米CBSにて15シーズンにわたって放送された『クリミナル・マインド FBI行動分析課』シーズン2では、BAUチーム(行動分析課)メンバーのスペンサー・リードが薬物依存症で苦しむ姿が描かれたが、そのストーリー展開は中途半端な形で終わった。それは、なぜなのだろうか?
ファンに嫌われるかも…
シーズン2では、殺人事件の容疑者の人質になったリードが麻薬性鎮痛薬のヒドロモルフォンを打たれて過剰摂取しそうになり、その事件後に彼は麻薬性鎮痛薬に依存するようになってしまう。
リードはBAUチームに依存症の問題を隠していたが、ますます薬にハマっていく彼の行動や容姿、態度が悪化していき、さすがにメンバーもリードの変化に気づくようになる。ところが、その問題については数エピソードにわたって何度か言及されたのみで、リードは依存症を脱したように見えた。薬物依存症の克服は容易ではなく、その問題の大きさを考えると、リードの問題が劇中で二度と描かれなかったのは不自然だとも言える。
その理由は、リード役のマシュー・グレイ・ギュブラーが、この展開が長期的に続くと、視聴者のキャラクターに対する好感度が下がってしまうと懸念したからのようだ。以前にマシューは、米TV Guideのインタビューでリードの依存症について、「彼は、今も自分が仕事をこなせるかどうか疑いを持っています。いつも彼に親しみを持ってもらえるように努めているから、この展開は辛いですね。ファンは彼のことを嫌うようになると思うけど、依存症が彼を人間らしくもしています」と語っていた。
依存症の問題を抱えることで、よりキャラクターはリアルな存在になるが、薬物の影響下にあるリードは陰鬱かつ攻撃的で、あまりにもファンにダークな面を見せすぎると裏目に出る可能性もある。リードの依存症が掘り下げられずに中途半端に終わったのは、そのキャラクターの発展のさせ方に、マシューが異を唱えたからだと見られている。
なお現時点では、リバイバル版となる『クリミナル・マインド/FBI vs. 異常犯罪:エボリューション』で、マシューのカムバックは実現していない。ショーランナーのエリカ・メッサーは、シーズン16~17ではマシューの都合がつかずに出演に至らなかったが、いつでも復帰に大歓迎で、リユニオンには運が必要だと述べていた。
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Photo:『クリミナル・マインド FBI行動分析課』©ABC Studios