをすぐに検討し始めた。そしてマーク・ストロングが当てはまったの」と、スケジュールの都合でジョンの再演が実現しなかったと説明した。
ドラマの第1話に続いて第4話のフラッシュバックシーンにも登場したマークのカーマイン・ファルコーネ。「(第4話の)こうしたシーンがどのようなものになるのか、見るのが本当に楽しみだった。だって彼は(娘である)ソフィアの物語にとても大きな影響があるから。カーマインを物語に登場させないなんていう考えはもちろんなかった。私たちはソフィアの物語がカーマインの物語とも密接に絡み合うよう、とても慎重にプロットを練ったの」と、ルフランはストーリー作りの裏側を語る。
過去と現在が交錯する第4話では、娘のソフィアにも容赦しないカーマインの姿が見られた。「マークに聞かないといけないけれど、彼は『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のジョンの佇まいや話し方を見たんだと思う。貫禄という言葉を何度も使ってしまうけど、これは彼の存在感においてとても重要な要素なの。特にソフィアとの関係においてね。温かさと同時に、とてつもない冷たさがカーマインの中心にある。彼を見ていてそれが一貫していると感じた。彼こそが彼女の父なんだって、痛感したの」とマーク版カーマインを絶賛。
ルフラン自身、カーマインとソフィアの物語を作る上で参考にした実在の人物がいるという。それは第35代アメリカ合衆国大統領ジョン・F・ケネディの妹ローズマリー・ケネディ。23歳の時に父の命令でロボトミー手術を受けさせられた彼女について「彼女が精神的に病を抱えていたのか、それとも不適切と感じさせるような言動によりケネディ家の印象を悪くしてしまっただけなのか、はっきりとは分からない」とルフランはコメント。
「私たちはソフィアが何者で、どうしてこう育ったのかを深く掘り下げると同時に、私たちの制度の欠陥、例えば一部の男性が若い女性に対して持つ権力といったようなことも反映している。誰が声を持っていて、誰が持っていないのか? 誰の声が抑圧されているのか?」と話し、カーマイン家の物語に込められたメッセージを明かした。
ケネディ家の出来事になぞらえた展開も評価されたのか、10月13日にリリースされた第4話「チェント・アンニ」はIMDbで10点満点中9.5点と、ドラマのエピソードとしては歴代最高クラスの数字を記録している。
『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』はU-NEXTにて配信中。(海外ドラマNAVI)